No.59 タミヤ1/10 RCカー ドライバーフィギュア

2023年11月製作開始予定

今回のご依頼は1/10電動ラジコンカーのフィギュア製作です。

依頼者様がガンガン走行する目的での製作ですので。変に凝った塗装やディティールアップは無しで走行中に見栄えがするように基本的な塗装と組み立てのみを行います。

タミヤの電動ラジコンカーは昔、タイレルP34を持っていました。この頃のタミヤはRCカーにもスケールキット並みのリアリティを追求していたのか、プラスチックボディを採用していて、あちこちにぶつけてあっという間にボディがボロボロになってしまいました。(T ^ T)

製作記録

キットレビュー

パーツ一覧

パーツ数は全6点。ラジコン用フィギュアなので、胴体部は上げ底、ハンドルは上部のみ接着と極めてシンプルな構成になっています。

組み立て・下地処理

塗装

No.53 アオシマ1/24 Y31 セドリック グランツーリスモSV 後期型

2023年9月製作開始

次の依頼品はかつて日産の高級車に君臨していたセドリックの7代目Y31です。Y31がデビューした80〜90年代にはR32スカイラインやZ32フェアレディZ、シルビアといった名車が発売された日産の黄金時代でした。その後、経営不振に陥りフランスのルノー傘下に入ることになるのですが・・・(−_−;)

アオシマのこのキットは80年代に設計されたモーターライズキットをベースにしているので、エンジンレスで足回りなどは精密感より遊びやすさを優先しています。その後、ディスプレイモデルとして改修し、パーツ追加をして走り屋仕様や暴走族仕様として繰り返し再販されてきたもののようです。

製作記録

キットレビュー

パーツ一覧

一見パーツ数が多く見えますが、不要パーツが大量に入っていて、実際に使用するのは半分くらいです。なぜか不要パーツがランナーまるごと付属しているという不思議なパッケージングです。

ホイールの取り付け

昔懐かしの金属ピンをハンマーで打ち込む方式。これは子供の頃によく失敗してパーツを割ってしまったので、ホイールの穴を拡大して接着式に変更します。

仮組み①

シャーシは一枚板でエンジン下面やドライブシャフトなどはモールドで表現されていてます。リアの車軸にモーターライズキットとして販売されていた時の名残が残っています。

仮組み②

コクピットはフロアー、シート×2、ドア内張×2、ダッシュボードの6点からなる一般的な構成。パーツ数は少ないですが、思ったよりデカールや塗り分けが多くて手間がかかりそうです。

仮組み③

仮組み完了。古いキットですが、バリやヒケは思ったほどひどくありませんでした。ボディラインが少し角張っているような気がしますが、今回は無改造で製作します。

ボディ

フェンダーの裏打ち

フロントフェンダーの左右には補助灯がつくのですが、なぜか巣抜けになっています(左)。こんなところに窓があるのはおかしいので、プラ板で裏打ちをしました(右)。

シャーシ・内装

最終組み立て

No.49 フジミ 1/20 ウィリアムズ FW16(1994年ブラジルGP)

2023年9月完成

F1シリーズ第7弾は依頼品のウィリアムズ FW16です。実は90年代以降のF1マシンを製作するのは初体験だったりします。(^_^;)

当時のF1はアクティブサスペンション、ABS、トラクションコントロールといったハイテク全盛時代でしたが、突然のレギュレーション変更でハイテク装備を失ったFW16は苦戦し、サンマリノGPでアイルトン・セナが事故死するという悲劇に遭いながらもコンストラクターズタイトルを獲得したマシンです。

今回の依頼を受けて真っ先に心配したのがフジミ製であること。以前、BT46Bを製作した時に痛感しましたが、フジミのキットは意味不明の問題点が多くてなかなかの難物です。「技術力が低い」というより時間がなくて仕事が雑という印象です。ガレージキットだと思えばこんなものかと納得するのですが、フジミは一応伝統のある模型メーカーなんですよね・・・?

このキットの問題点は①リヤウィングが前傾してしまう②コクピットパーツがはさみこみ方式で塗装が面倒③接着面がせまくて強度的に不安なパーツが目立つ④パーツのすり合わせがキツキツで調整が必要⑤意味なくパーツがアンダーゲート化されている。⑥説明書が分かりにくくミスも多い。などです。

BT46Bに比べて評価できる点は①無意味なメッキパーツがない(ただし、初版キットではやはりメッキされていたようです)②パーツの色分けが常識的、など、余計な工夫をやめたことです。

考証面では①リアのブーメラン形ロワウィングの枚数が違う。②ブラジルGPのヒル車のゼッケンは角ばったヒシ型の「0」だが、そのデカールがない。③サイドミラーがブルーなのはサンマリノGPだけなのに全てブルーの指定になっている。この他にボーテックスジェネレーターの表裏が逆に指定されていましたが、これも再販時に修正されたようです。

ほとんどが技術的に難しいというものではなく、ユーザーのことを考えてキチンとチェックすれば改善できると思うのですが・・・。こういうツメの甘さにメーカーの体質が現れるのでしょうか・・・(´・ω・`)

製作記録

キットレビュー

パーツ一覧

ブラジルGP、パシフィックGP、サンマリノGPが選べるコンパチキットで、3種類のリアウィングパーツが付属しています。パーツは少なめで精密感についてはイマイチかな?

デカール①

通常デカール、タイヤデカールと塗り分け用のマスキングシートが付属。見たところ印刷はキレイでなかなか良さそうです。ブラバムBT46Bではカチカチで曲面にまったく馴染まないデカールに泣かされましたが、さて今回はどうでしょうか・・・?

デカール②

例によって「ロスマンズ」のタバコデカールはキットに付属しないので、サードパーティーのものを使用します。依頼者様からはMSN製とミュージアムコレクション製のものが送られてきました。

仮組み

主要パーツを仮組み。細長いノーズ、複雑な形状のウィング、フラットボトムと90年代F1らしいスタイルです。

ボディ・カウルの製作

シートの後ハメ加工①

メーターパネルやシートはボディに挟み込む方式になっていますが、どう考えても後ハメのほうが作業がラクなので写真上の取り付けダボをリューターで削り落として写真下のように加工。

シートの後ハメ加工②

このようにボデイの下からメーターパネルとシートが後ハメ可能になります。こんな単純なことがなぜメーカーにできないのでしょうか?

