No.81 Otto Mobile 1/18 アウディRS2アバント

2024年11月完成

今回もミニカーのリペイントです。かえる工房はアウディというとクワトロくらいしか知らないのですが、RS2はポルシェがカスタマイズしたスペシャルモデルで、2.2 L 直5DOHCターボエンジは315馬力を叩き出し、最高速262km/hとなかなかスポーティなモデルのようです(Wikipedia情報)。直4や直6ではなく直列5気筒エンジンというところがいかにもアウディらしいです。

 

製作記録

「Otto Mobile」はフランスのミニカーブランドでマイナーなアイテムを数多く発売しています。そのためボディは亜鉛合金ではなく、レジンを使用していてミニカーというよりガレージキットの完成品という感じです。

ボディの分解と塗装剥離

主要パーツ分解

ドアの開閉もなく1/43並みの極めてシンプルなパーツ構成ですが、ほとんどのパーツが接着されていたため、ここまで分解するのに2週間もかかってしまいました。

シャーシ内部

タイヤハウスなどは全てボディ側に一体成形されています。ボディの前後はほとんどムクのカタマリなので、レジン製でありながらずっしりとした重量感があります。

ウィンドウの分解

リアウィンドウ以外は全て透明プラ板を切り抜いたものです。こんなところも以前製作した「PZY MODEL」のレジンキットとよく似ています。

ルーフキャリアの補修

もともと折れていたのか、成形不良だったのか、左のルーフキャリアがポロリと折れてしまったので、0.3mm真鍮線で軸打ちをして再接着。

ルーフアンテナの新造

樹脂製のルーフアンテナも折れそうになっていたので、0.3mm洋白線と0.9mmビニールパイプで新造しました。

ボディのリペイント

下地処理

ピラー部やライトレンズはオリジナル塗装を生かすのでマスキングします。剥離剤は使えないので塗装剥離をしないでペイントしますが、塗料がしっかり食いつくようにヤスリで表面を荒らして足付けをします。

下地塗装①

足つけをしたボディ表面にプライマーサーフェイサーで下地塗装。しっかり乾燥させてから、マスキングテープをはったりはがしたりしてしっかり定着しているか確認します。

下地塗装②

シルバーの発色を良くするためにブラックで下地塗装。この段階で細かいキズや凸凹などをチェックしできるだけ表面を滑らかにしておきます。

本塗装

ガイアカラーのEXシルバーで本塗装。塗装面のザラつきやホコリを噛んだ部分を修正して塗装完了。なかなかの輝きです。

デカール製作

リアのアウディマークはリサイクルできそうですが、左のRSエンブレムはボロボロになってしまったので、デカールを自作します。

研ぎ出し

フィニッシャーズのウレタンクリアーGP1でクリアーコート。十分乾燥したので、表面の研ぎ出しを始めます。

最終組み立て

エクステリア接着

研ぎ出し、コンパウンド研磨が終わったので、ウィンドウ、灯火類、グリルなどを接着。

インテリア接着

ルームミラー、ドア内張、バッシュボード、コクピットを接着。

No.83 ミニチャンプス 1/18 マクラーレンM23(1977年イギリスGP)

2024年11月製作開始

次のご依頼品はマクラーレンM23。チャンピオンのエマーソン・フィッティパルディやジェームス・ハントではなく、ジル・ヴィルヌーヴ車とマニアックなご依頼です。ヴィルヌーヴは1977年のイギリスGPにマクラーレンのサードドライバーとしてF1にデビューし、フェラーリ以外でドライブした唯一のF1マシンです。

M23は2度もチャンピオンを獲得し、映画の『ラッシュ/プライドと友情』ではフェラーリ312Tと並んで主役となったマシンですが、サイドラジエーター、ウェッジシェイブボディ、コスワースDFV搭載と70年代キットカーの典型で技術的な特徴がないせいか、ネットで検索してもプラモデルやミニカーの情報しかないのに驚いてしまいました。😵😵😵

