No.49 フジミ 1/20 ウィリアムズ FW16(1994年ブラジルGP)

2023年9月完成

F1シリーズ第6弾は依頼品のウィリアムズ FW16。かえる工房はフラットボトム規定ができた頃からF1に興味を失い、90年代以降のF1マシンを製作するのは実は初体験だったりします。(^_^;)

この頃のF1はアクティブサスペンション、ABS、トラクションコントロールといったハイテク全盛時代でしたが、突然のレギュレーション変更でハイテク装備を失ったFW16は苦戦し、サンマリノGPでアイルトン・セナが事故死するという悲劇に遭いながらもコンストラクターズタイトルを獲得したマシンです。

製作記録

今回の依頼を受けて真っ先に心配したのがフジミ製であること。以前、BT46Bを製作した時に痛感しましたが、フジミのキットは意味不明の問題点が多くてなかなかの難物です。技術力がないより、「仕事が雑でそのツケをユーザーに払わせる」という印象です。ガレージキットだと思えばこんなものかと納得するのですが、フジミは一応伝統のある模型メーカーなんですよね・・・?

このキットの問題点は①リヤウィングが前傾してしまう。②シートやメーターがはさみこみ方式で製作が面倒。③接着部が強度的に不安。④パーツのすり合わせがキツすぎる。⑤説明書が分かりにくいうえにミスも多い。などです。

BT46Bに比べてよい点は①無意味なメッキパーツがない(ただし、初版キットではやはりメッキされていたようです)。②パーツの色分けが常識的。など、余計な工夫をやめたことくらいです。

考証面では①リアのブーメラン形ロワウィングの枚数が違う。②ブラジルGPの角ばったヒシ型の「0」のデカールがない。③サイドミラーがブルーなのはサンマリノGPだけなのに全てブルーの指定になっている。この他に初版版ではボーテックスジェネレーターの表裏逆に指定されていましたが、再販時に修正されたようです。

これらの問題のほとんどはユーザーのことを考えてキチンとチェックすれば改善できると思うのですが・・・。こういうところにメーカーの体質が現れるのでしょう・・・(´・ω・`)。

キットレビュー

パーツ一覧

ブラジルGP、パシフィックGP、サンマリノGPが選べるコンパチキットで、3種類のリアウィングパーツが付属しています。パーツは少なめで精密感についてはイマイチかな?

デカール①

通常デカール、タイヤデカールと塗り分け用のマスキングシートが付属。見たところ印刷はキレイでなかなか良さそうです。ブラバムBT46Bのデカールはカチカチで曲面にまったく馴染みませんでしたが、さて今回はどうでしょうか・・・?

デカール②

例によって「ロスマンズ」のタバコデカールは付属しないので、サードパーティーのものを使用します。依頼者様からはMSN製とミュージアムコレクション製のものが送られてきました。

仮組み

主要パーツを仮組み。細長いノーズ、エンジン部を完全に覆うカウル、複雑な形状のウィングと90年代F1らしいスタイルです。

ボディ・カウルの製作

シートの後ハメ加工①

メーターパネルやシートはボディに挟み込む方式になっていますが、どう考えても後ハメのほうが作業がラクなので写真上の取り付けダボをリューターで削り落として写真下のように加工。

シートの後ハメ加工②

ボデイの下が大きく空いているので、簡単に後ハメできます。こんな単純なことになぜメーカーが気が付かないのでしょうか?

給油口の選択

ブラジルGPでは給油口は左ですが、パシフィックGP以降から右になっているため左右のパーツを入れ替えて使用します。実車では給油口のない側はツライチになっているようなので、パテ埋めをして接着線を消しました。

オンボードカメラ①

ブラジルGPでは右側で、それ以降は左側。こういう場合、ユーザーが自分で穴あけできるようにパーツ裏側に凹モールドを入れておくものですが、このキットではそれも無し。実に手抜き仕様です。

オンボードカメラ②

きちんと位置決めをせずに塗装後に接着するのは怖いし強度的にも不安なので、塗装図を参考に取り付け位置を決めて0.5mm真鍮線で軸打ち。

フロント周りの組み立て

ノーズは下面だけをボディに接着するようになっていますが、接着面がせまくて強度的に不安なので、サスアームを仮組みして位置決めをしてから瞬間接着剤でガッチリ固定しました。

リアウイング

キットの指示通りに組み立てるとこのように前傾してしまうので、取り付けステー部を削って垂直になるよう調整しました。これまたえらくお粗末な設計です。( ´△`)

リアロワウイング①

リアのロワウイングはサンマリノGPでは「IA2」を、ブラジルGPでは「IB2」を使うよう指示されています。しかしいくら探してもIB2部品が見つからないので、欠品かと思ってメーカーに問い合わせたら、なんのことはないただの表記ミスでした( ´△`)

リアロワウイング②

ブーメラン型ロワウイングは2枚重ねになっていますが、手持ちの資料では1枚が正解のようです。しかし、依頼者様のご希望で2枚重ねにしました。こっちの方がカッチョいいし強度も出るので考証にこだわらないならそういう選択もアリでしょう。

カウル後部パーツ

カウル後部のパーツは接着式。今時の技術なら一体成形にできると思うのですが・・・。結局、組み立て中に2回、塗装中に1回折ってしまってその度に作業のやり直しです。「お前がヘタクソなだけだ!」と言われればまあその通りなのですが・・・(´・_・`)

ボディ塗装①

ボディ全体をフィニッシャーズのファンデーションホワイトで塗装してから、マスキング。テープのスキマから塗料が入り込まないようにさらにマスキングゾルで補強。

ボディ塗装②

青部分の塗装完了。ネットで検索するとフィニッシャーズの「ブライトブルー」を使っている人もいますが、実車写真と比べると暗すぎるように思えたので、「ピュアブルー」を使用しました。

デカールはり①

基本的なデカールはキット付属のものを使用。「ロスマンズ」デカールはミュージアムコレクション(上)のほうが色合いはよかったのですが、サイズが大きすぎるので、結局、MSM(下)のものを使用しました。