給油口の選択

ブラジルGPでは給油口は左ですが、パシフィックGP以降から右になっているため左右のパーツを入れ替えて使用します。実車では給油口のない側はツライチになっているようなので、パテ埋めをして接着線を消しました。

オンボードカメラ①

ブラジルGPでは右側で、それ以降は左側。普通はパーツ裏側に凹モールドを入れて、それをユーザーが自分で穴あけをするものですが、このキットではモールドも接着ダボも無し。実に手抜き仕様です。

オンボードカメラ②

ただ接着しただけでは強度不足なので、塗装図を参考に取り付け位置を決めて0.5mm真鍮線で軸打ち。

フロント周りの組み立て

ノーズは下面だけをボディに接着するようになっていますが、接着面がせまくて強度的に不安なので、サスアームを仮組みして位置決めをしてから瞬間接着剤でガッチリ固定しました。

リアロワウイング①

リアのロワウイングはサンマリノGPではIA2部品を、ブラジルGPではIB2部品を使うよう指示されています。しかしいくら探してもIB2部品が見つからないので、欠品かと思ってメーカーに問い合わせたら、なんのことはないただの表記ミスでした( ´△`)

リアロワウイング②

ブーメラン型ロワウイングは2枚重ねになっていますが、手持ちの資料では1枚が正解のようです。しかし、依頼者様のご希望で2枚重ねにしました。こっちの方がカッチョいいし強度も出るので考証にこだわらないならそういう選択もアリでしょう。

リアウイング

キットの指示通りに組み立てるとこのように前傾してしまうので、取り付けステー部を削って垂直になるよう調整しました。これまたえらくお粗末な設計です。( ´△`)

カウル後部パーツ

カウル後部のパーツは接着式。今時のプラモデルなら一体成形が当たり前だと思うのですが・・・。結局、組み立て中に2回、塗装中に1回折ってしまってその度に作業のやり直しです。「お前がヘタクソなだけだ!」と言われればその通りですが・・・(´・_・`)

ボディ塗装①

ボディ全体をフィニッシャーズのファンデーションホワイトで塗装してから、マスキング。

ボディ塗装②

青部分の塗装完了。ネットで検索するとフィニッシャーズの「ブライトブルー」を使っている人もいますが、実車写真と比べると暗すぎるように思えたので、「ピュアブルー」を使用しました。

デカールはり①

基本的なデカールはキット付属のものを使用。タバコデカールはミュージアムコレクションのものにほうが色合いはよかったのですが、サイズが大きすぎるので、結局、MSMのものを使用しました。

デカールはり②

インダクションポッドのラインのデカールは長さが足りないので、レッドとゴールドの部分を塗装でタッチアップします。

デカールはり③

デカールはり完了!だいぶ完成状態に近づいてきてテンションが上がります。黒部分は本来カーボン地なのですが、今回はセミグロスブラックで塗装しました。

シャーシ・足回りの製作

ディスプレイベース

シャーシにナットを接着して、3mmビスでディスプレイベースに固定できるように加工。

エンジン組み立て

FW16の特徴、ドライブシャフトを内蔵したアッパーアームの形状がよくわかります。今回はプロポーションモデルとして製作するので、セミグロスブラックで全体を塗装して見える部分だけ細部塗装をします。

ホイール・タイヤ①

ホイールのイエローラインはデカールで再現するようになっていますが、どうしてもシワが入ってきれいに貼るのはほぼ不可能なので、塗装で対応することにしました。

ホイール・タイヤ

ライン部をイエローで塗装してマスキング。全体をセミグロスブラックで塗装しました。はみ出しをタッチアップして完成。デカールをはるよりずっと簡単にできました。

ホイール・タイヤ

デカールをはって完成。タイヤデカールは光沢が強くて浮いて見えるので、セミグロスクリアーを吹いてツヤを抑えました。

最終組み立て

エンジン・足回りの組み立て

カウルを1500〜3000番のヤスリで研ぎ出し、コンパウンドで磨いて光沢出し。コクピットカウルにフロントサスを組み込んでシャーシと合体。

カウル・ウィングの組み立て

前後ホイールとウィング、カウルを取り付け。今回はプロポーションモデルとしての製作なので、カウルも接着しました。タイヤの接地性は良好で特に調整の必要はありませんでした。

完成!

ミラーやアンテナなどを接着して完成!今回はタミヤの「ディスプレイケースC」に固定しましたが、ビス止めですので、自由に脱着できます。

No.42 1/24 トヨタ GR ヤリス

メーカー:PZY MODEL

2023年8月完成

次の依頼品はレジン製ガレージキットの「GRヤリス」です。最近の車にはとんと疎いので、「GRヤリス」と聞いて「GR?ヤリス?どこの国の車だ?」と思いましたが、車好きの姪っ子に写真を見せたらすぐに教えてくれました。「GR」というのはトヨタのスポーツカーブランドの名前なのですね。(⌒-⌒; ) 3ドアコンパクトカーの「ヤリス」をベースにWRC出場のために作られたホモロゲーションモデルだそうです。国内名のヴィッツなら知っていたのですが・・・。

1,618 cc直列3気筒ターボ  最高出力 272馬力

乾燥重量 1,290 kg  2020年発売

「PZY MODEL」というメーカーについてはネットで調べてもほとんど情報がありませんでした。パーツの成形はなかなかキレイですが、ホイールが繊細すぎて強度的にかなり問題がありました。レジン製の重いボディを支える部分なのですから、もう少し工夫してもらいたかったものです。また、一般的なプラモデルとはパーツ構成がかなり違うのに、説明書がえらく不親切でどう組み立てるかにかなり頭をひねりました。

製作記録

キットレビュー

パーツ一覧

パーツ数は30点程度。エンジレスでシャーシ裏など見えない部分はツルツルテンの割り切った造形です。ほとんどがレジン製パーツで非常に重く、その他にクリアーパーツ、エッチングパーツ、デカールなどが付属します。

ウィンドウパーツ

普通ガレージキットではバキュームフォームのウィンドウが付属しますが、このキットのフロントとサイドウィンドウは保護シールのついて透明プラ板に黒部分を印刷し、切れ目に沿って剥がすというものです。ヤリスのウィンドウはほとんど平面なのでできることでしょうが、こんなパーツ構成は初めて見ました。