ご依頼品は中古品ながら比較的程度はいいのですが、ドライバーフュギュアを外してボディをクリアーコートして欲しいというご依頼です。かえる工房はレーシングマシンはドライバーとワンセットで捉えているので、ヴィルヌーヴがなくなってしまうのは寂しいのですが、ドライバーを乗せないのが最近の流行のようです・・・😢😢😢

製作記録

分解

パーツ一覧

センターカウルとインダクションポッドは脱着可能・・・というか載せてあるだけです。

シャーシ裏

シャーシはビスで固定されていますが、よく見るとダボの合わない部分を無理に押し込んでいてシャーシが歪んでいます。・・・まあ、「made in china」ですから・・・。

シャーシ分解

部分的に接着されていましたが、ビスを外すとシャーシとフロント足回りはわりと簡単に分解できました。

ボディ分解

本当はエンジンユニットも分解したほうがいいのですが、固定用のネジがエンジン内部に隠されているようで、これ以上イジると破損しそうなのでマスキング塗装で対応することにします。

コクピット分解

ボディからコクピットを外してドライバーフィギュアを分解。ドライバーのお尻の下に固定用の大きなダボがあります。

改造

タミヤ1/20キット

M23のコクピットの資料がないので、タミヤのキットを参考に改造をします。

シート&消化器

シートの足りない部分をプラ板で作製。プラパイプを半分にカットしたもので消火器を作りました。

パテ盛り

プラ板で作った芯にポリパテを持ってシートの形状に削ります。

塗装

シートと消化器を塗装してコクピットに仮組み。まあまあ雰囲気が再現できたでしょうか?

シートベルト

金具はホビーデザイン1/18シートベルトセットを使用。ベルトは鉛板を切って製作します。

シートベルト

エッチングパーツの金具とシートベルト用の紙が付属。残念ながらデカールは付属しません。M23のシートベルトは青なので鉛板で製作する予定です。

説明書のミス

組み立て説明書のミスを発見。6点式シートベルトなのに金具が5つしかありません。かなり悩みましたが、どうも赤丸の二股パーツを使うようです。

組み立て完了

0.25mmの鉛板を2.8mm幅にカットして、エッチングの金具を通して組み立て。鉛板を正確に2.8mmにカットするのが難しく、けっこう時間がかかりました。

リペイント

マスキング

どうしてもエンジンパーツが分解できなかったので、マスキングをしてクリアーコートをします。

クリアーコート

フィニッシャーズのオートクリアーでクリアコート。思ったよりデカールがやわくて下手に厚塗りをすると溶けてしまうので、慎重に何度も薄塗りを重ねました。

No.82 アシェット 1/43 マツダ ルーチェ GS2

2024年12月完成

次のミニカーリペイントは二代目ルーチェの2ドアハードトップGS2。今回はリペイントだけでなく前後スポイラーの追加など、依頼者様のかつての愛車仕様にしたいとのご依頼です。アシェットの1/43ミニカーですが、依頼者様の手でチンスポイラーとハの字シャコタンに改造されています。

 

 

製作記録

「ルーチェ」は大型車というイメージがあったのですが、どうも記憶違いのようです。下の写真はベネトンB186との比較。最初はメーカーのミスかと思ってホイールベースを測ってみましたが、やはり1/43で間違いないようです。トヨタ2000GTなんかもそうですが、昔の日本車はけっこうコンパクトだったようです。

ボディの分解と塗装剥離

分解①

シャーシ裏のビスを外してボディとシャーシを分解。フロントのチンスポイラーは接着されていましたが、どうせ使わないのでナイフでカットしました。

分解②

ボディを熱湯につけて接着剤を柔らかくして分解しますが、樹脂パーツが変形しないようにこまめに引き上げて状態を確認する必要があります。

分解③

ボディパーツの分解完了。ダメージはほとんど出ませんでした。以前はエナメル溶剤などで接着剤を溶かしていましたが、温熱法のほうがスムーズでパーツを傷つけずに分解できます。