デカールはり②

インダクションポッドのラインはデカールの長さが足りないので、レッドとゴールドの部分を塗装でタッチアップ。

デカールはり③

デカールはり完了!完成状態に近づいてきてテンションが上がります。黒部分はカーボン地なのですが、今回はセミグロスブラックで塗装しました。

シャーシ・足回りの製作

ディスプレイベース

シャーシにナットを接着して、3mmビスでディスプレイベースに固定できるように加工。

エンジン組み立て

FW16の特徴、ドライブシャフトを内蔵したウィング状のアッパーアームの形状がよくわかります。今回はプロポーションモデルとして製作するので、全体をセミグロスブラックで塗装して、細部は見える部分だけ塗装します。

ホイール・タイヤ①

ホイールのイエローラインはデカールが付属しますが、どうしてもシワが入ってきれいに貼るのはほぼ不可能なので、塗装で対応することにしました。

ホイール・タイヤ

ライン部をイエローで塗装してマスキング。全体をセミグロスブラックで塗装しました。はみ出しをタッチアップして完成。デカールをはるよりずっと簡単できれいにできました。

ホイール・タイヤ

デカールをはって完成。タイヤデカールは光沢が強くて浮いて見えるので、セミグロスクリアーを吹いてツヤを整えました

最終組み立て

エンジン・足回りの組み立て

カウルを1500〜3000番のヤスリで研ぎ出し、コンパウンドで磨いて光沢出し。センターカウルにフロントサスを組み込んでシャーシと合体。

カウル・ウィングの組み立て

前後ホイールとウィング、カウルを取り付け。今回はプロポーションモデルとしてのご依頼なので、カウルも接着しました。タイヤの接地性は良好で特に調整の必要はありませんでした。

完成!

ミラーやアンテナなどを接着して完成!今回はタミヤの「ディスプレイケースC」に固定しました。ビス止めですので自由に脱着できます。

1/43 TOYOTA BJ75 Maison du Café Paris Dakar 1988

メーカー:GAFFE

2023年7月完成(No.45)

ランクルシリーズ第5弾はBJ75です。「BJ75」というのはの70系モデルにB型ディーゼルエンジンを積んだロングホイールベースヴァージョンということで、「Maison du Café」というのはフランスのコーヒー屋さんでこの車のメインスポンサーのようです。

前回作ったLJ73 YAMATOと比較。同じ70系ですが、メーカーが違うせいかかなり印象が異なります。GAFFEのキットはDan’s modelやMINI-RACINGに比べるとモールドが細かくて精密感がありますが、カチカチで割れやすいレジンがどうにも馴染めません。(−_−;)

製作記録

キットレビュー

パーツ一覧

デカールは比較的状態がいいですが、組み立て説明書は完成写真のみで、組み立てかたは自分で考えなければなりません。

小パーツ一覧

主要パーツは揃っているようですが、組み立て説明がないので、どこに使うかよく分からないパーツもあります。

欠品パーツ

完成写真と照らし合わせると灯火類など細かいパーツが欠品していることが判明。中古のジャンクキットなのか?もともとこういう仕様なのか?

組み立て

フロントサスの破損

気をつけていたはずなのに早速破損が・・・(−_−;)。ボディとシャーシのすり合わせをしている時に力を入れすぎたのか、フロントサスがポッキリイってしまいました!(◎_◎;)。

シャーシの組み立て

折れてしまったサスを瞬着で補修してからシャーシの組み立て。エンジン、ドライブシャフトなどを接着します。タイプは違いますが以前作ったFJ60とほぼよく似たパーツ構成です。

コクピットの組み立て

ダッシュボードやシートはおそらくFJ60と共用パーツ。コクピット後部にメタル製のロールバーがつきます。

仮組み完了

主要パーツの仮組み完了。パーツの精度が低いので、四輪がきちんと接地するように何度も調整しました。

フロントウィンカーの自作

フロントウィンカーのパーツが欠品していたので、プラ板で作製しました。

ルーフのランプ自作

ルーフ右前につくランプも欠品していたので、ジャンクパーツから似た形のもを加工して接着。

リアバンパー

リアバンパーはなぜか2種類付属していましたが、依頼者様のご希望で下のロールバー風のものを使用。ボディとのスキマが広すぎるのでステーの部分を少しカットします。

塗装

表面処理

ボディ表面の荒れを磨いてプライマーサーフェイサーで下地塗装。

本塗装

完成写真ではダークブルーのようにも見えますが、依頼者様のご希望でブラックで塗装しました。

デカールはり

ボディ後部にはコーヒーを飲むお姉さんのイラストがデカデカと描かれます。デカールの質は比較的しっかりしていてスムーズにいきました。

シャーシ完成

内装はセミグロスブラックで、シートベルトはレッドで塗装。コクピットのロールバーは、完成するとほぼ見えなくなります・・・(⌒-⌒; )

フロントグリル

フロントグリルはセミグロスブラックで塗装。「TOYOTA」マークが入っていないと思ったのですが、デカールが付属していました。

フロントバンパー

例によってナンバープレート?のパーツが付属しないので、0.5mmプラ板を切り出して作製。ロールバー、フォグライトを接着してから塗装、デカールはり。

No.44 タミヤ 1/12 スズキ GSX1300R 隼

2023年9月完成

久々のオートバイモデルの依頼製作は20世紀末に登場したアルティメットスポーツ、「GSX1300R 隼」です。当時、二輪の最高速競争は300 km/h時代に入っており、ライバルのホンダの「CBR1100XX」やカワサキの「ZZR1100」などを抑えて世界最高速を達成したマシンです。最近のバイクについては詳しくないのですが、この後、最高速競争に歯止めをかけようという機運が高まったこともありおそらくこのマシンが今でも世界最高速なのではないかと思います。

