タミヤ 1/20 タイレルP34(1977年モナコGP)R・ピーターソン仕様

2023年4月製作開始

F1シリーズ第6弾は依頼品のタイレルP34です。

P34は実戦に投入された唯一の六輪車であり一目で分かる特徴のせいか現在でも人気が高く、タミヤのキットも70年代に発売されて以来何度も再販されたりリニューアルされたりしています。かえる工房でも製作依頼の問い合わせがダントツに多いキットです。

しかし、興味も知識もなくただ、P34の人気に便乗したいだけのヤカラも多く、YouTubeのF1解説の中には「前輪を小さくすることで空気抵抗が少なくなり、より多くのダウンフォースを得られた」などとトンデモ解説をしているチャンネルもあって目を疑ってしましました。!(◎_◎;)

それは極端な例としても、P34をやたらすごいすごいと「名車」扱いをする人が多いのにはいささか違和感を感じます。76年は好成績を残したものの、優勝は1回のみで、あくまでも六輪車の将来性を感じさせる程度のものです。冗談だとしか思えなかった六輪車がスェーデンGPで1−2フィニッシュを決めたのが印象に残って名車であったかのような幻想を生んだのかもしれません。

今回は77年モナコGPのロニー・ピーターソン車の製作ですが、去年製作したものとほとんど絵面が変わらないので、いつか作ろうとストックしていたキットにも登場してもらいました。

タミヤの76年日本GP仕様(正確にはF1インジャパン仕様)

P34はレースごとに仕様変更が多く、このキットも下に延長されたリアウイング翼端版やピラミッド型のエアファンネルカバーが特徴ですが、なんといってもひらがなでマーキングされた「たいれる」「しえくたあ」「どぱいゆ」が1番のチャームポイントです。

フジミの77年日本GP仕様(正確にはF1インジャパン仕様)

77年には専用の小径タイヤの開発がすすまず、アンダーステアに悩まされて迷走したあげく、「空気抵抗を減らす」という本来のコンセプトを捨ててトレッドを広げた前輪がスポーツカーノーズからはみ出してしまいました。

しかしながらロータスなら79より80、ウィリアムズならFW 07より、FW 08Bといろいろやりすぎた「迷車」が好きなかえる工房としては、当時、だれもが考えもしなかった六輪車を実戦に投入し、あーでもない、こーでもないと迷走しまくった結果、訳のわからないマシンになった77年後期型が一番好きだったりします。問題はこのキット、フジミ製なんですよね・・・(⌒-⌒; )

製作記録

キットレビュー

お手つきパーツ

キットレビューはP・デパイユ仕様の時にやったので省略。今回はお手つきキットの製作でカウルやエンジンなど一部パーツが接着済みですが、特に問題はなさそうです。

シャーシ・カウルの製作

エンジン・ミッション・足回りの製作

塗装

R・ピーターソンの製作

GAFFE 1/43 TOYOTA FJ60 PARIS DAKAR 1986

2023年3月製作開始

1/43ガレージキットの製作依頼が入りました。GAFFEのキットは初めてですが、パーツ数は少なめでボディにはカチカチのレジンを使っていて、同じフランスのメーカーTENARIVの「リジェJS7」を作ったことがありますが、それとよく似た感じです。「リジェJS7」を製作したときはカチカチのレジンがパキパキ折れたり、劣化したデカールがバラバラにちぎれたり苦労させられましたが・・・(´・ω・`)

TOYOTA FJ60は1986年のパリ・ダカールラリー出場車のようですが、かえる工房はそちら方面は疎く、ネットで検索してもこの個体についての情報はほとんど見つからず、頼りになるのは完成写真一枚とペラペラの説明書一枚だけです・・・(´・ω・`)

製作記録

キットレビュー

パーツ一覧

パーツ数は約30点。エンジンレスで足回りやコクピットも簡素な作りで、エブロの1/43ミニカーなんかとよく似た構成です。

ボディパーツ

国産キットと違って柔軟性のないカチカチのレジンで成形されています。離型剤が残っているのか表面がベトベトしています。バキュームフォームのウィンドウは精度がイマイチですり合わせが大変そうです。

その他のパーツ

ホワイトメタルの小物パーツとゴム製タイヤ。ダッシュボード、シート、デファレンシャルギア、ドライブシャフトは着色済みのレジンのようです。

デカール

いちばんの懸念はデカール。かなり劣化が見られます・・・。以前作ったTENARIVのデカールは水につけるとバラバラになって繋ぎ直すのにかなり苦労しましたが、さて・・・(´・ω・`)

説明書(表)

上段はフランス語、下段は英語の説明。念のため辞書を片手に読んでみましたが、レジンキットの組み立ての基礎知識とおおまかな塗装指示が書いてあるだけでした。

シフトレバー&消化器

組み立て説明図にはシフトレバーと消化器を接着するように指示されていますが、パーツの中にありませんでした。販売店のHP写真にも写っていないところを見ると不良品というよりメーカーが最初から入れ忘れていたようです。海外製キットあるあるですね・・・(−_−;)

説明書(裏)

車体の四面図、これを見てデカールをはれ・・・ということなのでしょうが、白黒なので塗りわけかたがよく分かりません。

組み立て

レジンパーツの洗浄①

中性洗剤で煮沸すると表面のベタベタはキレイに落ちましたが、説明書にはアセトンで洗浄するように書いてあったので念のためこちらも試してみました。

レジンパーツの洗浄②

「in aceton for a few minuts」と指示されていたので、5分ほどつけ置き。アセトンは引火性が強いので火気厳禁。臭いもキツイので、屋内で作業する場合は換気に注意しましょう。