塗装剥離①

いつものようにナトコスケルトンで塗装剥離。溶剤を塗るとみるみるうちに塗料が浮いてきました。

スポイラー追加

プラ板などを芯にしてパテで前後のスポイラーを製作。このままでは田舎の暴走族みたいなので、少しずつ削って形状を修正していきます。

スポイラーの形状修正

「暴走族ではなく走り屋風に」とのご依頼でしたので、全体的に形状をひかえ目に修正。ルーチェの資料があまりないのでRX-3のカスタム車などを参考にしました。

バックミラー改造

アオシマの1/43スカイラインのミラーを流用してドアミラーを取り付け。ステーが太くてボッテリとしているので、0.5mm真鍮線に交換しました。フェンダーミラーを外した穴はパテ埋めをします。

マフラー改造

「50πくらいのシングルマフラー」とのご希望だったので、オリジナルのマフラーをカットして真鍮パイプに交換しました。

ボディのリペイント

塗装色

シルバーの下地にクレオスのGX101クリアブラック+GX108クリアバイオレット(少量)で塗装。よく見るとブルーが入ったメタリックブラックとのご注文で何度かお客様と相談した結果この色に決めました。

内部塗装

フィニッシャーズのマルチプライマーを吹いて、フロントグリルと内装部をフラットブラックで塗装。

下地塗装①

フラットブラックで塗装した部分をマスキングして、あらためてボディ全体をマルチプライマーで下地塗装。

下地塗装②

メタリックカラーで塗装するためます下地をブラックで塗装。

下地塗装③

さらに下地をシルバーで下地塗装。

本塗装

シルバーの下地の上からクレオスのGX101クリアブラック+GX108クリアバイオレット(少量)で塗装。下地塗装②と変わりないように見えますが、明るい場所で反射させると微妙にメタリックブルーが入っているのが分かります。

デカール作成

塗装剥離の際に溶けてしまったエンブレムやサイドマーカーのデカールを自作。

クリアーコート

フィニッシャーズのウレタンクリアーGP1でクリアーコート。約24時間で完全硬化したら、次はいよいよ研ぎ出しを始めます。

研ぎ出し

クリアー表面を2000番〜6000番のヤスリで研ぎ出して、コンパウンドで磨き込み。フェンダーミラーを外した穴の跡がうまく消えなくて苦労しました。

ボディパーツ接着

ウインドウ、前後グリルなどを接着。塗料の厚みで合わなくなった部分を削って調整しました。

最終組み立て

完成

ボディをシャーシに取り付け、ワイパー、ミラーなどを接着して完成です。

No.80 アオシマ 1/150 粉粒体運搬トレーラー(太平洋セメント)

2024年10月完成

この仕事を始めてから、それまであまり興味のなかったアイテムの製作をすることが増えました。今回のご依頼は粉粒体運搬車(ふんりゅうたいうんぱんしゃ)!(@_@)!!要するにセメントなどを運搬するトラックのことです。これを「太平洋セメント」専用車にリペイントしました。

製作記録

ご依頼品はアオシマ製の1/150 リアルディティール トレーラートラックシリーズのもので、ミニカーといってもほとんどのパーツはプラスチックと軟質樹脂製です。

ボディの分解と塗装剥離

パーツ一覧

食玩のような簡素な箱に本体と軟質樹脂製のバックミラー+サイドガードのパーツが付属します。

トラクター部分解

ネジ止めはなしですが、接着部はごく部分的だったので、割と簡単に分解できました。

トレーラー部分解

ネジを外せばシャーシは簡単に分解できましたが、細かいパイプ類は無理にイジると折れそうなので、分解は最小限にとどめました。

タンクパーツ接着

タンク部分は上下2パーツ構成ですがかなり段差やスキマがあるので、きちんと接着して接着線を消しました。

リペイント

デカール作成

ネットで拾った画像を加工して版下にします。とりあえず普通紙に印刷してバランスをチェックしてからデカールを作成します。

塗装剥離

プラスチック製なので、クレオスの薄め液とIPAを使って塗装剥離。時間は少しかかりましたが、なんとか剥がれてくれました。

キャブ塗装

キャブは少しクリーム色がかった白なので、クレオスの316ホワイトFS17875で塗装しました。

タンク塗装

タンク部分は明るいグレーなので、クレオス315グレーFS16440で塗装。

デカールはり

A-oneの「自分で作るデカールシール」で作成したデカールを貼り付け。通常の水転写デカールに比べて位置調整が難しいのですが、なんとかうまく行きました。

最終組み立て

トラクター部完成

フロントグリル、灯火類など細部を塗装してから組み立て。

トレーラー部完成

全体にセミグロスクリアーを吹いてデカールを馴染ませてから、パーツを組み立て。

完成!