水冷DOHC4バルブ直列4気筒  最高出力 175馬力

乾燥重量 215 kg  1999年発売

隼はかえる工房のかつての愛車「GSX1100S」に比べるとはるかにパワフルで軽量です。残念ながら隼に乗る機会には恵まれませんでしたが、「GSX-R750」に試乗した時は、タンクの幅の広さや無理のないランディングポジションに驚き、実際に走らせてみて素直なエンジンレスポンスやハンドリングの軽さに感心させられました。30年近くの時代差があるので当然ですが、同じスズキの二輪でも「GSX1100S」とは全く違う乗り物でした。最高速アタックにチャレンジする機会はありませんでしたが、素人でも200km/hオーバーくらいならたやすいのではないかと感じました。

製作記録

キットレビュー

パーツ一覧

パーツ数は約110点。タミヤらしく効果的にパーツを一体化してパーツ数を抑えています。昔のキットと比べると各部に極小の金属ビスが多用されていて、組み立てやすさと強度アップを図っています。

デカール

キットは2002年型がデフォルトですが、デカールは1999、2000、2001年型に対応できるように数種用意されています。今回は99年仕様のメタリックサターンブラック×メタリックライトチャコールでのご依頼です。

マスキングシート

カウルの塗り分け用のマスキングシートが付属。隼は三次曲面の塗り分けがあるのでこれは嬉しいボーナスです。

仮組み

主要パーツの仮組み完了。無塗装だとまるで仮面ライダーの新サイクロン号のように見えます。センタースタンドがないので、ディスプレイ用のクリアーパーツが付属します。

外装パーツの製作

パーツの接着

接着剤をたっぷりつけてフロントフェンダー、リヤカウルを接着。念のため黒い接着剤で裏打ちをして補強。

カウル固定用のネジ

カウル固定用のネジはモールドで再現されていますが、研ぎ出し塗装を行う関係から事前に削り取って塗装後に虫ピンの頭を接着することにしました。

塗装テスト①

カウルはメタリックサターンブラック×メタリックライトチャコールの塗装とのご依頼なので、クレオスの GX201メタルブラックとGX213 ホワイトシルバーで塗装テストをしてみましたが、どうも明るすぎるようです。

塗装テスト②

GX201メタルブラックにブラックを加え、GX213 ホワイトシルバーにメタルブラックを加えて色合いを暗く調整。依頼者様のOKがいただけましたので、これで本塗装を行います。

塗装①

メタリック色の発色を良くするために下地にブラックを塗装。

マスキング

メタリックグレーを塗装してからマスキング。99年〜00年型とそれ以降では微妙にパターンが違うので要注意!曲面が多くキット付属のマスキングシートだけでは完全にカバーできないので、マスキングゾルを併用。

塗装②

メタリックブラックを吹いて塗装完了!曲線が多くて塗り分けが難しかったですが、まあまあうまく行きました。

デカールはり

「SUZUKI」「隼」などのデカールを貼り付け。ここからクリアーコート→研ぎ出しを何度か繰り返してツヤを出していきます。

エンジン・フレームの製作

エンジン完成

エンジン、キャブレター等をシルバー、ブラックで塗装して組み立て。細部塗装が説明書では省略されているので、実車写真を参考にエナメル塗料で筆塗りしました。

エンジン搭載

いかにも剛性の高そうな角形アルミ製のツインスパーフレームにエンジンを搭載。昔のキットと違って極小ビスが使われているので仮組みがしやすくなっています。

足まわりの製作

リア周り完成

ホイール、リアサス、ブレーキ、チェーンなどを塗装してメッキパーツのスイングアームに組み込み。

フロント周り完成

Fフォークやブレーキ周りをアルミシルバー、チタンシルバー、チタンゴールド、ブラックなどで塗り分け。インナーチューブにはメッキシールを貼り込みました。

マフラーの製作

マフラーの完成

エキゾーストパイプはフラットブラック、サイレンサー部はアルミシルバーで塗装。接続部分のメッキパーツはそのまま使用しましたが、設計が絶妙なのか接着線はほとんど気になりません。

フロントカウルの修正

フロントカウルの塗装

ショック!ここまできて塗装ミスが発覚。99年型のフロントカウルは中央部もメタリックブラックでした!・・・( ´△`)

フロントカウルのすり合わせ①

塗装をやり直すついでにカウルのフィッティングを見直し。フロントカウルのステー部を削って、取り付けユルくして接着時に微調整が

フロントカウルのすり合わせ②

カウルがぴったり合いました。サイドカウルはネジ止めですが、締め込み方を調整してフロントカウルとぴったり合う位置を探します。

再塗装

99年型の資料をよく見て、改めて塗装。こんどこそ間違いないので、デカールをはってクリアコートをします。

完成!

クリア層を研ぎ出してコンパウンドで磨いてツヤ出し。せっかく塗装したカウルや透明パーツを痛めないようにスクリーンや灯火類の接着にはエポキシ接着剤を使用します。

No.42 1/24 トヨタ GR ヤリス

メーカー:PZY MODEL

2023年8月完成

次の依頼品はレジン製ガレージキットの「GRヤリス」です。最近の車にはとんと疎いので、「GRヤリス」と聞いて「GR?ヤリス?どこの国の車だ?」と思いましたが、車好きの姪っ子に写真を見せたらすぐに教えてくれました。「GR」というのはトヨタのスポーツカーブランドの名前なのですね。(⌒-⌒; ) 3ドアコンパクトカーの「ヤリス」をベースにWRC出場のために作られたホモロゲーションモデルだそうです。国内名のヴィッツなら知っていたのですが・・・。

1,618 cc直列3気筒ターボ  最高出力 272馬力

乾燥重量 1,290 kg  2020年発売

「PZY MODEL」というメーカーについてはネットで調べてもほとんど情報がありませんでした。パーツの成形はなかなかキレイですが、ホイールが繊細すぎて強度的にかなり問題がありました。レジン製の重いボディを支える部分なのですから、もう少し工夫してもらいたかったものです。また、一般的なプラモデルとはパーツ構成がかなり違うのに、説明書がえらく不親切でどう組み立てるかにかなり頭をひねりました。