組み立て説明書

組み立て説明書はパーツ一覧とデカールやエッチングパーツの貼り付け位置の写真があるだけです。全く指示のないパーツもたくさんあるため仮組みにずいぶん時間がかかってしまいました。

組み立て

離型剤落とし

中性洗剤を混ぜた熱湯で煮沸して離型剤落とし。ついでにパーツの変形を修正しておきます。

シャーシの歪み修正

薄い板状のシャーシはかなり変形していました。最終的にネジ止めするので、特に問題はありませんが、離型剤落としのついでに修正しておきました。

ホイールの補強

ホイールは非常に精密に再現されていますが、繊細すぎてレジン製では強度不足で破損の恐れがあるので、黒い接着剤で裏打ちをしました。

ホイールの仮組み

プラモデルのカーキットでは通常、足回りはシャーシにつくのですが、このキットではボディ側に組み込むようになっています。車軸が欠品していたので、2mm真鍮線をカットして使用。

仮組み

主要パーツの仮組み完了。ダッシュボードやドアの内張もボディ側に接着します。シャーシ側はシートのみというシンプルな構成です。

シャーシ下面

シャーシの裏から4ヶ所をビス留めしてボディと接続。シャーシ下面はツルツルテンで「見えない部分は気にしない!」という実に男らしい仕様です。

ボディの塗装

内部色の塗装

とりあえず、ボディ内部をセミグロスブラックで塗装。かなり迷いましたが、足回りパーツは位置決めが難しいので塗装前にボディに接着することにしました。

ブレーキキャリパーの塗装

下地にホワイトを塗ってからレッドで塗装。「GR」のデカールをはってからクリアーコート。ディスク部は仕上げ時にエッチングパーツを接着する予定。

マスキング

ボディ内側、前後グリルなど黒部分を塗装してマスキング。いよいよボディ塗装に入ります。

ボディ塗装

ボディのホワイト部をフィニッシャーズのファンデーションホワイト→ピュアホワイトで塗装。マスキングを剥がして塗り分け部のはみ出しをタッチアップします。

ルーフのデカールはり

GRヤリスの特徴の一つ、カーボン製のルーフを再現するためにタミヤのカーボンデカールを貼りました。

細部塗装

前後左右のウィンドウパーツを接着してウィンドウ枠やパネルラインを塗装。

シャーシ・内装の塗装

内装の塗装

いつもはボディの塗装を先にやってしまうのですが、エクステリアの調整に時間がかかりそうなので、先に内装を塗装。ガイアカラーのセミグロスブラックを使いましたが、レザーシートのようにぬめっとした感じに仕上がりました。

ダッシュボードの塗装

ダッシュボードもセミグロスブラックで塗装。エアコンの送風口はエッチングパーツで再現。メーター、カーナビはデカールを、ステアリング中央のTマークはインレットシールを貼ります。

その他小パーツ

ホイール完成

アクセントをつけるためホイールはメタルブラックで塗装して、ホイール中心にはTマークのシールを貼りました。タイヤとホイールはサイズがゆるゆるなので接着しました。

補助灯のレンズ

フロント左右のエアスクープ?部を作製。キットの補助灯パーツは透明プラ板を切り抜いただけのショボいものなので、ミラーシールを張り込んで、WAVEのHアイズ(3mm)を接着。

フロントグリル

ヘッドライト、フロントグリルパーツを接着。エッチングパーツのメッシュの奥にのぞく銀色のラジエーターがカッチョいいです!

トラブル発生!

ホイールの破損

完成した依頼品をお客様に発送したのですが、ホイールのスポークがバラバラに!モールドが繊細すぎて強度には不安があったのですが、まさかここまで脆いとは・・・。

タミヤ 1/24 GR86

脆いパーツとはいえ、ここまで酷い破損は輸送中の事故の可能性が疑われます。運送会社に相談したところ補償が認められたので、修理を開始。タミヤのキットを購入してホイール等のパーツを流用しました。

サイズの確認①

左がタミヤGR86のパーツで、右がGRヤリスのパーツ。タミヤのものはだいぶ太いですが、デザインや直径がほぼ同じなので、なんとか使えそうです。

サイズの確認②

GRヤリスに取り付けられるようにホイールを加工して仮組み。タイヤが太くなったため、フェンダーから微妙にはみ出すので、取り付け部を削ってギリギリまで内に寄せました。

タミヤ 1/20 タイレルP34(1977年モナコGP)R・ピーターソン仕様

2023年6月完成

F1シリーズ第6弾は依頼品のタイレルP34です。

P34は実戦に投入された史上唯一の六輪車であって一目で分かる特徴のせいか、70年代に発売されたタミヤのキットも、40年以上にわたって何度も再販されています。かえる工房でも製作依頼の問い合わせがダントツに多く、現在でもF1のアイコンとして頻繁に使用されています。

   

一方で、知識も興味もないにもかかわらず六輪車の人気に便乗したいだけでヤカラも多く、YouTubeの解説動画の中には「前輪を小さくすることで空気抵抗が少なくなり、より多くのダウンフォースを得られた(◎_◎;)!などとトンデモ解説をしているチャンネルもあって目を疑ってしましました。

それは極端な例としても、P34をやたらと「名車」扱いをするのには少し違和感を感じます。76年には好成績を残したものの、2シーズンを通して優勝は1回のみと、あくまでも六輪車の可能性を感じさせる程度のものです。発表時には冗談だとしか思えなかった六輪車が鮮やかな1−2フィニッシュを決めたことが印象に残って「名車」のイメージを生んだのかもしれません。

かえる工房としては成績云々ではなく、誰一人思いつかなかった六輪車を実際に形にしてGPに出場したというところにロマンを感じます。

今回の製作は77年モナコGP仕様。この年は新設計のフルカウルに変更しましたが、前年ほどの好成績が残せず何戦かは76年のカウルに戻した仕様があり、これもその一つです。

フェアリング内蔵のバックミラーを廃して砲弾型のものを使用。R・ピーターソンはドライビングポジションにうるさいのか、ロータス79でもコクピット周りがアンドレッティ車と少し違ったりします。