トラクター部とトレーラー部を連結させて完成。連結部は差し込むだけなので、角を曲がる状態も再現できます。

No.74 京商 1/43 レクサスRX500h

2024年8月完成

去年からミニカーリペイントのご依頼が急に増えてきましたが、今回はホワイトボディのレクサスを「ソニックカッパー」にリペイントします。

 

製作記録

ボディの分解と塗装剥離

分解①

シャーシ裏のネジを外してボディ、コクピット、シャーシを分解。後部のネジはマフラーの下に隠されていたので、マフラーも外しました。

分解②

カシメ部を削り落としてから熱湯につけて接着部を分解。いろいろな方法を試しましたが、結局、温熱法が一番効果的です。ただし、熱しすぎて樹脂パーツが歪まないように注意が必要です。

分解③

ボディ分解完了。樹脂製パーツは塗装剥離剤で溶けてしまうので、外し忘れがないかしっかりチェックします。

ナトコスケルトン

いつものようにナトコスケルトンで塗装はがし・・・。と思いましたが、缶がベコベコに・・・(°_°)。踏んだり落としたりした覚えはないのですが・・・。

塗装剥離①

溶剤には問題なかったようで塗装剥離はできましたが、缶が凹んだ理由が気になる・・・。メーカーに問い合わせましたが、1週間経っても返事なし・・・( ´△`)

塗装剥離②

オリジナルの塗料を完全に剥離できました。前後のフェンダーはプラ製なので、IPAにつけ置きして塗装を剥がします。

ボディのリペイント

内部塗装

マルチプライマーを吹いて下地処理。内装部をセミグロスブラックで塗装してからマスキングをします。

下地塗装

本塗装の前にファンデーションホワイトで下地塗装。

本塗装

ガイアノーツの「133パールカッパー」で塗装。実車はもう少し赤っぽい色ですが、既製品塗料ではこれが一番近いようです。

クリアコート

クリアコートをしてからヤスリで研ぎ出し、コンパウンドで磨いてツヤをだします。ちょうど梅雨の季節に重なったため塗装→乾燥にずいぶん時間がかかってしまいました。

最終組み立て

ウィンドウ、ミラー、灯火類を再接着して、シャーシを組み込み。

ミニカーリペイント

※金属製ミニカーが対象です。ボディがプラスチックやレジン製の場合はご相談ください。

基本メニュー

①おまかせコース
明らかなミスやごく簡単な修正は無料で承りますが、微妙な形状や色合いについてはこちらにお任せいただきますので、事前にできるだけ正確な指示をお願いします。
作業開始後の依頼内容変更は追加料金が発生します。

②こだわりコース
作業内容はおまかせコースと同じですが、工程ごとにチェックしていただき、微妙な形状や色合いなどをお客様が納得いくまで修正します。費用も手間もかなりかかりますが、理想通りの完成品を手に入れたいお客様にオススメします。

①パーツ分解

カシメ部を削り、接着部を溶剤や熱湯で溶かしてパーツを完全に分解します。

②破損部の補修

パーツがガッチリ接着されていて分解時に破損してしまった場合はできるだけ目立たないように修復します。写真の作例では二つに裂けた天井の内張りを繋ぎ直しました。

③塗装剥離

オリジナル塗装に重ね塗りするとシャープさが失われるので、剥離剤を使って塗装を全剥離します。(プラスチックやレジン製ミニカーではボディも溶けてしまうので不可能です)