製作記録

キットレビュー

パーツ一覧

パーツ数は30点程度。エンジレスでシャーシ裏など見えない部分はツルツルテンの割り切った造形です。ほとんどがレジン製パーツで非常に重く、その他にクリアーパーツ、エッチングパーツ、デカールなどが付属します。

ウィンドウパーツ

普通ガレージキットではバキュームフォームのウィンドウが付属しますが、このキットのフロントとサイドウィンドウは保護シールのついて透明プラ板に黒部分を印刷し、切れ目に沿って剥がすというものです。ヤリスのウィンドウはほとんど平面なのでできることでしょうが、こんなパーツ構成は初めて見ました。

組み立て説明書

組み立て説明書はパーツ一覧とデカールやエッチングパーツの貼り付け位置の写真があるだけです。全く指示のないパーツもたくさんあるため仮組みにずいぶん時間がかかってしまいました。

組み立て

離型剤落とし

中性洗剤を混ぜた熱湯で煮沸して離型剤落とし。ついでにパーツの変形を修正しておきます。

シャーシの歪み修正

薄い板状のシャーシはかなり変形していました。最終的にネジ止めするので、特に問題はありませんが、離型剤落としのついでに修正しておきました。

ホイールの補強

ホイールは非常に精密に再現されていますが、繊細すぎてレジン製では強度不足で破損の恐れがあるので、黒い接着剤で裏打ちをしました。

ホイールの仮組み

プラモデルのカーキットでは通常、足回りはシャーシにつくのですが、このキットではボディ側に組み込むようになっています。車軸が欠品していたので、2mm真鍮線をカットして使用。

仮組み

主要パーツの仮組み完了。ダッシュボードやドアの内張もボディ側に接着します。シャーシ側はシートのみというシンプルな構成です。

シャーシ下面

シャーシの裏から4ヶ所をビス留めしてボディと接続。シャーシ下面はツルツルテンで「見えない部分は気にしない!」という実に男らしい仕様です。

ボディの塗装

内部色の塗装

とりあえず、ボディ内部をセミグロスブラックで塗装。かなり迷いましたが、足回りパーツは位置決めが難しいので塗装前にボディに接着することにしました。

ブレーキキャリパーの塗装

下地にホワイトを塗ってからレッドで塗装。「GR」のデカールをはってからクリアーコート。ディスク部は仕上げ時にエッチングパーツを接着する予定。

マスキング

ボディ内側、前後グリルなど黒部分を塗装してマスキング。いよいよボディ塗装に入ります。

ボディ塗装

ボディのホワイト部をフィニッシャーズのファンデーションホワイト→ピュアホワイトで塗装。マスキングを剥がして塗り分け部のはみ出しをタッチアップします。

ルーフのデカールはり

GRヤリスの特徴の一つ、カーボン製のルーフを再現するためにタミヤのカーボンデカールを貼りました。

細部塗装

前後左右のウィンドウパーツを接着してウィンドウ枠やパネルラインを塗装。

シャーシ・内装の塗装

内装の塗装

いつもはボディの塗装を先にやってしまうのですが、エクステリアの調整に時間がかかりそうなので、先に内装を塗装。ガイアカラーのセミグロスブラックを使いましたが、レザーシートのようにぬめっとした感じに仕上がりました。

ダッシュボードの塗装

ダッシュボードもセミグロスブラックで塗装。エアコンの送風口はエッチングパーツで再現。メーター、カーナビはデカールを、ステアリング中央のTマークはインレットシールを貼ります。

その他小パーツ

ホイール完成

アクセントをつけるためホイールはメタルブラックで塗装して、ホイール中心にはTマークのシールを貼りました。タイヤとホイールはサイズがゆるゆるなので接着しました。

補助灯のレンズ

フロント左右のエアスクープ?部を作製。キットの補助灯パーツは透明プラ板を切り抜いただけのショボいものなので、ミラーシールを張り込んで、WAVEのHアイズ(3mm)を接着。

フロントグリル

ヘッドライト、フロントグリルパーツを接着。エッチングパーツのメッシュの奥にのぞく銀色のラジエーターがカッチョいいです!

トラブル発生!

ホイールの破損

完成した依頼品をお客様に発送したのですが、ホイールのスポークがバラバラに!モールドが繊細すぎて強度には不安があったのですが、まさかここまで脆いとは・・・。

タミヤ 1/24 GR86

脆いパーツとはいえ、ここまで酷い破損は輸送中の事故の可能性が疑われます。運送会社に相談したところ補償が認められたので、修理を開始。タミヤのキットを購入してホイール等のパーツを流用しました。

サイズの確認①

左がタミヤGR86のパーツで、右がGRヤリスのパーツ。タミヤのものはだいぶ太いですが、デザインや直径がほぼ同じなので、なんとか使えそうです。

サイズの確認②

GRヤリスに取り付けられるようにホイールを加工して仮組み。タイヤが太くなったため、フェンダーから微妙にはみ出すので、取り付け部を削ってギリギリまで内に寄せました。

1/43 TOYOTA LJ73 YAMATO PARIS DAKAR 1990

メーカー:Dan’s model

2023年6月完成(No.41)

依頼人様がランクル好きの方のようで、今回もランドクルーザーLJ73です。

長い歴史を持つランクルシリーズはバリエーションも豊富で形式名が複雑なのですが、「LJ73」の「7」は70系、「3」はホイールベース(おそらミドル)、「L」はライト系を表しているらしいです。