リアウィングの「elf」マークが逆だったり、なぜかデパイユ車とは細かいマーキングが違います。

エアファンネルはミュージアムコレクションの金属製パーツを使用。キット付属のプラグコードは太すぎるのでMFHのパーピングコード(0.4mm)に変更しました。

今回はロニー・ピーターソン車ですが、以前製作したデパイユ車とほとんど絵面が変わらないので、いつか作ろうとストックしているキットも紹介します。

タミヤの76年日本GP仕様(正確にはF1インジャパン仕様)

P34はレースごとに仕様変更が多く、このキットも下に延長されたリアウイング翼端版やピラミッド型のエアファンネルカバーが特徴ですが、なんといってもひらがなでマーキングされた「たいれる」「しえくたあ」「どぱいゆ」が1番のチャームポイントです。

フジミの77年日本GP仕様

77年には専用の小径タイヤの開発がすすまず、アンダーステアに悩まされて迷走したあげく、「空気抵抗を減らす」という本来のコンセプトを捨ててトレッドを広げた前輪がスポーツカーノーズからはみ出してしまいました。

ロータスなら79より80、ウィリアムズならFW07よりFW08Bと、いろいろやりすぎた「迷車」好きなかえる工房としては、Fタイヤのグリップ不足で、あーでもない、こーでもないとイジりまくった結果、訳のわからないマシンになった77年後期型が一番好きだったりします。問題はこのキット、フジミ製なんですよね・・・(⌒-⌒; )

製作記録

キットレビュー

お手つきパーツ

キットレビューは以前やったので省略。今回はお手つきキットの製作でカウルやエンジンなど一部パーツが接着済みですが、特に問題はなさそうです。

エッチングパーツ

ウィングの翼端版等はSTUDIO27のエッチングパーツを使用。

エアファンネル

エアファンネルはミュージアムコレクションの金属製パーツを使用。

シャーシ・カウルの製作

シャーシの製作

古いキットでかなり合いが悪いので、キチンとすり合わせをしてから組み立て。電池ボックスにはスキマができるので「黒い接着剤」で裏打ち。さらにディスプレイベースに固定するためのナットを埋め込みました。

センターカウルの製作

今回の製作はR・ピータソン仕様なのでミラーフェンダー部を短くカットし、砲弾型ミラーをとりつけるための穴を開けます。ロータス79もそうですが、R・ピータソン車はコクピット周りの変更が多いです。

リアウィング組み立て

リアウィングのステーをエッチングパーツに置き換えるとプラ製パーツより幅が狭くなるので、元々のスリットを埋めて内側にスリットを新造。

フロントノーズ組み立て

フロントノーズのチンスポイラーを切り取ってエッチングパーツに置き換え。左右の翼端版もエッチングパーツを使用。

下地塗装

ボディのブルー部分は発色をよくするためにガイアノーツの「サーフェイサーEVOスカイブルー」で下地塗装。

本塗装

前回同様、ボディ全体はフィニッシャーズのピュアブルーで、センターカウルはファンデーションホワイトを使用しました。

デカールはり

カウルのデカールは斜めにカットしてからはりつけ。クリアーをかけた時に浮いてこないようにマークセッターを使ってしっかりと乾燥させます。

クリア吹き

デカールが乾燥したら、余分なノリをふき取ってクリアー吹き。デカールが浮いてこないように最初は砂吹きをして、少しずつツヤを出していきます。P・デパイユ車とはゼッケン以外に微妙にマーキングが違います。

エンジン・ミッション・足回りの製作

仮組み

主要パーツを仮組み。タミヤのDFVエンジンの組み立ては4基目なのでサクサク進みました。

リアブレーキダクト

リアのブレークダクトは開口されていないので、0.3mmプラ板を箱組みして開口部を再現。キットのままでは開口部が狭くてあまり目立たないので、高さを上下に0.3mmほど広げました。

エンジン完成

ボディのクリア乾燥待ちの間にエンジン、ミッション、リアサス等を製作。シルバー、セミグロスブラック、黒鉄色で塗り分けました。

フロントサス完成

P34のいちばんのウリ、フロント四輪を支えるサスペンション。パーツ数が多く複雑なのでシャーシにきちんと取り付けできるか確認しながら組み立て。残念ながら左右にステアリングすることはできません。

エンジン・足回りの組み立て

ボディの研ぎ出し、ツヤ出しが終わったので、ようやくエンジンと足回りを接着。ここで失敗するときちんと接地しなくなるで、慎重に水平を出します。

コクピット・フロント回りの組み立て

コクピットパーツ、スタビライザーなどを組み込み。77年仕様ではスタビライザーがシャーシの上に移動していますが、これはR・ピーターソンの足が長くて引っかかるための改良で、走行性能的には特に意味がないそうです。(⌒-⌒; )

R・ピーターソンの製作

仮組み

頭部、両腕に真鍮線を埋め込んで仮組み。実際にコクピットに座らせて腕の位置を調整します。

スーツの塗装

スーツ部をガイアノーツの「サーフェイサーEVOスカイブルー」で塗装。本来下地に使う塗料ですが、色合いがいい感じなのでそのままいかします。

細部の塗装

グローブ、シートベルトなどを塗り分け。ヘルメットはボディと同じフィニッシャーズのピュアブルーで塗装しました。

デカールはり

スーツ部分にシャドーを入れてデカールを貼り付け。デカールは車体用、ドライバー用の2種類が付属しますが、なぜかドライバー用のものは劣化がひどくはりつけに苦労しました。

完成!