シート、ダッシュボードなど

おそらく黒に着色済みのレジンで成形されているようですが、アセトンで脱脂すると塩を吹いたかように真っ白に・・・。どうせ塗装をするので問題ありませんが。

シャーシの組み立て

フロントサス、ドライブシャフトなどを接着。車軸を通す穴がきちんと開いていないので、掘り直しましたが・・・ドリルが通る時のテンションでリアサスの一部が欠けてしまいました・・・・( ´△`)・・・瞬着で補修できましたが、フランス人はなんでこんなにカチカチのレジンが好きなのでしょうか?・・・。

車軸の調整

ホイールに車軸のはまる穴をあけて仮組みをしましたが、少し長すぎました。これ以上穴を深くすると貫通してしまう恐れがあるので、車軸を5mmほどカットしました。

前後バンパーの調整

前バンパーは取り付けダボがボディの穴と微妙にずれていて左側が下がってしまうため修正。リアバンパーは取り付け位置がかなりズレていたのでダボをカットして真鍮線で作り直しました。

サイドミラーの調整

ホワイトメタル製のサイドミラーはステーの長さが左右で違いますが、自分で適当な長さにカットして使うようです。ミラーの取り付け穴が狭いのでドリルで広げたら、またしてもパーツの欠けが(o_o)。欠けたパーツをプラ板で新造して補修しました。

仮組み

塗装

ソルマック胃腸液プラス

今回の新兵器「ソルマック胃腸液プラス」・・・といっても胃の調子が悪いわけではありません。

最終組み立て

1/20 タミヤ レーシングチームセット

2023年1月製作開始

1/20フィギュアの製作依頼が入ったので、それと並行して前々から作ろうと思っていたレーシングチームセットに手をつけました。

ヤフオクでジャンクキットを入手。デカールは完全に死んでいますが、どのマシンにも合わせられるような汎用フィギュアとして製作するので特に問題はありません。

製作記録

組み立て・表面処理

仮組み

フィギュアは8体ありますが、とりあえずC・チャップマン風のチームマネージャーを仮組み。最新のフィギュアに比べるとデキはイマイチですが、まあ、マシンを引き立てるためのオマケなので・・・(⌒-⌒; )

磁石埋め込み

ディスプレイベースに穴を開けずに固定できるように左足の裏にネオジム磁石を埋め込みました。

ヘッドホン

ヘッドホンは別パーツになっていますが、つけてみると耳が干渉して浮いてしまいます(左)。そこで、ヘッドホンの内側と耳を削り込んで密着するように調整しました(右)。

塗装

シタデルカラー

今回は肌塗装にシタデルカラーを使用してみました。

肌塗装

下地にホワイトを吹いてシタデルカラーで染め付け塗装。思ったより色が暗くて美少女フィギュアには合いそうにありません。

ディスプレイベース

EBBRO 1/43 ホンダS660

2023年3月完成

1/43ホンダS660のミニカーをオリジナルのブラックからブリティッシュグリーンバールにリペイントするという依頼が入りました。今回のポイントはパーツをできるだけ細かく分解することとエンブレムやナンバープレートのデカールを自作することです。

かえる工房は少年時代にはホンダS600を、大人になってからはビートをいつかは手に入れたいと思っていましたが、2輪にばかりかまけているうちにビートは1996年に販売終了。S660はそのビートの生産終了後19年目に登場したミッドシップ2座席オープンスポーツカーです。

ギャラリー

ホロは脱着可能

製作記録

ベースとなるのはエブロ製の1/43ミニカー。エブロらしく手堅い作りですが、ブラック塗装はイマイチ地味でパッとしません。模型映えしないだけで実車はカッチョいいのかもしれませんが・・・。

ボディの分解

パーツ一覧

シャーシ裏の2本のビスを外して、ボディ、内装、シャーシ、タイヤに分解。ここまでは実に簡単ですが・・・。

内装の分解

内装は全てプラスチック(ABS?)製。接着部をエナメル溶剤で少しずつ溶かしながらシート、ドア内張を分解しました。

ボディの分解①

フロントウィンドウとリアバルクヘッドはカシメでそれぞれ二カ所が固定されています。この部分が外れれば分解できるはずですが・・・。

ボディの分解②

2mmのドリルでカシメを削って、フロントガラスとリアバルクヘッドを分解。残るはナンバープレートとヘッドライトです。

塗装の剥離①

ナンバープレートは分解できませんでしたが、これ以上イジると壊してしまいそうなので諦めて塗装の剥離作業を開始。剥離が必要ない部分をマスキングして、アサヒペンの「強力塗料はがし液」を塗布。

塗装の剥離②

1時間ほど放置して柔らかくなった塗装膜が浮いてきたら、スクレーパー代わりのマイナスドライバーでコリコリ削って塗装をはがします。

塗装の剥離③

塗装剥離完了。フロントグリルやピラーなどは元の塗装を生かすのでそのまま残しました。

ボディのリペイント

塗装テスト

ボディ色は「ブリティッシュグリーンバール」ですが、そんな塗料は発売されていないので、いろいろ考えた結果、下地にゴールドを塗って、その上からクリアグリーン+クリアレッドを重ね塗り。明るさの違うテストピースをいくつか試作して、依頼人様のイメージに合うものを選んでもらいました。