ちなみに「FJ」の「F」はガソリンエンジン車、「BJ」の「B」はディーゼルエンジン車のことだそうです。

かえる工房はもともとランクルにはそれほど興味がなかったのですが、この依頼製作を通じてだいぶ勉強させていただきました(^∇^)。

赤と銀のラインのデカールをきれいにはるのは難しそうだったので、塗装で再現しました。

製作記録

キットレビュー

パーツ一覧

パーツ数は約20点。足回り、シート、ダッシュボードなどはシャーシと一体成形された簡素な作りです。

ボディとシャーシ

以前製作したLJ73と同じキットのバリエーションモデルです。前回は普通の無塗装レジンキットなので、変な苦労はしなくてすみそうです。

デカール

1/43ガレージキットでは一般的なことですが、デカールは巻いた状態で梱包されていてかなりシワシワになっていて一部破れがあります。

フォグライト

完成見本にはフィグライトが付いていませんが、なぜかパーツとデカールが付属しています。依頼者様との相談の上、今回は使用することにしました。

組み立て

シャーシの補修

シャーシ右後部が大きく欠けていました。完成後に見ることはほぼないと思いますが、一応プラバンとパテで修正しました。

車軸の新造

キットに付属する車軸はテキトーに切ったのか、切り口が汚く曲がっているので、1.5mm真鍮線で新造。タイヤのゴムはしっかりしていて問題ありませんでした。

仮組み

主要パーツの仮組み完了。パーツ数が少ないのでここまでは実に簡単です。

表面処理

捨てサフを吹いて表面処理。ルーフやボンネットに荒れが目立つので、240〜600番のヤスリで磨いて整えました。

塗装

下地塗装

ボディはブルーで塗装するので、発色を良くするためにガイアノーツサーフェイサーEVOスカイブルーで下地塗装をします。

本塗装①(ブルー)

クレオスのブルーでは少し明るい気がしたので、フィニッシャーズのピュアブルーで塗装。タイレルP34と同じ色です。

本塗装②(レッド)

キット付属のデカールでボディのラインをキレイに貼るのはかなり難しそうなので塗装で再現。マスキングをしてガイアノーツのピンクサフ→クレオスのレッドを吹きました。

本塗装③(シルバー)

赤ラインのはみ出しを修正してから、さらにマスキングをして銀部分をEXシルバーで塗装。

デカール貼り付け

組み立て説明書がないので、完成見本を見ながらデカール貼り。これでいいはずですが、細かいデカールが余ってしまったので、後から改めてチェックします。

シャーシ完成

シャーシと内装をセミグロスブラックで、ホイールをEXシルバーで塗装。パーツ数が少ないのであっという間に完成。あとはボディと接着して細部の組み立てをすれば完成です。

1/43 TOYOTA LAND-CRUISER Chassis long pick-up PASTIS 51

メーカー:MINI-RACING

2023年6月完成

パリ・ダカシリーズ3作目。キット名には入っていませんが、トヨタランドクルーザーの「40系」でランクルシリーズの原型になった車のようです。二輪で言うとHONDAの「ドリームCB750FOUR」のようなものでしょうか?

製作記録

今回も資料らしい資料がなく組み立て説明書もテキトーなイラストだけなので、想像でどう補うかがキモになります。

キットレビュー

パーツ一覧

パーツ数は約60点。荷台にいろいろな装備を積むので、GAFFEやDan’s modelのキットと比べて圧倒的にパーツ数が多いですが、デカールが小さいことを考えるとむしろ楽かも?

ボディパーツ

ボディは国産ガレージキットに近い柔軟性のあるレジンで成形。GAFFEのキットのようにヒビ割れの心配はなさそうですが、モールドがモッサリしていて成形不良の部分や派手なバリがあります。

組み立て

リアフェンダーの修正

左リアフェンダーに成形不良があったので、「黒い接着剤」を盛って形状を修正しました。

フレームの修正

細長いパーツが歪むのはレジンキットの宿命ですが、このキットもラダーフレームが派手に歪んでいたので、熱湯で煮沸して修正しました。

コクピット組み立て

キットのままではシートの後部が干渉してボディがハマらないので、ギリギリまで前に移動させて接着。ボディはフィットしましたがハンドルがシートの上にのっかってどこにドライバーが乗るんじゃい?というマシンになってしまいました(−_−;)。

シャーシ組み立て

メタル製のデフとドライブシャフトがついていますが、シャーシとの接合部がない(−_−;)・・・。仕方なく、デフを接着するためのダボをプラ棒で作製。それだけでは強度不足なので、車軸に接着。

仮組み

主要パーツを仮組み。荷台にはスペアタイアを4本積みます。ランクルの中では個人的にこの40系がいちばんカッチョいいと思います。

バンパーガード

フロントにはバンパーガードがつきますが、キット付属の金属パーツは歪んでいるので、アルミ線で作り直し。

表面処理

プライマリーサーフェイサーを吹いて荒れの目立つ部分を400〜600番のヤスリで磨いて表面処理。

塗装

本塗装

ボディはクレオスのスカイブルーで、シャーシはセミグロスブラックで塗装。

デカール

今回は大きいデカールはありませんが、黄ばみがひどいので数日日光を当ててクリアーでコーティング。

デカール貼り付け

デカールをはりつけてクリアーでコーティング。

プレートの自作

フロントバンパー左につくデカールはこのままでは不自然な貼り方になるので、0.5mmプラ板でプレートを自作しました。

1/43 TOYOTA LJ73 PARIS-DAKAR 1989

メーカー:Dan’s model

2023年5月完成

FJ60に続いてランドクルーザー・パリダカ仕様車の依頼製作です。製作にあたってトヨタのランドクルーザーについて少し勉強しましたが、ランドクルーザーには20系、40系、60系、70系・・・とあって、この車は70系になるようです。

製作記録

Dan’s modelというフランス製のガレージキットですが、例によって組み立て説明書にはロクな解説もなく塗装見本はこの写真一枚だけです。(´・ω・`)

Minolta DSC

キットレビュー

パーツ一覧

パーツ数は21点。前回のFJ 60よりもシンプルなパーツ構成です。ボディとシャーシは塗装済みでデカールをはって組み立てれば完成!というイージーキットですが、全くイージーではないことが後から判明。

タイヤとホイール

このキットの1番の問題はタイヤ。ゴムではなく、カチカチのナイロン製でホイールに全くはまりません。もともと精度が低かったのか、経年で縮んだのか?