④塗装剥離

オリジナルの塗装をキレイに剥がします。

⑤下地処理

模型用塗料は金属面には定着しにくいので、メタルプライマーやプライマーサーフェイサーで下地処理をします。

⑥下地塗装

リペイントの赤の発色を良くするためにピンクサーフェイサーで下地塗装をします。

⑦塗装テスト

本塗装の前に塗装テストを行います。塗装テストは3種類まで行いますが、それ以上のテストが必要な場合や調色が必要な場合は「こだわりコース」で注文をお願いします。

⑧本塗装

作例では5種類の塗料をテストした結果、フィニッシャーズの「シルクレッド」を使用しました。

内装のリペイント

①パーツ分解

ボディと同じようにパーツを分解します。

②再塗装

内装をブラックで再塗装。フロアのチェック模様はシールを自作して再現しました。

オプションメニュー

①クリアーフィニッシュ1

ラッカー系のクリア塗料でボディをクリアコートして塗装面やデカールを保護します。さらにクリアー面をコンパウンドやワックスで磨き込んで光沢をだします。

②クリアーフィニッシュ2

作業内容はクリアーフィニッシュ1と同じですが、ウレタン系クリア塗料を使用します。ウレタン塗料は値段が高く扱いも難しいので料金は高めになりますが、塗膜が頑丈で硬質感のあるカチッとした仕上がりになります。

 

No.72 Cararama 1/24 BMW Z4 クーペ(改造リペイント)

2024年6月完成

次の依頼品はBMW Z4の改造リペイント 。BMWといえば箱型セダンのイメージがありますが、Z4はジャガーEタイプのようなロングノーズ、ショートデッキで一目でスポーツカーと分かるスマートなスタイリングをしています。

製作記録

「Cararama」というのは香港のミニカーメーカー「HONGWELL」のブランドのようです。ドアやボンネットは全て開閉可能。細部の作り込みが甘く塗装が波打っているなど、エブロや京商などのミニカーと比べると明らかにクオリティが低く大味な作りですが、全体のフォルムはなかなかカッチョいいです。

ボディの分解と塗装剥離

ボディ分解

ドアとエンジンフードのヒンジはネジ止め。それ以外のパーツははめ込みかカシメで固定されていて接着剤はほとんど使われていません。ヒンジにバネが入っていないため勝手にパタパタ開いたりします。

リヤハッチ

リヤハッチのヒンジはハメ殺しになっていて分解不可能。ヒンジをカットして固定式にした方がキレイに塗装できるのですが、依頼者様のご希望で可動を生かすことにしました。

シャーシ分解

背もたれは外せましたが、シートはフロアと一体成形。成形色の黒一色で塗装はほとんどされていません。

コクピット

お客様のご希望は左ハンドルから右ハンドルに改造するというものですが、パーツ数が少なくシンプルな構成なのでなんとかなりそうです。

コクピット改造

ダッシュボード①

写真の四角の部分を切り取って右に移植します。ダッシュボードにきついテーパーがついているところはパテで修正する予定です。

ダッシュボード②

メータ部を右側に移植。左右でテーパーのつきかたが逆なので、ポリパテを盛って形状を修正します。

ペダル類

フロアーからペダルを切り取ってこれも右側に移植。

ステアリング部

ステアリングシャフトの受けとステアリングと連動するタイロッドの部分をプラ板で新造しました。

動作チェック

仮組みをしてスムーズに動くか確認。写真では分かりにくいですが、前輪を左右に切るとステアリングホイールが連動して回ります。

ボディのリペイント

塗装剥離①

ボディを金属パーツだけに分解して「ナトコ スケルトンM-201」をハケで塗り付け。数分で塗料がモコモコと浮いてきます。

塗装剥離②

オリジナルの塗料を完全に剥離。この後、塗料がしっかりくいつくようにメタルプライマーを吹いて下地処理をします。

本塗装①

ボディ塗装はタミヤのLP-70アルミシルバーを使用。複数の塗料見本から依頼者様に選んでもらいました。

本塗装②

写真を撮り忘れましたが、下地にブラックを吹いてから、アルミシルバーで塗装しました。

タッチアップ

表面の荒れやパーティングラインなど気になる部分をタッチアップ。普通のミニカーならしっかり表面処理がしてあるのですが、この製品は手を抜いて塗料の厚塗りで誤魔化していたようです。

塗装完了

クリアーコート乾燥後に研ぎ出し、コンパウンドで磨いてボディ塗装は完了!