0.2mmの透明プラ板で自作したシールドを接着して完成。R・ピーターソン以外ではあまり見ないヒサシつきのフルフェイスヘルメットです。

1/20 タミヤ レーシングチームセット

2023年1月製作開始

1/20フィギュアの製作依頼が入ったので、それと並行して前々から作ろうと思っていたレーシングチームセットに手をつけました。

ヤフオクでジャンクキットを入手。デカールは完全に死んでいますが、どのマシンにも合わせられるような汎用フィギュアとして製作するので特に問題はありません。

製作記録

組み立て・表面処理

仮組み

フィギュアは8体ありますが、とりあえずC・チャップマン風のチームマネージャーを仮組み。最新のフィギュアに比べるとデキはイマイチですが、まあ、マシンを引き立てるためのオマケなので・・・(⌒-⌒; )

磁石埋め込み

ディスプレイベースに穴を開けずに固定できるように左足の裏にネオジム磁石を埋め込みました。

ヘッドホン

ヘッドホンは別パーツになっていますが、つけてみると耳が干渉して浮いてしまいます(左)。そこで、ヘッドホンの内側と耳を削り込んで密着するように調整しました(右)。

塗装

シタデルカラー

今回は肌塗装にシタデルカラーを使用してみました。

肌塗装

下地にホワイトを吹いてシタデルカラーで染め付け塗装。思ったより色が暗くて美少女フィギュアには合いそうにありません。

ディスプレイベース

タミヤ 1/20 ロータス25(1963年イギリスGP)

2023年8月完成

F1シリーズ第5弾は60年代の葉巻型F1。

ロータス25はモノコック構造のシャーシを採用してF1界に革命を起こし、1963年シーズンにはジム・クラークが10戦中7勝という圧倒的な成績でチャンピオンを獲得した伝説のマシンです。スポンサー広告導入以前のマシンなので、ブリティッシュグリーンにイエローストライプのシンプルなカラーリングがカッチョいいです!

モノコックシャーシはそれ以前のスペースフレームシャーシより軽量でありながら剛性が高く、安定したコーナリング性能を実現しました。このロータス25以外にも60〜70年代のロータスはDFVエンジン、前後ウイング、ウェッジシェイプボディ、ウィングカーと常にF1界のトレンドをリードしてきました。

コスワースDFVマシンに少し飽きたので、グッと趣向を変えて1.5リッター時代のマシンを選択。実は葉巻型F1模型は生まれて初めての製作だったりします。この時代はレースごとにゼッケンが違っていますがゼッケン4の箱絵は1963年のイギリスGPで優勝した時のようです。依頼品が立て込んできて中断が続いたため、1月に手をつけ始めたのに完成はなんと8月までずれ込んでしまいました。

 

ギャラリー

カウルは脱着可能

製作記録

キットレビュー

パーツ一覧

マシンは60年代のものですが、キットは1997年発売と新しめで、最近の風潮なのかドライバーフィギュアは付属しません・・・(´・_・`)。本当はジム・クラークを乗せたかったのですが・・・。

タイヤ

溝付きの細いタイヤには「DUNLOP」のロゴが印刷済み。これはうれしいサービスです。

Cパーツ

成形不良でリアサスのアームに歪みがあり、スタビライザーが折れていましたが、メーカーに問い合わせたところ無償で代替パーツを送ってもらいました。

主要パーツ仮組み

ボディ、シャーシ、エンジン、前後サスなど主要パーツを仮組み。70年代のマシンとはパーツ構成がかなり違うので、この時点で製作計画をしっかり検討しておきます。

主要パーツ仮組み②

製作中のウルフWR1と比較。60年代は葉巻型のボディが普通でしたが、70年代になるとフロントのラジエーターが左右に配置され、サイドポンツーンが大きく張り出すようになりました。10年少しでマシンデザインがガラッと変わったことがわかります。

ボディの製作

ディスプレイベースに固定

タミヤのディスプレイケースに穴をあけて3mm×15mmのビスとナットで固定できるようにしました。

主要パーツの接着

4分割されたシャーシ部を接着。人によって好みがありますが、かえる工房の場合、塗装後の接着があまり好きではないので、できるだけパーツを接着してから塗装に入ります。

下地塗装

Fサスのロワーアームやラジエーターホースをシルバーで塗装してマスキング。パーツの表面状態がいいので、サフ代わりにフィニッシャーズのファンデーショングレーで下地塗装。

本塗装

フィニッシャーズのピュアグリーンで塗装。シャーシ裏はシルバーに塗装している作例もありましたが、今回は組み立て説明書通りにラジエーターパイプのみシルバーとしました。

デカールはり

ゼッケンサークルやラインは塗装で再現する手もあったのですが、今回はデカールを使用。コクピットにラインが回り込む部分が難しかったですが、マークセッターを使って少しずつシワをとりました。

エンジンの製作

コヴェントリー・クライマックスFWMV

ボディ塗装乾燥待ちの間にエンジンを製作。コスワースDFVと同じV8ですが、1.5リッターなので一回りほどコンパクトです。キットにはプラグコードが付属していなかったので、MFHのパイピングコード(0.4mm)を追加しました。

足回りの製作

メッキ落とし

60年代のマシンなのでメッキパーツがたくさん使われています。フジミのBT46のメッキはやたらガンコでしたが、水で薄めたサンポールに30分ほど漬けておくとキレイにはがれました。

フロント周り完成

今回はメッキ落としをして塗装しましたが、60年代マシンのギラギラしたメッキ感がなくなってちょっと寂しい。メッキパーツをそのまま活かした方が良かったかも・・・・(´・_・`)。

リヤ周り完成

リヤ周り完成。裏から見るとエンジンをストレスメンバーの一部とする70年代以降のマシンと違ってフレームにエンジンをマウントする設計であることがよく分かります。

ホイールの塗装

最初にイエロー部を塗装してからマスキング。リムの部分をEXシルバーで塗装しました。塗り分け線がどこになるのかよくわからなかったので、マスキングのしやすい部分を選びました。

ホイール取り付け

ホイールを取り付けていよいよ完成に近づいてきました。仮組みが甘かったのか右前輪が浮いてしまったので、サスの取り付け位置を微調整しました。

コクピット完成

後のF1とはかなり違った、まさに「バスタブ」という感じのコクピットで、赤のシートやステアリングがオシャレです。シートベルトをつけている作例もありましたが、この時代のF1はシートベルトなしのはずなので省略しました。

最終組み立て

エアファンネルカバー①

キット付属パーツはプラスチック製。さすがにこれはないと思ったので、アク・ステオンの金属パーツを購入。これだけで2,000円とけっこう高かったのですが・・・・。

エアファンネルカバー②

・・・高さが足りませんでした。実車写真やキットのパーツと比べて明らかに低く、カバーとカウルとの間に隙間ができます。・・・ということで、アク・ステオンのパーツは二度と買わないことにしました。