組み立て

タイヤのはめこみ

タイヤを熱湯に20秒ほどつけて柔らかくなったところでホイールにはめ込み。3本はうまくいきましたが、1本だけ割れてしまいました( ´△`)。

割れたタイヤの補修

タイヤの割れた部分に「黒い接着剤」を詰め込んで、表面をヤスリで整えました。無塗装ですが接着剤の色がタイヤとほぼ同じなのでこのままでも問題なさそうです。

塗装

デカールの補強

ボディは塗装済みなので、デカールをはってクリアーコートをすれば完成なのですが、今回はデカールの面積が結構大きい・・・。タミヤのアクリルクリアを吹いて補強しましたが、さて、うまくいくでしょうか?

デカールはり

・・・ためしに簡単そうな部分にはってみましたが、・・・ううむ・・・簡単にちぎれてボロボロに・・・( ´△`)。しかも、デカールが薄くて下地がスケスケです。海外製キットはいいデカールを使っているというイメージがありましたが、どうやらこのメーカーは違うようです。

シャーシ完成

ボディの方は手間がかかりそうなのでとりあえず先にシャーシの方を進めました。パーツ数も少なく、塗装済みなので、あっという間に完成!タイヤは補修部分を隠すためセミグロスクリアーを吹きました。

赤部分の塗装

デカールは諦めて塗装で赤のラインを再現することに変更。・・・しかし、またもや問題発生!ホワイトの塗装に模型用の塗料が全く乗らずに、マスキングをはがすとボロボロに・・・。

塗装の剥離

結局、塗装を剥離して全塗装することに。かなり強力な塗料を使っているらしく、薄め液ではビクともしないので、ツールクリーナーにドボン。ううむ・・・フランス人め・・・o(`ω´ )o

破損部の補修

ツールクリーナーを使用したので、レジンが侵されないように10分おきにチェックしましたが、やはり、窓枠やフェンダーなど薄い部分が割れてしまったので、パテや瞬着で補修します。

ホワイトの塗装

破損部を補修してサフ吹き。表面の荒れた部分を慣らしてから、ファンデーションホワイトで塗装。

レッドの塗装

デカールは信用できないので、レッドの部分は塗装で再現。マスキングが複雑なので、フロント部分、サイド部分、ルーフ部分を別々にマスキングして塗装。

レッドの細ライン

赤ストライプの細いラインはクアトロポルテのラインデカール(0.3mm幅)を使用。

デカールはり

念のため再度アクリルクリアを吹いて補強してから細かいデカールを貼り付け。塗装を全剥離した時はどうなることかと心配しましたが、思ったより上手くいきました!(^∇^)

細部の塗装・組み立て

ウィンドウ、ミラー、灯火類など細部を製作。ヘッドライトのレンズがついていなかったので、ミラーフィニッシュをはりこんでからWAVEのHアイズ(4mm)を埋め込み。「TOYOTA」エンブレムとワイパーはキット付属のエッチングパーツを使用。

最終組み立て

完成!

左は次の依頼品、同じLJ73の別バージョンです。こちらは普通のレジンキットでタイヤのゴムもちゃんとしています。

タミヤ 1/20 タイレルP34(1977年モナコGP)R・ピーターソン仕様

2023年6月完成

F1シリーズ第6弾は依頼品のタイレルP34です。

P34は実戦に投入された史上唯一の六輪車であって一目で分かる特徴のせいか、70年代に発売されたタミヤのキットも、40年以上にわたって何度も再販されています。かえる工房でも製作依頼の問い合わせがダントツに多く、現在でもF1のアイコンとして頻繁に使用されています。

   

一方で、知識も興味もないにもかかわらず六輪車の人気に便乗したいだけでヤカラも多く、YouTubeの解説動画の中には「前輪を小さくすることで空気抵抗が少なくなり、より多くのダウンフォースを得られた(◎_◎;)!などとトンデモ解説をしているチャンネルもあって目を疑ってしましました。

それは極端な例としても、P34をやたらと「名車」扱いをするのには少し違和感を感じます。76年には好成績を残したものの、2シーズンを通して優勝は1回のみと、あくまでも六輪車の可能性を感じさせる程度のものです。発表時には冗談だとしか思えなかった六輪車が鮮やかな1−2フィニッシュを決めたことが印象に残って「名車」のイメージを生んだのかもしれません。

かえる工房としては成績云々ではなく、誰一人思いつかなかった六輪車を実際に形にしてGPに出場したというところにロマンを感じます。

今回の製作は77年モナコGP仕様。この年は新設計のフルカウルに変更しましたが、前年ほどの好成績が残せず何戦かは76年のカウルに戻した仕様があり、これもその一つです。

フェアリング内蔵のバックミラーを廃して砲弾型のものを使用。R・ピーターソンはドライビングポジションにうるさいのか、ロータス79でもコクピット周りがアンドレッティ車と少し違ったりします。

リアウィングの「elf」マークが逆だったり、なぜかデパイユ車とは細かいマーキングが違います。

エアファンネルはミュージアムコレクションの金属製パーツを使用。キット付属のプラグコードは太すぎるのでMFHのパーピングコード(0.4mm)に変更しました。

今回はロニー・ピーターソン車ですが、以前製作したデパイユ車とほとんど絵面が変わらないので、いつか作ろうとストックしているキットも紹介します。

タミヤの76年日本GP仕様(正確にはF1インジャパン仕様)

P34はレースごとに仕様変更が多く、このキットも下に延長されたリアウイング翼端版やピラミッド型のエアファンネルカバーが特徴ですが、なんといってもひらがなでマーキングされた「たいれる」「しえくたあ」「どぱいゆ」が1番のチャームポイントです。

フジミの77年日本GP仕様

77年には専用の小径タイヤの開発がすすまず、アンダーステアに悩まされて迷走したあげく、「空気抵抗を減らす」という本来のコンセプトを捨ててトレッドを広げた前輪がスポーツカーノーズからはみ出してしまいました。