エンブレム①

BMWエンブレムはMSNのメタルロゴエンブレムステッカーを使用します。

エンブレム②

BMWマークは水転写式、「Z4」マークは圧着式と方式は違いますが、どちらも立体感があっていい雰囲気です。

内装のリペイント

塗装①

内装はダークグレーとレッドのツートンカラーにリペイント。とりあえず基塗装としてクレオス(40)ジャーマングレーで塗装してマスキングしました。

塗装②

シート表面、ドア内張などをタミヤのTS85ブライトマイカレッドで塗装。暗めの赤なのであえてジャーマングレーの下地に直接塗装しました。

メーターデカール

オリジナルのメーターは丸モールドが彫ってあるだけなので、ハセガワのBMW 2002ターボからスピードメーターとタコメーターのデカールを流用します。

コクピット完成

シルバー部分は少し金が入っているように見えたのタミヤのチタンシルバーで塗装しました。

最終組み立て

パーツすり合わせ

全パーツを組み込み、ドアやボンネットがスムーズに動くか確認。可動部にスプリングが入っていないので取り付け部のネジの締め込みで調整します。

No.73 オートアート 1/18 日産 スカイラインGT-R(KPGC10)

2024年8月完成

次の依頼品は初代GT-R(KPGC10)、いわゆる「ハコスカ」のミニカーリペイントです。オートアートの1/18レーシングタイプをベースに走り屋仕様に改造されたものをブラックからメタリックグレーにリペイントしました。

ドア、ボンネット、トランクは全て開閉可能。

製作記録

1/18スケールとあって、ドアやボンネットは全て開閉可能。フロントには精密に再現されたS20型エンジンが搭載されています。ここにL型エンジンが乗っていれば漫画『シャコタン☆ブギ』のハコスカのような一昔前の走り屋仕様になるなのですが・・・。

ボディの分解と塗装剥離

改造部①

依頼者様の手でハの字シャコタン+オーバーフェンダーに改造されています。

改造部②

ベタベタのシャコタンに改造されていて地面に擦ってしまうのでエキパイがはずされています。

分解①

シャーシ裏にある小ネジを外してシャーシとコクピットを分解。ここまでは実に簡単だったのですが・・・。

分解②

エンジン、内装などの分解完了。ミニカーはネジやカシメでパーツが固定されているものが多いのですが、これはほとんどが接着で、傷つけずに分解するのになかなか手間がかかりました。