塗装準備

塗装しない部分をマスキングして、マルチプライマーで下地塗装。前後グリルは細かい凸凹や曲面だらけなので、マスキングゾルを使用しました。

下地塗装

今回はクリアー塗料を重ね塗りするキャンディ塗装にしましたので、まず下地にゴールドで塗装します。

本塗装

ゴールドの上からクリアグリーン+クリアレッド(少量)を吹き付け。重ね塗りの回数によって濃さが変わるのでテスト時と同じように12回に分けて吹きつけました。

デカール製作

オリジネルのインレットシールは塗装剥離に伴って消えてしまったので、「自分で作る!デカールシール」で「H」と「S660」のエンブレムを製作。

組み立て

クリアーコートが乾燥したので、エポキシ接着剤で透明パーツやリヤバルクヘッドを接着。接着剤が硬化するまでマスキングテープで固定。

内装のリペイント

オリジナルでは黒一色だった内装をダークグレーとベージュで塗り分け。幌はレッドブラウンで塗装。

塗装済みのパーツを再接着してセミグロスクリアーを吹いてツヤを調整。オリジナルの黒一色と違ってツートンカラーは模型映えします。

最終組み立て

ボディ、内装の塗装完了。それぞれのパーツを組み立てればいよいよ完成です!😁😁😁

タミヤ 1/20 ロータス25

2023年1月製作開始

F1シリーズ第5弾。

コスワースDFVマシンに少し飽きたので、グッと趣向を変えて1.5リッター時代のマシンを選択。実は葉巻型F1は生まれて初めての製作だったりします。

ロータス25はモノコックシャーシを採用してF1界に革命を起こし、1963年シーズンにはジム・クラークのドライビングで10戦中7勝という圧倒的な成績をあげた伝説のマシンです。

モノコック構造を採用したロータス25はそれ以前のチューブラーフレームのマシンより軽量で剛性が高く安定したコーナリング性能を実現しました。このモノコックシャーシ以外にも60〜70年代のロータスはDFVエンジン、前後ウイング、ウェッジシェイプボディ、ウィングカーと変遷してゆき、改めてコーリン・チャップマンの影響力の大きさがつくづくわかります。

ギャラリー

製作記録

キットレビュー

パーツ一覧

マシンは60年代のものですが、キットは1997年発売と新しめで、最近の傾向としてドライバーフィギュアは付属しません。みなさんドライバーにはあまり興味がないのでしょうか・・・(´・_・`)。本当はジム・クラークを乗せたかったのですが・・・。

タイヤ

溝付きの細いタイヤには「DUNLOP」のロゴが印刷済み。これはうれしいサービスです。

Cパーツ

成形不良でリアサスのアームに歪みがあり、スタビライザーが折れていましたが、メーカーに問い合わせたところ無償で代替パーツを送ってもらえました。

主要パーツ仮組み

ボディ、シャーシ、エンジン、前後サスなど主要パーツを仮組み。70年代のマシンとはパーツ構成がかなり違うので、この時点で製作計画をしっかり検討しておきます。

主要パーツ仮組み②

製作中のウルフWR1と比較。60年代は葉巻型のボディが普通でしたが、70年代になるとフロントのラジエーターが左右に配置され、サイドポンツーンが大きく張り出すようになりました。10年少しでマシンデザインがガラッと変わったことがわかります。

ボディの製作

ディスプレイベースに固定

タミヤのディスプレイケースに穴をあけて3mm×15mmのビスとナットで固定できるようにしました。

主要パーツの接着

4分割されたシャーシ部を接着。人によって好みがありますが、かえる工房の場合、塗装後の接着が好きではないので、できるだけパーツを接着してから塗装に入ります。

メッキ落とし

60年台マシンなのでメッキパーツがたくさん使われています。フジミのBT46のメッキはやたらガンコでしたが、水で薄めたサンポールに30分ほど漬けておくとキレイにはがれました。

エンジンの製作

ドライバーフィギュアの製作

最終組み立て

タミヤ 1/24 ホンダ・シティターボ(+モトコンポ)

2022年10月完成

次の依頼品は80年代の名車、懐かしのホンダ・シティターボです。

かえる工房の好みはほとんどが60〜70年代車ですが、初代シティも結構好きで、背の高い独特のボディデザイン当時のシビックと比べてすごくオシャレでアカ抜けたデザインでした。、折りたたみ式の小型バイクが搭載でき、1.2Lターボエンジンは100馬力を叩き出すと夢がある車でした。(^∇^)

タミヤのカーモデルやバイクモデルは一般にメジャー志向で、リアルタイムで人気のあるモデルをキット化する傾向があります。このキットも1981年に初代シティが発売されヒットしたことを受けてすぐにモデル化されたものです。

タミヤの1/24スポーツカーシリーズ初期の製品はプラモデルと玩具の中間的なコンセプトで、パーツ数はできるだけおさえ、ヘッドライト点灯、モーターで走行可となっています。個人的にハコ車はボディのフォルムが全てだと思っているので、こういうキットは結構好きだったりします。

製作記録

キットレビュー

パーツ一覧

パーツ数は約45点。インテリアや足回りも最低限のパーツ構成になっていて、フロントグリルやウィンカーも一体成形されています。逆に最近では全く見かけなくなったドライバーフィギュアが付属しています。

タイヤ、デカールなど

年代物のキットなので、デカールの劣化が心配なので、黄ばみ取りをしてからクリアーコートをした方がよさそうです。今回はモーターライズ用のパーツは使用しません。

モトコンポ

シティのウリの一つ、モトコンポが付属。ハンドルを折りたたむとシティのトランクにすっぽり収まる超小型バイクです。パーツ数7点のシンプルなキットですがけっこう精密にできています。

仮組み

中性洗剤でパーツ洗浄をおこなってからとりあえず仮組み。う〜む、なかなかカワイイ❤️❤️❤️。目的地に着いたらトランクから下ろした折り畳みバイクで周囲を散策・・・なかなかグッとくるコンセプトです。

ボディの製作

パテ盛り①

全体のプロポーションはいいのですが、パーティングラインの段差が目立つのでパテ盛りをしました。

パテ盛り②

シートのヘッドレストやフェンダーミラーなど、厚みのあるパーツには派手なヒケがあるので、ここもパテ盛りをします。

表面処理

パテ盛りをした部分を中心に240番→400番→600番とヤスリがけ。ヤスリがけでモールドが消えないようにウィンカーとフォグランプにマスキングをしておきます。

下地塗装

モールドがツブレるのを避けるため、サーフェイサーのかわりにフィニッシャーズのファンデーショングレイを吹き付け。800番のヤスリで細かいキズを消したら、次はいよいよ塗装です!😁😁😁😁