ロータスなら79より80、ウィリアムズならFW07よりFW08Bと、いろいろやりすぎた「迷車」好きなかえる工房としては、Fタイヤのグリップ不足で、あーでもない、こーでもないとイジりまくった結果、訳のわからないマシンになった77年後期型が一番好きだったりします。問題はこのキット、フジミ製なんですよね・・・(⌒-⌒; )

製作記録

キットレビュー

お手つきパーツ

キットレビューは以前やったので省略。今回はお手つきキットの製作でカウルやエンジンなど一部パーツが接着済みですが、特に問題はなさそうです。

エッチングパーツ

ウィングの翼端版等はSTUDIO27のエッチングパーツを使用。

エアファンネル

エアファンネルはミュージアムコレクションの金属製パーツを使用。

シャーシ・カウルの製作

シャーシの製作

古いキットでかなり合いが悪いので、キチンとすり合わせをしてから組み立て。電池ボックスにはスキマができるので「黒い接着剤」で裏打ち。さらにディスプレイベースに固定するためのナットを埋め込みました。

センターカウルの製作

今回の製作はR・ピータソン仕様なのでミラーフェンダー部を短くカットし、砲弾型ミラーをとりつけるための穴を開けます。ロータス79もそうですが、R・ピータソン車はコクピット周りの変更が多いです。

リアウィング組み立て

リアウィングのステーをエッチングパーツに置き換えるとプラ製パーツより幅が狭くなるので、元々のスリットを埋めて内側にスリットを新造。

フロントノーズ組み立て

フロントノーズのチンスポイラーを切り取ってエッチングパーツに置き換え。左右の翼端版もエッチングパーツを使用。

下地塗装

ボディのブルー部分は発色をよくするためにガイアノーツの「サーフェイサーEVOスカイブルー」で下地塗装。

本塗装

前回同様、ボディ全体はフィニッシャーズのピュアブルーで、センターカウルはファンデーションホワイトを使用しました。

デカールはり

カウルのデカールは斜めにカットしてからはりつけ。クリアーをかけた時に浮いてこないようにマークセッターを使ってしっかりと乾燥させます。

クリア吹き

デカールが乾燥したら、余分なノリをふき取ってクリアー吹き。デカールが浮いてこないように最初は砂吹きをして、少しずつツヤを出していきます。P・デパイユ車とはゼッケン以外に微妙にマーキングが違います。

エンジン・ミッション・足回りの製作

仮組み

主要パーツを仮組み。タミヤのDFVエンジンの組み立ては4基目なのでサクサク進みました。

リアブレーキダクト

リアのブレークダクトは開口されていないので、0.3mmプラ板を箱組みして開口部を再現。キットのままでは開口部が狭くてあまり目立たないので、高さを上下に0.3mmほど広げました。

エンジン完成

ボディのクリア乾燥待ちの間にエンジン、ミッション、リアサス等を製作。シルバー、セミグロスブラック、黒鉄色で塗り分けました。

フロントサス完成

P34のいちばんのウリ、フロント四輪を支えるサスペンション。パーツ数が多く複雑なのでシャーシにきちんと取り付けできるか確認しながら組み立て。残念ながら左右にステアリングすることはできません。

エンジン・足回りの組み立て

ボディの研ぎ出し、ツヤ出しが終わったので、ようやくエンジンと足回りを接着。ここで失敗するときちんと接地しなくなるで、慎重に水平を出します。

コクピット・フロント回りの組み立て

コクピットパーツ、スタビライザーなどを組み込み。77年仕様ではスタビライザーがシャーシの上に移動していますが、これはR・ピーターソンの足が長くて引っかかるための改良で、走行性能的には特に意味がないそうです。(⌒-⌒; )

R・ピーターソンの製作

仮組み

頭部、両腕に真鍮線を埋め込んで仮組み。実際にコクピットに座らせて腕の位置を調整します。

スーツの塗装

スーツ部をガイアノーツの「サーフェイサーEVOスカイブルー」で塗装。本来下地に使う塗料ですが、色合いがいい感じなのでそのままいかします。

細部の塗装

グローブ、シートベルトなどを塗り分け。ヘルメットはボディと同じフィニッシャーズのピュアブルーで塗装しました。

デカールはり

スーツ部分にシャドーを入れてデカールを貼り付け。デカールは車体用、ドライバー用の2種類が付属しますが、なぜかドライバー用のものは劣化がひどくはりつけに苦労しました。

完成!

0.2mmの透明プラ板で自作したシールドを接着して完成。R・ピーターソン以外ではあまり見ないヒサシつきのフルフェイスヘルメットです。

1/43 TOYOTA FJ60 PARIS DAKAR 1986

メーカー:GAFFE

2023年4月完成

1/43ガレージキットの製作依頼が入りました。GAFFEのキットは初めてですが、パーツ数は少なめでボディにはカチカチのレジンで表面がベトベトしています。同じフランスのメーカー、TENARIVのリジェJS7を作ったことがありますが、それとよく似た感じです。リジェを製作したときはカチカチのレジンがパキパキ折れたり、劣化したデカールがバラバラにちぎれたり苦労させられましたが・・・(´・ω・`)

製作記録

TOYOTA FJ60は1986年のパリ・ダカールラリー出場車のようですが、かえる工房はそちら方面は疎く、ネットで検索してもこの個体についての情報はほとんど見つからず、頼りになるのは完成写真一枚とペラペラの説明書一枚だけです・・・(´・ω・`)

キットレビュー

パーツ一覧

パーツ数は約30点。エンジンレスで足回りやコクピットも簡素な作りで、エブロの1/43ミニカーなんかとよく似た構成です。

ボディパーツ

国産ガレージキットと違って焼き物のようなカチカチのレジンで成形されていて離型剤?で表面がベトベトしています。バキュームフォームのウィンドウは精度がイマイチですり合わせが大変そうです。