分解③

ボディ側のパーツも分解完了。ミニカーというよりプラモデルに近い作りで、ヒンジ部には極小ビスが使われており、ほとんどのパーツは接着剤で固定されていました。

塗装剥離とパーツの補修

塗装剥離①

ナトコスケルトンを塗って塗装剥離。柔らかい塗料を使っているのか、あっという間に塗料がモコモコ浮いてきて、スクレーバーでかき取るとボロボロと剥がれてきました。

塗装剥離②

金属パーツの塗装剥離完了。前後スポイラーとオーバーフェンダーは樹脂製で塗装剥離ができないので、オリジナル塗装の上から重ね塗りをします。

仮組み

分解時に破損した部分を補修して仮組み。特に問題ないようです。

ナンバープレート

プラ板でベースを作ってナンバープレートを仮組み。リアは通常位置ですが、フロントは助手席ダッシュボードにつけます。

オーバーフェンダー

全体的な形状はいいのですが、表面がガタガタなので、ボディに再接着してから、パテを盛って表面を整えます。

ボディのリペイント

下地塗装

オーバーフェンダーの修正に時間をとられましたが、ようやく表面処理ができたので、マルチプライマーをふいてからブラックで下地塗装をしました。

本塗装

ボディ塗装にはフィニッシャーズの「ライトガンメタル」を使用。明るめのメタリックグレーで、フィニッシャーズのHPには「ハコスカにもピッタリ」とありました。

本塗装②

ブラックの下地の上からライトガンメタルで塗装。シルバーの粒子がかなり重く、よくかき混ぜないと色合いが変わるので注意が必要です。

クリアーコート

梅雨の時期にぶつかってしまって通常より塗装作業に時間がかかってしまいましたが、ようやくクリアーコートと研ぎ出しが完了しました。

ホイール&タイヤ

もともとキレイに塗装されていたのですが、分解や仮組みの過程で塗料が剥がれてボロボロになってきました。

塗装剥離

あまりにもハゲが酷いので、塗装剥離をして再塗装。タイヤも含めて柔らかい樹脂製ですが、プライマーを吹かずに模型用塗料で塗装したようで、薄め液に漬けると簡単に塗装が剥がれました。

再塗装

スポーク部は黒鉄色+焼鉄色、リムはスーパージュラルミン、タイヤ部分はフラットブラック+グレー(極少量)で塗装しました。

最終組み立て

コクピット、シャーシを組み込んでから、小物パーツを接着。フェンダーミラーやフロントスポイラーは金属線で軸撃ちをして補強しました。

No.66 T-Modell 1/43メルセデスベンツEクラスワゴン

2024年3月完成

なぜかミニカーリペイントのご依頼が続いていますが、今回はメタリックグレーのメルセデスベンツEクラスをホワイトに再塗装しました。

「T-Modell」というブランドは初めてですが、ケースの形からするともしかしたらエブロのOEM品なのかもしれません。

製作記録

分解

分解①

シャーシ裏のネジを外せばシャーシとコクピットが分解可能。ボディはダイキャスト製ですが、前後フェンダーのみプラスチック製になっています。

分解②

主なパーツは接着部を溶かして分解できましたが、ルーフキャリアとアンテナがどうしても外れないので熱湯につけて分解。

分解③

ボディパーツ分解完了。少し破損したパーツもありますが、目立たない部分なので、きちんと修復すれば問題なさそうです。

破損部の補修

二つにちぎれた天井内張りを丁寧に繋ぎ合わせ、キズをパテで埋めました。

塗装剥離

いつものように剥離剤を塗ってオリジナルの塗装を剥がします。

ナンバープレート

なぜかフロントフェンダーとリアハッチはプラスチック製の別パーツ。国内用のオリジナルナンバープレートに変更するため、0.5mmプラ板を切り出したプレートを接着。

リペイント

下地塗装

プライマーサーフェイサーを吹いて表面処理をしてから、ファンデーショングレーで下地塗装をしました。

本塗装

前後のプラスチックパーツを接着して、フィニッシャーズの「ファンデーションホワイト」で本塗装。

仕上げ

ボディ下部のシルバーラインはデカールで再現。クリアーコートをしてから研ぎ出し、コンパウンド研磨を行ってボディはほぼ完成。

内装

内装の分解

リペイントをするために内装を分解。細部塗装は不要のためシートはつけたままにします。

内装の塗装

内装をつや消しブラックでリペイント。

完成!

No.64 京商 1/18 フォルクスワーゲン ザ・ビートル

2024年3月完成

アウディA4の次は1/18ミニカーのリペイント。京商の「ザ・ビートル」を小改造して「2019年デザインマイスター」のプラチナムグレーメタリックに再塗装しました。

「お手軽フィニッシュ」でのご依頼で研ぎ出し仕上げを行なっていないため、「鏡面」とはいきませんがウレタンクリアーを使ったのでまあまあきれいなツヤが出ました。

ドア、ボンネットなどは開閉可能

製作記録

1/43のような極小パーツがないので破損や紛失の心配は少ないですが、パーツ数や可動部が多くて分解にかなり手間ががかかりそうです。

ボディの分解と塗装剥離

分解①

1/43ミニカーであればシャーシ裏に固定用ビスが剥き出しになっていて簡単に分解できるのですが、これはネジ穴が隠されています。とりあえずエキゾーストパイプを分解しましたが、ネジ穴は見当たりません。