本塗装

クレオスのブラックで塗装。砂吹き→セミウェット→ウェットと塗料を徐々に薄くしていってツヤを出します。

デカール

さほど変色は見られませんが、年代ものですので、念のためワレ防止のクリアコーティングをしました。経年のせいかデカールが浮いてくるのに半日ほどかかりましたが、なんとか使えました。

デカールはりとエンブレム塗装

エンブレムのモールドは筆の腹をこすりつけるという伝統的な方法で塗装。デカールが古いせいか「turbo」の文字は発色がイマイチ。

赤モールの塗装

前後左右のモール部分にエナメル塗料を流し込むようにして塗装。下地にホワイトを塗ったので発色もバッチリです。

マスキング

ボディに光沢クリアーをかけて十分乾燥させてからマスキング。

コクピット・シャーシの製作

インテリアの塗装

まず下地にホワイトを吹いてからシャンレッドで塗装。赤部分をマスキングして黒部分を塗装。カラフルでなかなかオシャレです。

シートの塗装修正

塗装後に中央のクッションは上から2段目だけ黒だったことに気がついて修正。デカールをはる前に気がついてよかったです。

コクピット完成

シートとフロアにつや消しクリアをかけてコクピット完成。

シャーシ完成

セミグロスブラックとシルバーで塗り分けてシャーシーが完成。パーツ数が少ないので、この辺はあっという間に完成しました。

ウィンドウのフチ塗装

リアウィンドウは黒いふちどりが入っていますが、ここは説明書の通りにエナメル塗料を裏から筆塗りをしました。

小物の塗装

ルームミラーはフラットホワイトでその他はセミグロスブラックで塗装。ミラーの鏡面にはミラーフィニッシュをはりこみ。

モトコンポの製作

ボディの接着

ボディ左右を接着してパテ盛り。Fタイヤが後ハメできるように、フォークのピンを短くカットしました。

ボディの塗装

ホワイトで下地塗りをしてから本塗装。発色を良くするために通常のイエローに蛍光イエローを混ぜています。

デカールはり

「HONDA」と「MOTOCOMPO」のデカールをはってクリアーコート。

黒部分の塗装

セミグロスブラックで黒部分を塗装。だいぶ精密感が出てきました。

ホイールの塗装

ホイールを塗装して接着。ようやく地上に立ちました。

最終仕上げ

基本塗装完了

ボディ、シャーシの基本塗装完了!主要パーツを組み立てて灯火類や小物を取り付ければ完成です。

タミヤ 1/20 ウルフWR1

2023年1月完成

F1シリーズ第4弾はウルフWR1。

ウルフWR1はカナダの石油王ウォルター・ウルフが「フランク・ウィリアムズ・レーシングカーズ」を買収し、1977年に「ウォルター・ウルフ・レーシング」として参戦するためにヘスケスから移籍したハーベイ・ポスルスウェイトが設計したマシンです。

WR1はフェラーリのような大馬力エンジンもロータスやタイレルのような技術的な工夫もなくこれといった特徴のないマシンです。ウェッジシェイプボディの左右にラジエーターを配置、コスワースDFVエンジン+ヒューランドFG400 5速ギアボックスを搭載と、ポスルスウェイトがヘスケス時代に設計した「308」と大差ない平凡な設計でした。

ところが、アルゼンチンGPでデビューウィン、その後もモナコGP、カナダGPと通算3勝し、ジョディ・シェクターはドライバーズランキング2位、1台体制でありながらコンストラクターズランキング4位という大戦果を挙げました。前年にP34で苦労したシュクターにはこのようなクセのないマシンのほうが合っていたのかもしれません。

70年代にはまだ少数残っていたメインスポンサー無しで、濃紺に金色のカラーリングがカッチョいいです。子供のころにもこのキットを製作しましたが、デカールはりで挫折してしまいいつかリベンジをしたいと思っていました。今回製作したキットは2010年ごろにカルトグラフデカールとエッチングパーツを追加して再販されたものです。

オイルクーラーのアウトレットの独特のRとリア翼端版がウィングのステーを兼ねるデザインがWR1のアイデンティティ。

カウルは脱着可能

再販時の追加パーツで一番ありがたいのは金属メッシュのエアファンネルカバー。昔のプラ製のものと比べるとグッと精密感があります。

製作記録

キットレビュー

パーツ一覧

パーツ数は約120点と最近のキットに比べるとシンプルなパーツ構成です。例によってコスワースDFVエンジンはタミヤF1共通パーツを使用。もともと付いていたはずのドライバーフィギュアは再販時に省略されています。

追加パーツ

前輪のタイロッドとホイールナットが金属製になっているのがポイント高いです。カルトグラフのデカールは素晴らしいのですが、例によって「GOODYEAR」マークが入っていません。(´・ω・`)

MSMクリーションのデカール

というわけで社外品デカールを購入。1/12と1/20がセットになっていますが、たったこれだけで1,000円もしました。P34は今でも「GOODYEAR」デカールがついているのにいったいどういう事情なのでしょうか?

カウルのゆがみ修正

年代物キットなので相応のバリやヒケがあるのは仕方ありませんが、いちばんの問題はカウルの左側がゆがんでロールバーとの間にスキマができること。ドライヤーで温めて少しずつ正しい形に修正しました。

主要パーツ仮組み

ウェッジシェイプのコンパクトなボディがカッチョいい!80年代以降のウィングカーと違って、エンジンやミッションがチラリと露出しているのも好みです。

ボディの製作

下地塗装

パーツ表面のヒケや荒れた部分を240〜600番のヤスリで慣らしてから「ガイアノーツサーフェイサーEVOスカイブルー」で下地塗装。隠蔽力が高く表面も滑らかでなかなかいいです!(^∇^)