エアファンネルカバー③

そういうわけでファンネルカバーを自作。キットのパーツを参考にプラ板積層でオス型を、1.0mm真鍮線を曲げてメス型を作製、40番の真鍮メッシュを絞り出しました。

エアファンネルカバー④

思ったより簡単にできました。こんなことなら初めから自作しておけばよかった・・・。実写とは少し構造が違うようですが、今回はこれでヨシとします。

タミヤ 1/24 ホンダ・シティターボ(+モトコンポ)

2022年10月完成

次の依頼品は80年代の名車、懐かしのホンダ・シティターボです。

かえる工房の好みはほとんどが60〜70年代車ですが、初代シティも結構好きで、背の高い独特のボディデザイン当時のシビックと比べてすごくオシャレでアカ抜けたデザインでした。、折りたたみ式の小型バイクが搭載でき、1.2Lターボエンジンは100馬力を叩き出すと夢がある車でした。(^∇^)

タミヤのカーモデルやバイクモデルは一般にメジャー志向で、リアルタイムで人気のあるモデルをキット化する傾向があります。このキットも1981年に初代シティが発売されヒットしたことを受けてすぐにモデル化されたものです。

タミヤの1/24スポーツカーシリーズ初期の製品はプラモデルと玩具の中間的なコンセプトで、パーツ数はできるだけおさえ、ヘッドライト点灯、モーターで走行可となっています。個人的にハコ車はボディのフォルムが全てだと思っているので、こういうキットは結構好きだったりします。

製作記録

キットレビュー

パーツ一覧

パーツ数は約45点。インテリアや足回りも最低限のパーツ構成になっていて、フロントグリルやウィンカーも一体成形されています。逆に最近では全く見かけなくなったドライバーフィギュアが付属しています。

タイヤ、デカールなど

年代物のキットなので、デカールの劣化が心配なので、黄ばみ取りをしてからクリアーコートをした方がよさそうです。今回はモーターライズ用のパーツは使用しません。

モトコンポ

シティのウリの一つ、モトコンポが付属。ハンドルを折りたたむとシティのトランクにすっぽり収まる超小型バイクです。パーツ数7点のシンプルなキットですがけっこう精密にできています。

仮組み

中性洗剤でパーツ洗浄をおこなってからとりあえず仮組み。う〜む、なかなかカワイイ❤️❤️❤️。目的地に着いたらトランクから下ろした折り畳みバイクで周囲を散策・・・なかなかグッとくるコンセプトです。

ボディの製作

パテ盛り①

全体のプロポーションはいいのですが、パーティングラインの段差が目立つのでパテ盛りをしました。

パテ盛り②

シートのヘッドレストやフェンダーミラーなど、厚みのあるパーツには派手なヒケがあるので、ここもパテ盛りをします。

表面処理

パテ盛りをした部分を中心に240番→400番→600番とヤスリがけ。ヤスリがけでモールドが消えないようにウィンカーとフォグランプにマスキングをしておきます。

下地塗装

モールドがツブレるのを避けるため、サーフェイサーのかわりにフィニッシャーズのファンデーショングレイを吹き付け。800番のヤスリで細かいキズを消したら、次はいよいよ塗装です!😁😁😁😁

本塗装

クレオスのブラックで塗装。砂吹き→セミウェット→ウェットと塗料を徐々に薄くしていってツヤを出します。

デカール

さほど変色は見られませんが、年代ものですので、念のためワレ防止のクリアコーティングをしました。経年のせいかデカールが浮いてくるのに半日ほどかかりましたが、なんとか使えました。

デカールはりとエンブレム塗装

エンブレムのモールドは筆の腹をこすりつけるという伝統的な方法で塗装。デカールが古いせいか「turbo」の文字は発色がイマイチ。

赤モールの塗装

前後左右のモール部分にエナメル塗料を流し込むようにして塗装。下地にホワイトを塗ったので発色もバッチリです。

マスキング

ボディに光沢クリアーをかけて十分乾燥させてからマスキング。

コクピット・シャーシの製作

インテリアの塗装

まず下地にホワイトを吹いてからシャンレッドで塗装。赤部分をマスキングして黒部分を塗装。カラフルでなかなかオシャレです。

シートの塗装修正

塗装後に中央のクッションは上から2段目だけ黒だったことに気がついて修正。デカールをはる前に気がついてよかったです。

コクピット完成

シートとフロアにつや消しクリアをかけてコクピット完成。

シャーシ完成

セミグロスブラックとシルバーで塗り分けてシャーシーが完成。パーツ数が少ないので、この辺はあっという間に完成しました。

ウィンドウのフチ塗装

リアウィンドウは黒いふちどりが入っていますが、ここは説明書の通りにエナメル塗料を裏から筆塗りをしました。

小物の塗装

ルームミラーはフラットホワイトでその他はセミグロスブラックで塗装。ミラーの鏡面にはミラーフィニッシュをはりこみ。

モトコンポの製作

ボディの接着

ボディ左右を接着してパテ盛り。Fタイヤが後ハメできるように、フォークのピンを短くカットしました。

ボディの塗装

ホワイトで下地塗りをしてから本塗装。発色を良くするために通常のイエローに蛍光イエローを混ぜています。

デカールはり

「HONDA」と「MOTOCOMPO」のデカールをはってクリアーコート。

黒部分の塗装

セミグロスブラックで黒部分を塗装。だいぶ精密感が出てきました。

ホイールの塗装

ホイールを塗装して接着。ようやく地上に立ちました。

最終仕上げ

基本塗装完了

ボディ、シャーシの基本塗装完了!主要パーツを組み立てて灯火類や小物を取り付ければ完成です。

タミヤ 1/20 ウルフWR1

2023年1月完成

F1シリーズ第4弾はウルフWR1。

ウルフWR1はカナダの石油王ウォルター・ウルフが「フランク・ウィリアムズ・レーシングカーズ」を買収し、1977年に「ウォルター・ウルフ・レーシング」として参戦するためにヘスケスから移籍したハーベイ・ポスルスウェイトが設計したマシンです。

WR1はフェラーリのような大馬力エンジンもロータスやタイレルのような技術的な工夫もなくこれといった特徴のないマシンです。ウェッジシェイプボディの左右にラジエーターを配置、コスワースDFVエンジン+ヒューランドFG400 5速ギアボックスを搭載と、ポスルスウェイトがヘスケス時代に設計した「308」と大差ない平凡な設計でした。