分解②

リアフェンダーの部分だけがプラスチック製だったので、とりあえず取り外しましたが、やっぱり分解用のビスは見つからない・・・(´・_・`)

分解③

ようやく発見!タイヤハウスの中に小さなビスが一本ずつ隠されていました。しかし、このままではドライバーが入らないのでホイールを外す必要があります。

分解④

ホイールの外し方が分かりませんでしたが、タイヤを外すとなんとかドライバーが入りました。ビスを外すとシャーシとボディが分解できました。

分解⑤

リアウィンドウは両面テープで貼り付けられていただけなので、かんたんに外せました。今回リアスポイラーは使用しないのでこちらも分解します。

分解⑥

ここまで目立った破損なく分解できましたが。右のドアの内張はガチガチに接着剤がつけられていて、ヒビと小さな穴が空いてしまいました。それほど目立たない部分ですし、このくらいならなんとかリペアできるでしょう。

分解⑦

一番手こずったのがダッシュボード。左右のネジを外してカシメの部分も削ったのですが、さらに強力な接着剤でガッチリと固定されていました。

分解⑧

結局、中央の接着部をカットしてボンネットのヒンジ部分を取り外し。力がかかる部分なのでしっかり補修する必要があります。

分解完了

なんとかボディに接着された樹脂パーツを全部分解できました。

小パーツの保管

灯火類やビスなどの小パーツは紛失したり、組み立て方を間違えたりしないようにピルケースに入れて保管しておきます。

破損パーツの補修

ドア内張りの補修

ウィンドウとドア内張りは一体成形になっていて分解できないので、キズや汚れがつかないようにマスキング。裏側から瞬着パテで割れた部分を補修して、表から溶きパテを流し込んでキズを消します。

ルーフ内張の補修

やはり分解時に欠けてしまったルーフ内張の角の部分を瞬着パテとポリパテで補修。

ボンネットヒンジの補修①

分解時に失われたヒンジの中央部分をプラ板で自作。力のかかる部分なので接着部に瞬着パテをたっぷりと盛りつけて補強します。

ボンネットヒンジの補修②

ボンネットがスムーズに開閉するかチェック。特に問題はないようです。

リアフェンダーのダボ補修

リアフェンダーを外す時に折れた右側のダボを補修。力のかかる部分ではないのであまり問題ありませんが、瞬着パテでアルミ線を固定しました。

サンルーフの処理

サンルーフのモールドは不要なので、黒い接着剤で埋めてしまいます。

ボディのリペイント

塗装剥離①

前回からはがし剤を「ナトコ スケルトンM-201」に変更。取り扱いは要注意ですが、あっという間に塗装が浮いてきました。

塗装剥離②

はがし剤を2〜3回塗ると、古い塗装がスッキリキレイにはがれました。ホームセンターで買った水性剥離剤はもう使う気になりません。

下地処理

ボディパーツにプライマーサフを吹いて表面のキズをチェック。

タミヤTS40メタリックブラック

実車写真やタッチアップペンを参考に塗装テストを行った結果タミヤのメタリックブラックを選択。しかし、ビン入りが売り切れでスプレーしか売っていませんでした。(´・_・`)

ボディ塗装

スプレー塗料をビンに移してエアブラシで塗装。なかなかいい感じになりました。

ドア内張り

ドア内張りの周囲もボディ色で塗装。

部分塗装

ボディ色が黒っぽいので分かりにくいですが、エンジンルーム部分をセミグロスブラックで、ライト部をシルバーで塗装。

ウレタンクリアーGP1

クリアコートは通常フィニッシャーズのオートクリアーを使っていますが、今回は可動部のハゲが心配なので硬度の高いウレタンクリアーを使用します。

クリアコート

ボディパーツにクリアーコート完了。ウレタンクリアーが硬化したら表面のホコリをチェックします。

組み立て

1/43と比べるとパーツ数が多く可動部もありますが、せっかく再塗装したボディにキズをつけないように注意して組み立てます・・・。

最終組み立て

パーツや可動部が多いので思ったより組み立てに時間がかかってしまいましたが、ようやく完成!