本塗装

フィニッシャーズのウルフブルーでボディを塗装。ずいぶん長い間、JPSロータスと同じ黒・金塗装だと思い込んでいましたが、実は黒ではなく濃紺でした(⌒-⌒; )。

デカール貼り

WR1を特徴づける独特のカウル形状ですが、三次曲面にデカールをきれいにはりつけけるのが難しく、シワやヤブレが出てしまいました。

デカール購入

どうしてもきれいにシワが取れなかったので、思い切ってやり直し。新品のデカールが入手できたので、改めてはり直しました。発売時期が違うのかこちらには「GOODYEAR」デカールがついています。

デカールはり完了

2回目なのでけっこうキレイにはれました。モナコGP仕様として作りましたが、追加で購入したデカールが日本GP仕様のみなので、マーキングが一部インチキになっています(−_−;)。

エンジン・シャーシの製作

電池ボックスの接着

P34同様、モーターライズ時代のキットなので、シャーシ下面に電池ボックスのフタがあります。スキマをプラ板やパテで埋めてきれいにツライチにします。

エンジンとミッション部

お馴染みのコスワースDFVエンジン+ヒューランドFG400ギヤボックス。主要パーツを切り出し仮組みをします。

エンジンのビス接続

モーターライズ時代のキットはビスでエンジンをガッチリと接続できるようになっていましたが、このキットでは省略されていたので、市販のM2 x 8mmネジを流用しました。

エンジンとミッション部の塗装

エンジンとミッション部の主要パーツを塗装して組み立て。アップライトが金で塗装されているところがなかなかオシャレです。

エンジンとシャーシの接続

完成したエンジンとシャーシを合体。タイヤがきちんと接地するようにエンジンの角度を調整して接着します。

タイヤロゴの塗装①

本体同様「GOODYEAR」のロゴのデカールは付属しないので、フィニッシャーズのテンプレートを使って塗装しました。

タイヤロゴの塗装②

完成。まあまあかな?

固定用ナットの接着

完成間近になって今更ですが、ディスプレイベースに固定できるように加工しました。シャーシに3mmナットを接着してベースにネジ止めします。

ドライバーフィギュアの製作

ドライバーフィギュア

このキットにはフィギュアが付属していないのに、なぜかヘルメットデカールが付属。そこで、タイレルP34から流用してジョディ・シェクターを製作することにしました。

組み立て

頭部は2mm、両肩は1.5mm真鍮線で接続。肩に少しスキマができるのでポリパテで埋めました。

表面処理

捨てサフを吹いて表面処理。シールドはハセガワのミラーフィニッシュの外箱を切り出して自作。

塗装

スーツはスカイブルー、グローブはホワイトで塗装。ヘルメットはホワイトで塗装してデカールはり。

完成!

スーツにドライブラシをかけて立体感を強調しました。ヘルメットやグローブの細部を塗装してシールドを接着すると完成!

最終組み立て

ボディ完成

200〜3000番のヤスリで研ぎ出し、コンパウンドをかけてボディが完成。ようやくシャーシと合体しました。

エンジン部のアップ

ストレート組みですがけっこう雰囲気があります。再販時の追加パーツで一番ありがたいのがエアファンネルカバー。昔のプラ製のものと比べるとリアリティが段違いです。

タミヤ 1/20 ロータス79(1978年イギリスGP)

2022年10月完成

タイレルP34、ブラバムBT46Bと変態マシンばかり作ってきましたが、F1シリーズ第3弾は王道中の王道、コーリン・チャップマン、ピーター・ライト設計の「ブラックビューティー」ロータス79です。

チーム・ロータスの監督コーリン・チャップマンがF1界に与えた影響は大きく、主なものだけでも、①モノコックシャーシの採用(ロータス25)、②コスワースDFVエンジンの採用(ロータス49)③前後ウィングの採用(ロータス49)、④スポンサーカラーの導入(ロータス49)、⑤ウィングカーの発明(ロータス78)と、その後のライバルマシンのスタイルを一変させてしまうほどでした。

その中でも1978年にマリオ・アンドレッティをチャンピオンに、ロニー・ピーターソンをランキング2位に導いたロータス79は、前年マシンの「78」を改良しグラウンドエフェクト効果を完成の域に高めたマシンです。

ロータス79はタミヤとハセガワの2社から発売されていますが、今回はタミヤのキットを製作。タミヤからはマルティーニカラーの79年版も発売されていますが、ロータスはやはりJPSカラーでしょう。

「79」は「史上もっとも美しかったF1マシン」と言われダントツに人気がありますが、変態F1好きのかえる工房としては同じロータスでも四輪駆動の「63」、ガスタービンエンジンの「56」、やりすぎウィングカーの「80」など失敗マシンのほうが好みです。ツインシャーシの「88」はエブロからキットが発売されているので、いつか手に入れて作ってみたいものです。

カウルは脱着可能

製作記録

キットレビュー

パーツ一覧

パーツ数は約170点ですが、不要パーツが結構あるので実質150点程度でしょうか?組み立て説明書の他に実車解説のパンフレットが付属。最近のカーモデルはフィギュアなしが普通になりましたが、レーシングカーの場合、レーサーも重要なので、ぜひ復活させてもらいたいものです。

デカール

このキットいちばんの問題点はデカール。「JPS」はともかく「good year」がないのは何かの権利問題なのでしょうか?マクラーレンの「Marlboro」といい、メンドくさい時代になったものです。

エッチングパーツ&社外品デカール

運良く純正のエッチングパーツとエッフェのデカールが入手できたので、今回はこれを使うことにしました。

エンジンパーツ

70年代のF1といえばコスワースDFVエンジン!・・・ですが、ランナーの端に「1977 TAMIYA」の文字が・・・。昔のF1シリーズの流用のようですが、じゅうぶんデキがいいので問題はありません。無意味なメッキなどもされていませんし・・・(^O^)