ところが、アルゼンチンGPでデビューウィン、その後もモナコGP、カナダGPと通算3勝し、ジョディ・シェクターはドライバーズランキング2位、1台体制でありながらコンストラクターズランキング4位という大戦果を挙げました。前年にP34で苦労したシュクターにはこのようなクセのないマシンのほうが合っていたのかもしれません。

70年代にはまだ少数残っていたメインスポンサー無しで、濃紺に金色のカラーリングがカッチョいいです。子供のころにもこのキットを製作しましたが、デカールはりで挫折してしまいいつかリベンジをしたいと思っていました。今回製作したキットは2010年ごろにカルトグラフデカールとエッチングパーツを追加して再販されたものです。

オイルクーラーのアウトレットの独特のRとリア翼端版がウィングのステーを兼ねるデザインがWR1のアイデンティティ。

カウルは脱着可能

再販時の追加パーツで一番ありがたいのは金属メッシュのエアファンネルカバー。昔のプラ製のものと比べるとグッと精密感があります。

製作記録

キットレビュー

パーツ一覧

パーツ数は約120点と最近のキットに比べるとシンプルなパーツ構成です。例によってコスワースDFVエンジンはタミヤF1共通パーツを使用。もともと付いていたはずのドライバーフィギュアは再販時に省略されています。

追加パーツ

前輪のタイロッドとホイールナットが金属製になっているのがポイント高いです。カルトグラフのデカールは素晴らしいのですが、例によって「GOODYEAR」マークが入っていません。(´・ω・`)

MSMクリーションのデカール

というわけで社外品デカールを購入。1/12と1/20がセットになっていますが、たったこれだけで1,000円もしました。P34は今でも「GOODYEAR」デカールがついているのにいったいどういう事情なのでしょうか?

カウルのゆがみ修正

年代物キットなので相応のバリやヒケがあるのは仕方ありませんが、いちばんの問題はカウルの左側がゆがんでロールバーとの間にスキマができること。ドライヤーで温めて少しずつ正しい形に修正しました。

主要パーツ仮組み

ウェッジシェイプのコンパクトなボディがカッチョいい!80年代以降のウィングカーと違って、エンジンやミッションがチラリと露出しているのも好みです。

ボディの製作

下地塗装

パーツ表面のヒケや荒れた部分を240〜600番のヤスリで慣らしてから「ガイアノーツサーフェイサーEVOスカイブルー」で下地塗装。隠蔽力が高く表面も滑らかでなかなかいいです!(^∇^)

本塗装

フィニッシャーズのウルフブルーでボディを塗装。ずいぶん長い間、JPSロータスと同じ黒・金塗装だと思い込んでいましたが、実は黒ではなく濃紺でした(⌒-⌒; )。

デカール貼り

WR1を特徴づける独特のカウル形状ですが、三次曲面にデカールをきれいにはりつけけるのが難しく、シワやヤブレが出てしまいました。

デカール購入

どうしてもきれいにシワが取れなかったので、思い切ってやり直し。新品のデカールが入手できたので、改めてはり直しました。発売時期が違うのかこちらには「GOODYEAR」デカールがついています。

デカールはり完了

2回目なのでけっこうキレイにはれました。モナコGP仕様として作りましたが、追加で購入したデカールが日本GP仕様のみなので、マーキングが一部インチキになっています(−_−;)。

エンジン・シャーシの製作

電池ボックスの接着

P34同様、モーターライズ時代のキットなので、シャーシ下面に電池ボックスのフタがあります。スキマをプラ板やパテで埋めてきれいにツライチにします。

エンジンとミッション部

お馴染みのコスワースDFVエンジン+ヒューランドFG400ギヤボックス。主要パーツを切り出し仮組みをします。

エンジンのビス接続

モーターライズ時代のキットはビスでエンジンをガッチリと接続できるようになっていましたが、このキットでは省略されていたので、市販のM2 x 8mmネジを流用しました。

エンジンとミッション部の塗装

エンジンとミッション部の主要パーツを塗装して組み立て。アップライトが金で塗装されているところがなかなかオシャレです。

エンジンとシャーシの接続

完成したエンジンとシャーシを合体。タイヤがきちんと接地するようにエンジンの角度を調整して接着します。

タイヤロゴの塗装①

本体同様「GOODYEAR」のロゴのデカールは付属しないので、フィニッシャーズのテンプレートを使って塗装しました。

タイヤロゴの塗装②

完成。まあまあかな?

固定用ナットの接着

完成間近になって今更ですが、ディスプレイベースに固定できるように加工しました。シャーシに3mmナットを接着してベースにネジ止めします。

ドライバーフィギュアの製作

ドライバーフィギュア

このキットにはフィギュアが付属していないのに、なぜかヘルメットデカールが付属。そこで、タイレルP34から流用してジョディ・シェクターを製作することにしました。

組み立て

頭部は2mm、両肩は1.5mm真鍮線で接続。肩に少しスキマができるのでポリパテで埋めました。

表面処理

捨てサフを吹いて表面処理。シールドはハセガワのミラーフィニッシュの外箱を切り出して自作。

塗装

スーツはスカイブルー、グローブはホワイトで塗装。ヘルメットはホワイトで塗装してデカールはり。

完成!

スーツにドライブラシをかけて立体感を強調しました。ヘルメットやグローブの細部を塗装してシールドを接着すると完成!