その他のパーツ

ホワイトメタルの小物パーツとゴム製タイヤ。ダッシュボード、シート、デファレンシャルギア、ドライブシャフトは着色済みのレジンのようです。

デカール

いちばんの懸念はデカール。かなり劣化が見られます・・・。以前作ったTENARIVのデカールは水につけるとバラバラになって繋ぎ直すのにかなり苦労しましたが、さて・・・(´・ω・`)

説明書(表)

上段はフランス語、下段は英語の説明。念のため辞書を片手に読んでみましたが、レジンキットの組み立ての基礎知識とおおまかな塗装指示が書いてあるだけでした。

シフトレバー&消化器

組み立て説明図にはシフトレバーと消化器を接着するように指示されていますが、パーツの中にありませんでした。販売店のHP写真にも写っていないところを見ると不良品というよりメーカーが最初から入れ忘れていたようです。海外製キットあるあるですね・・・(−_−;)

説明書(裏)

車体の四面図、これを見てデカールをはれ・・・ということなのでしょうが、白黒なので塗りわけかたがよく分かりません。

組み立て

レジンパーツの洗浄①

中性洗剤で煮沸すると表面のベタベタはキレイに落ちましたが、説明書にはアセトンで洗浄するように書いてあったので念のためこちらも試してみました。

レジンパーツの洗浄②

「in aceton for a few minuts」と指示されていたので、5分ほどつけ置き。アセトンは引火性が強いので火気厳禁。臭いもキツイので、屋内で作業する場合は換気に注意しましょう。

シート、ダッシュボードなど

おそらく黒に着色済みのレジンで成形されているようですが、アセトンで脱脂すると塩を吹いたかように真っ白に・・・。どうせ塗装をするので問題ありませんが。

シャーシの組み立て

フロントサス、ドライブシャフトなどを接着。車軸を通す穴がきちんと開いていないので、掘り直しましたが・・・ドリルが通る時のテンションでリアサスの一部が欠けてしまいました・・・・( ´△`)・・・瞬着で補修できましたが、フランス人はなんでこんなにカチカチのレジンが好きなのでしょうか?・・・。

車軸の調整

ホイールに車軸のはまる穴をあけて仮組みをしましたが、少し長すぎました。これ以上穴を深くすると貫通してしまう恐れがあるので、車軸を5mmほどカットしました。

前後バンパーの調整

前バンパーは取り付けダボがボディの穴と微妙にずれていて左側が下がってしまうため修正。リアバンパーは取り付け位置がかなりズレていたのでダボをカットして真鍮線で作り直しました。

サイドミラーの調整

ホワイトメタル製のサイドミラーはステーの長さが左右で違いますが、自分で適当な長さにカットして使うようです。ミラーの取り付け穴が狭いのでドリルで広げたら、またしてもパーツの欠けが(o_o)。欠けたパーツをプラ板で新造して補修しました。

主要パーツの仮組み

ウィンドウの合いがイマイチですが、その他は特に問題なし。ボディ表面のモールドは割とキレイでヒケやバリはほとんどありませんでした。

塗装

下地塗装①

1/24用の塗装台ではサイズが合わないので、コンビニに行って「ソルマック胃腸液プラス」を購入。別に胃は悪くないのですが・・・。プライマーサーフェイサーを吹いて下地処理。

下地塗装②

本塗装の発色を良くするためにガイアノーツのピンクサーフェイサーで下地塗装。

本塗装

ボディはクレオスのピンクで、バンパー、フロントグリルはフィニッシャーズのファンデーションホワイトで塗装。

デカール補強

デカールは劣化の心配があったので、タミヤのアクリルクリアーをさっと吹いて30分ほど乾燥。

デカールはり

細かい部分が少し切れたりしましたが、概ねキレイにはることができました。見た目はヨレヨレでしたが国産キットより質の良いデカールを使っているようです。d(^_^o)

シャーシの塗装

シャーシ全体はセミグロスブラックで、タイヤハウス内部はホワイトで塗り分け。

シャーシ完成

セミグロスブラックで内装を塗装。タイヤをつけてシャーシ完成!

フロントグリル

ホワイトで塗装。ヘッドライト部にはミラーフィニッシュで裏打ちしたレンズを接着。グリル中央には「TOYOTA」のエンブレムが付くはずですが、キットには付属していないので残念ながらエンブレム無しで仕上げます。

リアプレート

リアバンパーにはプレートがつくようですが、例によってパーツが付属していないので、0.5mmプラ板を切り出して作成。

リア周り

完成したプレートをリアバンパーに接着。上部に並ぶオレンジのランプはキットのパーツのデキが悪いので、WAVEのHアイズ4の2.0mm角を使用しました。

次の依頼品は同じランドクルーザーの70系になります。

1/20 タミヤ レーシングチームセット

2023年1月製作開始(現在休止中)

1/20フィギュアの製作依頼が入ったので、それと並行して前々から作ろうと思っていたレーシングチームセットに手をつけました。

ヤフオクでジャンクキットを入手。デカールは完全に死んでいますが、どのマシンにも合わせられるような汎用フィギュアとして製作するので特に問題はありません。

製作記録

組み立て・表面処理

仮組み

フィギュアは8体ありますが、とりあえずC・チャップマン風のチームマネージャーを仮組み。最新のフィギュアに比べるとデキはイマイチですが、まあ、マシンを引き立てるためのオマケなので・・・(⌒-⌒; )

磁石埋め込み

ディスプレイベースに穴を開けずに固定できるように左足の裏にネオジム磁石を埋め込みました。

ヘッドホン

ヘッドホンは別パーツになっていますが、つけてみると耳が干渉して浮いてしまいます(左)。そこで、ヘッドホンの内側と耳を削り込んで密着するように調整しました(右)。

塗装

シタデルカラー

今回は肌塗装にシタデルカラーを使用してみました。

肌塗装

下地にホワイトを吹いてシタデルカラーで染め付け塗装。思ったより色が暗くて美少女フィギュアには合いそうにありません。

ディスプレイベース