仮組み

無意味な色分けなどはなく成形色は黒一色です。バリエーションを再現するためにボディは細かく分割されており、接着線を処理する部分があります。

サイドポンツーン排気口

イギリスGP仕様とドイツGP仕様でサイドポンツーン排気口の形状が異なります。今回はイギリスGP仕様を製作するので、左側が小型になります。

ロールバーとステアリングホイール

ロールバーとステアリングホイールも選択式。左はがアンドレッティ車で右がピーターソン車です。

エッチングの翼端版

studio 27のものより薄く、翼端版など厚みが必要な部分は2枚をはり合わせる仕様になっています。驚いたことに接着時にズレないように接着面に◯の凹凸が付けてあります。タミヤさん流石!(^_^)☆

シャーシ・ボディの製作

ボディの組み立て

資料がなくてよく分かりませんでしたが、箱絵ではツライチになっていたので、サイドポンツーン上面の接着線は全てパテ埋めしました。

ボディ塗装①

サフ代わりにファンデーショングレーを塗装。目立ったキズを消してから、ガイアカラーのEXブラックで本塗装。

ボディ塗装②

基本塗装完了。黒はキズが目立つので、入念にチェックしてキズやホコリの付着がある部分をヤスリで研ぎ出しをしました。

デカール貼り付け

エッフェのデカールはなかなか質が良く特に問題はありませんでした。イギリスGPの資料がなくてフランスGPのマーキングを参考にしたので、もしかしたらミスがあるかもしれません。

シャーシの塗装

ボディ塗装の乾燥待ちの間にシャーシを塗装。モノコック部分をEXシルバーで、その他をブラック、フラットブラックで塗り分けました。

フロント周り完成

ブレーキペダル、バッテリー、ブレーキフルードタンクなど、基本的なものは全て再現されています。今回はストレート組みですが、パイピングなどを施せばグッとリアルに仕上がりそうです。

エンジン・ミッション・足回りの製作

主要パーツ仮組み

銀色のパーツは古いキットの流用ですが、黒のパーツは新規のもので、案外新しいパーツがたくさん使われています。ロータス78と同じコスワースDFVエンジン+ヒューランドFG400ですが、ギヤボックスやエキゾーストパイプ、足回りなどがかなり違います。

エンジン完成

パーツが多くて少し面倒ですが、パーツの精度が高いので、塗装さえしてしまえばあとはサクサク組んでいけます。

最終組み立て

シャーシとエンジンの合体

シャーシ、エンジン、ミッションを接着。ここでミスをするとリヤタイヤが曲がってしまうので注意して。

前後足回り

グランドエフェクト効果を高めるため、サスペンションをインボード化しエキゾーストパイプを上に回して、空気がスムーズに流れるように工夫してあるのがよく分かります。

タイヤとホイール①

「GOODYEAR」のデカールをはりつけてセミグロスクリアーでコーティング。

タイヤとホイール②

デカールをはっただけではキレイすぎる(左)ので、ウェザリングカラー(グラウンドブラウン)で軽く汚しをかけました(右)。

シートベルト

エッチングパーツセットにはシートベルトも付属。以前ロータスヨーロッパについていたもの同様シール式のものです。

コクピット完成

本当はドライバーを乗せたかったのですが、適当なものが手に入らなかったので、シートベルトをつけました。キット付属のデカールよりはマシですが、次はもっと本格的な布製のものを試してみたいです。

翼端版接着

エポキシ接着剤で翼端版を接着。直角がきちんと出るように真鍮ブロックで固定。

ヒビ割れの修正

シャーシにボディをのせて完成!・・・と思いましたが、サイドポンツーンの接着線にうっすらとひび割れが・・・Σ(‘◉⌓◉’)。接着が甘かったのか・・・しかたなくヒビ割れにクリアーをかけて研ぎ出しのやり直し・・・・。

最終組み立て

ボディをコンパウンドで磨き、モデリングワックスをかけて完成。フルカバーボディのマシンなのでパーツのすり合わせに神経を使いました。

完成!(^O^)

タミヤ 1/12 スズキ RG250Γ

2022年8月完成

VT250、RZ250とともに80年代のクオーターバイクブームを牽引したRG250Γです。市販車で初めて角形アルミフレームを採用、理想的な形状のチャンバーを搭載するためにセンタースタンドを省略、3,000rpm以下は表示されないタコメーターなど当時の常識を覆しレーサーレプリカの先駆けとなった革新的なマシンです。私はフルカウルのバイクはあまり好きではないのですが、Γの場合はアンダーカウルがないと腰高に見えてカッチョ悪いので、フルオプション仕様を選びました。今回の製作のテーマとしてネオジム磁石を使用してカウルの脱着に挑戦してみます。

2ストローク 水冷並列2気筒

最高出力 45馬力 乾燥重量 131 kg

1983年発売

製作記録

キットレビュー

パーツ一覧

リヤサスペンションにコイルスプリングを、スイングアームの取り付けに金属ビスを使用するなど少し進化している点もありますが、全体的にはこの時期のタミヤ製キットの標準的なものです。できるだけパーツを一体成形するといい意味でタミヤらしい構成になっています。

追加パーツ

「フルオプションバージョン」の追加パーツ。アンダーカウル、シングルシート、メンテナンススタンドがつきます。

デカール

RZ350の製作では古いデカールに苦労したので、メーカーに問い合わせて新品のデカールを購入。やはり古いものはかなり変色しています。

仮組み

主要パーツの仮組み。この時代のマシンとしては非常にレーシーなスタイルですが、後のレーサーレプリカに比べるとカウルやハンドルの位置がけっこう高くてツアラーっぽい雰囲気も残しています。

外装パーツの製作

2mmネオジム磁石を埋め込んでアンダーカウルが脱着できるように加工しました・・・が、エンジンを積んでみたら、磁石を埋め込んだ部分がミッションカバーに干渉して脱着できないことが判明・・・(´・ω・`)

タンク、アッパーカウル、アンダーカウルを接着。アンダーカウルの合いが悪かったので、接着線にクサビ状のプラ板をはさんで後部を若干幅増し。サフ代わりのファンデーショングレーを吹いて表面をチェック。ヒケやキズがある部分を修正。

