模型製作のモチベーションを上げるために、カーアクション映画をいくつか再見。これは1969年制作のオリジナル版。低予算でありながら、車表現にこれでもかとこだわりを見せた名作。登場する車もミニをはじめ、アルファロメオジュリエッタ、ランボルギーニミウラ、アストンマーチンDB4、ジャガーEタイプ等、往年の名車が次々と登場し、次々と壊されていくというウヒャウヒャな展開。(^O^)
2003年版がネット配信されていたので、この機会に続けて鑑賞。「BMWミニ」が主役ということで今まであまり食指が動かなかったのですがが、それよりもこの映画の致命的な問題点は車が主役ではないということ。
冒頭シーン。ヴェネツィアの運河での船のアクションが延々続いて、「・・・え、ヴェネツィア?カーアクションじゃないじゃん・・・見る映画、間違えたの?(・・?)」となりました。
ようやく過去の因縁話が終わって、ヒロインのシャーリーズ・セロンが運転する旧ミニがようやく登場。「おお、ここで旧ミニがキビキビと走る姿を見せてリスペクトを表すのだな!(^O^)」と期待。
わずかな駐車スペースを発見。「お、ここでスピンターンでぴたりと駐車して、ミニのすごさやかわいさを見せるのだな!」・・・と思いきや・・・。
ハンドル操作をするシーンからカットを割っていつの間にか停車しているミニ・・・。「え・・・Σ( ̄。 ̄ノ)ノ・・・こ、これは自主制作映画なのか?」このあたりから制作者が車をかっこよく見せる気がないことがわかって真面目に見る気が失せました。
一応最後まで見ましたが、予想した通り制作者たちは車に対する特別なこだわりも愛情もなく、腕のあるドライバーによって車が信じられない動きをするシーンを期待する私にとっては全く見どころがない作品でした。現在の映画制作環境では昔のような乱暴なカースタントは不可能になっているのでしょうが「それならこんな題材を選ぶな!」と言いたいです。
ネットで好意的な意見の人は概ね、マーク・ウォールバーグ、シャーリーズ・セロン、ジェイソン・ステイサムといった俳優陣が豪華で良かったというもの。さらにいうとオリジナルがあることを知らなかった人も多数。なるほど、そういう人たちに向けて作られた映画だったのね・・・。それならそれで構わないのですが、カーアクション映画のお勧めに挙げられているのを見て「それはじぇんじぇん違うぞ!」と言いたくてこの小文を書いたという次第です。
カーアクション映画好きの人にはオリジナルの「ミニミニ大作戦」こそお勧めします。古い映画なので前半は退屈に思えるかもしれませんが、そんな人は思い切って最後のクライマックスシーンだけを見てもかまいません。要するに金塊を奪ってミニで逃走するだけの話ですから。この逃走場面こそが映画のキモで、俳優の出番もほとんどなく延々と「ミニが演技をする」姿を見てもらいたいものです。