最終組み立て

ボディ完成

200〜3000番のヤスリで研ぎ出し、コンパウンドをかけてボディが完成。ようやくシャーシと合体しました。

エンジン部のアップ

ストレート組みですがけっこう雰囲気があります。再販時の追加パーツで一番ありがたいのがエアファンネルカバー。昔のプラ製のものと比べるとリアリティが段違いです。

タミヤ 1/20 ロータス79(1978年イギリスGP)

2022年10月完成

タイレルP34、ブラバムBT46Bと変態マシンばかり作ってきましたが、F1シリーズ第3弾は王道中の王道、コーリン・チャップマン、ピーター・ライト設計の「ブラックビューティー」ロータス79です。

チーム・ロータスの監督コーリン・チャップマンがF1界に与えた影響は大きく、主なものだけでも、①モノコックシャーシの採用(ロータス25)、②コスワースDFVエンジンの採用(ロータス49)③前後ウィングの採用(ロータス49)、④スポンサーカラーの導入(ロータス49)、⑤ウィングカーの発明(ロータス78)と、その後のライバルマシンのスタイルを一変させてしまうほどでした。

その中でも1978年にマリオ・アンドレッティをチャンピオンに、ロニー・ピーターソンをランキング2位に導いたロータス79は、前年マシンの「78」を改良しグラウンドエフェクト効果を完成の域に高めたマシンです。

ロータス79はタミヤとハセガワの2社から発売されていますが、今回はタミヤのキットを製作。タミヤからはマルティーニカラーの79年版も発売されていますが、ロータスはやはりJPSカラーでしょう。

「79」は「史上もっとも美しかったF1マシン」と言われダントツに人気がありますが、変態F1好きのかえる工房としては同じロータスでも四輪駆動の「63」、ガスタービンエンジンの「56」、やりすぎウィングカーの「80」など失敗マシンのほうが好みです。ツインシャーシの「88」はエブロからキットが発売されているので、いつか手に入れて作ってみたいものです。

カウルは脱着可能

製作記録

キットレビュー

パーツ一覧

パーツ数は約170点ですが、不要パーツが結構あるので実質150点程度でしょうか?組み立て説明書の他に実車解説のパンフレットが付属。最近のカーモデルはフィギュアなしが普通になりましたが、レーシングカーの場合、レーサーも重要なので、ぜひ復活させてもらいたいものです。

デカール

このキットいちばんの問題点はデカール。「JPS」はともかく「good year」がないのは何かの権利問題なのでしょうか?マクラーレンの「Marlboro」といい、メンドくさい時代になったものです。

エッチングパーツ&社外品デカール

運良く純正のエッチングパーツとエッフェのデカールが入手できたので、今回はこれを使うことにしました。

エンジンパーツ

70年代のF1といえばコスワースDFVエンジン!・・・ですが、ランナーの端に「1977 TAMIYA」の文字が・・・。昔のF1シリーズの流用のようですが、じゅうぶんデキがいいので問題はありません。無意味なメッキなどもされていませんし・・・(^O^)

仮組み

無意味な色分けなどはなく成形色は黒一色です。バリエーションを再現するためにボディは細かく分割されており、接着線を処理する部分があります。

サイドポンツーン排気口

イギリスGP仕様とドイツGP仕様でサイドポンツーン排気口の形状が異なります。今回はイギリスGP仕様を製作するので、左側が小型になります。

ロールバーとステアリングホイール

ロールバーとステアリングホイールも選択式。左はがアンドレッティ車で右がピーターソン車です。

エッチングの翼端版

studio 27のものより薄く、翼端版など厚みが必要な部分は2枚をはり合わせる仕様になっています。驚いたことに接着時にズレないように接着面に◯の凹凸が付けてあります。タミヤさん流石!(^_^)☆

シャーシ・ボディの製作

ボディの組み立て

資料がなくてよく分かりませんでしたが、箱絵ではツライチになっていたので、サイドポンツーン上面の接着線は全てパテ埋めしました。

ボディ塗装①

サフ代わりにファンデーショングレーを塗装。目立ったキズを消してから、ガイアカラーのEXブラックで本塗装。

ボディ塗装②

基本塗装完了。黒はキズが目立つので、入念にチェックしてキズやホコリの付着がある部分をヤスリで研ぎ出しをしました。

デカール貼り付け

エッフェのデカールはなかなか質が良く特に問題はありませんでした。イギリスGPの資料がなくてフランスGPのマーキングを参考にしたので、もしかしたらミスがあるかもしれません。

シャーシの塗装

ボディ塗装の乾燥待ちの間にシャーシを塗装。モノコック部分をEXシルバーで、その他をブラック、フラットブラックで塗り分けました。

フロント周り完成

ブレーキペダル、バッテリー、ブレーキフルードタンクなど、基本的なものは全て再現されています。今回はストレート組みですが、パイピングなどを施せばグッとリアルに仕上がりそうです。

エンジン・ミッション・足回りの製作

主要パーツ仮組み

銀色のパーツは古いキットの流用ですが、黒のパーツは新規のもので、案外新しいパーツがたくさん使われています。ロータス78と同じコスワースDFVエンジン+ヒューランドFG400ですが、ギヤボックスやエキゾーストパイプ、足回りなどがかなり違います。

エンジン完成

パーツが多くて少し面倒ですが、パーツの精度が高いので、塗装さえしてしまえばあとはサクサク組んでいけます。

最終組み立て

シャーシとエンジンの合体

シャーシ、エンジン、ミッションを接着。ここでミスをするとリヤタイヤが曲がってしまうので注意して。

前後足回り

グランドエフェクト効果を高めるため、サスペンションをインボード化しエキゾーストパイプを上に回して、空気がスムーズに流れるように工夫してあるのがよく分かります。

タイヤとホイール①

「GOODYEAR」のデカールをはりつけてセミグロスクリアーでコーティング。

タイヤとホイール②

デカールをはっただけではキレイすぎる(左)ので、ウェザリングカラー(グラウンドブラウン)で軽く汚しをかけました(右)。

シートベルト

エッチングパーツセットにはシートベルトも付属。以前ロータスヨーロッパについていたもの同様シール式のものです。

コクピット完成

本当はドライバーを乗せたかったのですが、適当なものが手に入らなかったので、シートベルトをつけました。キット付属のデカールよりはマシですが、次はもっと本格的な布製のものを試してみたいです。

翼端版接着

エポキシ接着剤で翼端版を接着。直角がきちんと出るように真鍮ブロックで固定。

ヒビ割れの修正

シャーシにボディをのせて完成!・・・と思いましたが、サイドポンツーンの接着線にうっすらとひび割れが・・・Σ(‘◉⌓◉’)。接着が甘かったのか・・・しかたなくヒビ割れにクリアーをかけて研ぎ出しのやり直し・・・・。

最終組み立て

ボディをコンパウンドで磨き、モデリングワックスをかけて完成。フルカバーボディのマシンなのでパーツのすり合わせに神経を使いました。

完成!(^O^)