ファンデーションホワイトで白部分を塗装して乾燥後にマスキング。ブルーFS15044+ブラック(少量)で青部分を塗装。箱絵の赤塗装もいいのですが、やはりΓは青塗装でしょう(^○^)。

マスキングをはがしてデカール貼り付け。ストライプの白部分をうまく重ねればマスキングのはみ出しをきれいに隠すことができました。ナックルガード下の白部分もデカールですが三次曲面にきれいになじんでくれました。

フレーム・エンジンの製作

エンジン完成

2ストローク 水冷並列2気筒とこの前作ったRZと同じで外見もよく似ています。4ストローク空冷エンジンに比べて外見的にはいささか面白みに欠けます。(´・ω・`)

足まわりの製作

メッキ落とし

Fフォーク、スイングアームなどのメッキ落とし。この前作ったフジミのブラバムはメッキ落としが大変でしたが、これはサンポールに5分ほど浸けただけできれいに落ちてくれました。

フロント周り完成

Fフォークボトムケースはexシルバーで塗装し、チューブにはメッキシールをはりこみ。

リヤ周り完成

スイングアームはガイアノーツのプレミアムミラークロームで塗装。説明書ではブレーキキャリパーはシルバー+オレンジと指示されていましたが、なんかウンコみたいな色になったので単純にゴールドで塗りました。

チャンバー・マフラーの製作

チャンバーのパーティングライン消し。マスキングテープを貼り込み、すき間に黒い接着剤を流し込んで消えてしまった溶接跡を復活させました。

各パーツの組み立て

フレームにエンジンをのせて、前後の足回りを組み込み。

マフラーを取り付け。マフラーはガイアノーツのプレミアムミラークロームで、チャンバー部はフラットブラックで塗装。

完成!( ̄∇ ̄)

ミラー、灯火類をつけたカウルをのせて完成!今回はデカールが新品だったおかげでずいぶんスムーズにすすみました。アンダーカウルの磁石接続は失敗しましたが、ストレート組みでも脱着可能にできました。

フジミ 1/20 ブラバムBT46B(1978年スエーデンGP)

変態F1マシンシリーズ第2弾は鬼才ゴードン・マーレー設計のブラバムBT46Bファンカーです。

実車について

77年シーズンにロータス78が活躍しウィングカーの有効性が認識されるようになると、他チームも研究開発に取り掛かり78年シーズンにはアロウズ、シャドウ、ウルフなども独自のウィングカーをデビューさせました。しかし、幅の広い水平対向12気筒エンジンを積んでいたフェラーリやブラバムは有効なダウンフォースを発生させるサイドポンツーンの設計が困難でした。

そこでマーレーが採用した手法が「ファンカー」です。これは機械的に作動するファンで車体下面の空気を強制的に吸い出すというシステムで、中低速でも適切なダウンフォースを発生させることができるという点でウイングカーより優れていました。

BT46BはスエーデンGPでニキ・ラウダのドライビングによってデビューウィンを果たしましたが、「ファンがホコリや小石を巻き上げて後続車が危険である」という理由で使用禁止となり、出走はスエーデンGP一戦のみの幻のマシンとなってしまいました。

ラジエーター冷却用(嘘)の巨大なファン

カウルは脱着可能

動画

製作記録

キットレビュー

パーツ数は約160点。かつて1/20のF1模型はほぼタミヤの独壇場でしたが、2010年ごろになってなぜかフジミ、ハセガワ、エブロなどから次々と70年代F1マシンのニューキットが発売されました。フジミからもブラバムBT46、77年仕様のタイレルP34と私好みのマシンが発売され、いつか作ってみたいと思っていました。ところが、タミヤのBT46よりグッと新しい設計でありながら想像以上の難キットでした。

キットの問題点・・・(´・ω・`)

①青塗装はデカールで再現されるが、これが恐ろしく固くて全くなじまず割れやすい。

②パーツ数が多いわりに精密感に欠け、接着面がせまくて強度的に不安なところが多い。

③パーツ間のクリアランスがキツキツで調整が必要な部分が多い。

④組み立てが意味のないパズル構造になっていて、メンドくさい。

⑤エキパイや冷却パイプの取り回し方が説明書の絵ではよくわからない。

⑥Fパーツはメッキである意味がなく、しかもそのメッキが落としにくい。

⑦ボディがヘンな白黒ツートンカラーで成型されているが、意味がわからない。

タミヤレベルのクオリティを期待するのは欲張りすぎなのでしょうが、ユーザー目線に立って製品開発をすれば容易に解決できる問題点もあるのであえて辛口でレビューをしました。質の良いデカールに変えたり、金型を修正したりするのは予算的に難しいかもしれませんが、⑤⑥⑦はさほどお金がかかることではないと思うので再販時には是非修正してもらいたいものです。しいて美点をあげるとすれば、外観は良くまとまっていてカッチョいいことと、何よりもBT46Bをキット化してくれたことでしょうか?

パーツ一覧

キット名には「#1ニキ・ラウダ」とあり、「#2ジョン・ワトソン」は別キットとして発売されていますが、ゼッケン2のデカールも付属しており、ワトソン仕様も作れるようです。悪名高い「箱替え商法」というヤツでしょうか?

タイヤ

タイヤはタミヤのものに比べて肉厚のゴムで成形されてがっちりしています。「GOOD YEAR」のロゴは通常の水転写デカールとは違ったものが付属。

デカール

このキットのデカールは硬くてなじませるのが大変だとずいぶん評判が悪いですが、はたしてどうでしょうか?・・・。

メッキパーツ

ホイールとエンジンまわりは全てメッキ。ホイールはともかくエンジン本体以外は金色や黒鉄色で塗装するので、ほとんど意味がありません。接着もめんどうなので、銀の成型色のほうがいいと思うのですが・・・。

主要パーツの仮組み

あっと驚き!パンダカラーの成形色。赤一色か白一色にすればいいものを・・・いったい何を考えてこんな色分けにしたのか?大昔のマッチボックスのキットを思い出してしまいました・・・(−_−;)。

P34との比較

この前完成したタイレルP34と比較。六輪車ですがP34が意外とコンパクトで、BT46がかなり大きいことがわかります。手持ちがないので、比較できませんが、マクラーレンM23もけっこう大きく、ウルフWR1はかなりコンパクトだったと記憶しています。

リアウイングの翼端版

「ボディーに干渉する場合は少し削ってください」って・・・。昭和のプラモデルやガレージキットじゃあるまいし・・・。そんなに精度が低いのでしょうか?

フロント周りの組み立て

①シャーシにロワーアームを差し込む→②フロントバクルヘッドを接着→③上部カバーとアッパーアームをシャーシに接着→④フロントノーズを接着、と決まった順を守らなければ組み立てられません・・・(−_−;)。こんなパズルみたいな設計になんのメリットがあるのでしょうか?

フロントバルクヘッド

フロントバルクヘッドにはディティールが施されていますが、フロントノーズを接着すれば全く見えなくなります・・・(−_−;)。マニアが改造することを考慮したのかもしれませんが、それより一般的なユーザーを優先してもらいたいものです。

エンジン・ミッション・足回りの製作

エンジンとミッションの組み立て

メッキ落としをしてエンジンとミッションの主要部分を作製。通常ならボディから手をつけるのですが、ラジエーター、エキパイ、サイドパネル、ファンと干渉する部分が多く、しっかり仮組みをしないと不安なので、まず、芯となるエンジンを完成させました。

エキパイの仮組み①

説明書のイラストではエキゾーストパイプの取り回しがよくわからないので、何度も仮組みをした結果、写真のように内側はロワーアームの下、後部フレームの中に、外側は上に通しました。

エキパイの仮組み

後部カウルをつけるとこのようになります。外側のエキパイは実車通り貫通式になっていますが、内側はエンド部分をカウルに接着する仕様になっています。

ファンの仮組

エンジン後部には車のものとは思えないような巨大なファンがつきます。ミッションから動力を得て機械的に作動することがよくわかります。

シャーシ・ボディの製作

ボディ小物パーツの作成

ボディの小物パーツは強度的に不安なので0.5mm真鍮線で作り直し。ボディに穴を開けて差し込めるようにしました。左上からバックミラー、ピトー菅、エアスクープ、キルスイッチです。

リアウイングの翼端版

矢印の部分が干渉するのですが、削りすぎてスキマができてしまいました。メーカーに問い合わせたところ、不良品扱いとして、新しいパーツを無償で送ってくれました。

塗装

下地塗装

フィニッシャーズのファンデーショングレーで下地塗装。ずっとパンダカラーだったのでやっと気分が落ち着きました。

本塗装

ガイアノーツのピンクサフにレッドを重ね吹き。写真ではマルボロレッドのように明るく見えますが、クレオスのレッド(3)を普通にベタ塗りしました。

デカールはり①

デカールは恐ろしく硬くてマークソフターがまったく役に立たないため、蒸しタオルを使ってなじませました。デカールはりだけで4日もかかってしまいました。この写真ではキレイに見えますが・・・。

デカールはり②

近くで見るとこの通り。特にオイルクーラーフィンのあたりがうまくなじまず割れやスキマができてしまいました。補修用デカールは使用せず。乾燥したら塗装でタッチアップする予定です。

デカールのタッチアップ

デカールの割れやスキマを筆塗りでタッチアップ。クレオスのブルー+レッドは少し濁った色になるので、フィニッシャーズのピュアブルーにガイアのマゼンタを極少量加えました。この後、クリアーがけ→ヤスリで研ぎ出しを何回か繰り返しました。

最終組み立て

フロントサスの組み立て

フロントまわりはなぜかパズルのように決まった手順でしか組み立てられないように設計されており、うっかりシャーシの底板を先に接着したために、組み立てるのにかなり苦労してしまいました。

エンジン・ミッションの搭載

シャーシとエンジンの接続にはネジなどが使用されていないのでしっかりと接着します。ラジエーターホースはゴムパイプではなく通常のプラパーツで再現。例によって説明書では取り回しがよくわからなくて少し苦労しました。

リヤウイング完成

サイドパネルとリヤウイングを接着。例によって接着面が小さいので、たっぷりと接着剤をつけてしっかりと乾燥させます。

ボディの研ぎ出し

クリアがけ→研ぎ出し→タッチアップ・・・を何度も繰り返してようやく見られるようになってきました。

タイヤの取り付け

ホイールにビスを通してアップライトに内蔵されたポリキャップに接続する方式。ビスがかなり太すぎるので削ってやる必要があります。また、説明書ではフロント側にポリキャップを二つ入れる指定になっていますが、一つで十分です。

タイヤのレタリング

またしても問題発生!キット付属のタイヤデカールはガチガチに硬くてまったく使い物になりませんでした。ボディでこりたので、デカールはスッパリあきらめてフィニッシャーズのタイヤテンプレートを使用して塗装で処理しました。

サイドスカート

細かく別パーツ化されたサイドスカートを塗装して、シャーシ下面に接着。

ウワサどおり非常に手強いキットでした。いまいち塗装がピシッとキマリませんでしたが、今回はこれで完成とします。いつかドライバーフィギュアが手に入ったらニキラウダをのせるつもりなのでシートベルトはつけませんでした。そもそもシートベルトが付属していないという・・・。

将来リベンジをする時のための覚書

①デカールは文字やストライプのみを使用して、青部分は塗装したほうが早くてきれいに仕上がる。

②ボディのあちこちにあるリベットのモールドは全て削り落として、目立つものだけをエッチングパーツや虫ピンで再現する。