No.84 メイデックモデル1/5000 ジュピトリス

2024年12月製作開始

次の依頼品は『機動戦士Zガンダム』に登場する資源採掘艦ジュピトリスです。

ジュピトリス本来の任務はヘリウム3採取で武装もほとんどありませんが、内部工場で生産されたメッサーラやジ・OなどのMSを搭載していてシロッコの移動基地としてグリプス戦役に参戦しました。

富野監督は『2001年宇宙の旅』の大ファンとして有名で、ジュピトリスはこの映画に登場する木星調査船「ディスカバリー号」がイメージソースではないかと思います。ファーストガンダムには未登場ですが、木星帰りのニュータイプ「シャリア・ブル」が乗っていたのもこの艦ではないかと勝手に想像しています。

全長2000mという巨大艦とあって、1/5000でありながら完成後の全長は50cm近くになります。メーカーのメイディックモデルはZガンダムを中心にアレンジが強めのMSや小林誠氏のメカなどのレジンキャストキットを発売しているようです。このキットはいつ頃発売されたものか不明ですが、クオリティは黎明期ガレージキットの水準でパーツの歪みや成形不良部分がかなりあります。

製作記録

キットレビュー

パーツ一覧

パーツ数は約100点。ハセガワのバイクキットなんかよりはグッと少ないですが、ガレージキットのお約束として成形不良や歪んだパーツなどがかなりあります。

組み立て説明書

組み立て説明書は不鮮明なコピー3枚とちっちゃい塗装見本写真が1枚付いているだけです。これをヒントにパズルのように組み立て方を推理しなければなりません。まあ、ガレージキットなので仕方ありませんが・・・😅😅😅

組み立て

説明書のミス

いきなり説明書のミスを発見。説明書の写真を信じるなら船体中央部は切り欠きが短いほうが前になりますが、それでは翼のパーツが合わなくなります。

船体部軸打ち

このように切り欠きが長いほうが前になるのが正解です。

船体部仮組み

1.5mm真鍮線を埋め込んで船体部を仮組み。説明書を信じて前後逆に組んでしまったため二度手間になってしまいました。(・ω・`)

気泡埋め

それほど古いキットではないようですが、薄い部分にはけっこうハデに気泡が入っています。

エンジンノズル

メカ部分には精密なモールドが入っていてこのキットの見せ場になっています。

居住区

居住区はアーム部分がモロくて破損しやすいので注意が必要です。表裏のアームが直角になっていませんが、各種資料で確かめたところこのくらいの角度で間違いないようです。

前部コンテナ部軸打ち

最初は真鍮線を貫通させて三つのコンテナを接続しようかと思いましたが、歪みが出そうだったので、左右の柱部分に1.5mm真鍮線を埋め込んで固定することにしました。

前部コンテナ部仮組み

前部コンテナ部仮組み完了。かなりパーツの歪みが目立ったので、熱湯につけて何度か修正しました。

船体下部の組み立て

船体下部の組み立ては詳しい説明もなく、設定資料を見てもはっきり分からないので、パーツ形状から推測して組み立てました。

仮組み完了

軸打ちは100ヶ所ほど。組み立て説明書が分かりにくくて何度もやり直しをしたため、仮組みだけで約1ヶ月かかりました。

モールド掘りなおし

モールドがくずれていたり消えたりしている部分が結構あるので、掘り直し。今回からファンテックのスジ彫りカーバイトを使用しました。値段が高いのが難点ですがなかなかいい感じです。

モールド追加

さすがにガレージキットらしくモールドを入れ忘れている部分がありました。あまり目立たない部分ですが、プラ板を張り込んでモールドを再現しました。

表面処理

捨てサフを吹いてヤスリで磨いてを繰り返し、だいたい表面が整ってきました。まだ細かいパーツが残っていますが、ヤスリがけに飽きてきたので、残りのパーツの表面処理は塗装と並行して行います。

塗装

船体塗装①

いろいろな塗料を試した結果、グレー部分はクレオスのRLM66ブラックグレーを使用することにしました。

船体塗装②

船体主要パーツの基本塗装完了。レジンの塊でパーツ単体でもかなり重いので、組み立ては最終段階で行います。

コンテナ部塗装

イエロー+黄燈色+ファンデーショングレー(極少量)で調色して、船体前部のコンテナ部を塗装。

ディスプレイベース

材料

ホビーベース「プレミアムパーツコレクション トラスセット」とタミヤの「ディスプレイベース ラージ300×160」を使用。トラスは大、中、小の3サイズが付属し、つないで長さを調節することができます。

組み立て①

ベースの3カ所に5mm径の穴を開けてトラスのベースパーツを接着。左と中央はトラス中サイズを、右はトラス小×2を使用します。

組み立て②

中央部のトラスは少し長いので10mmほどカットして再接着。補強のために1mm真鍮線を埋め込みました。

組み立て③

船体裏側にも5mm径の穴を開けてトラスのダボがはまるようにします。

補強

プラ製のトラスだけではレジンの塊を支えるには心ともないので、中心に2mm真鍮線を埋め込んで補強しました。

組み立て完了

ジュピトリスの船体を載せてみましたが、サイズ的にもピッタリで問題はなさそうです。

塗装

ベース部分はセミグロスブラックで、トラス部分は黒立ち上げ塗装のシルバーで塗装。ぐっと高級な感じになりましたが、写真で見ると無塗装との差がわからないのが悲しい・・・(・ω・`)

HGUC 52 1/144 MS-108試 (マラサイ試作型)

2021年8月完成

第24回オラザク参加用に製作。

一年戦争末期にジオン公国で開発された試作MS。ザクⅡ直系の後継機でありMS-06Rのデータを基に一般兵向け量産機として開発が進められていたが、戦局の悪化により肩の開発が間に合わず最終生産型ザクの部品を流用することでなんとか完成。後につけられる「マラサイ」という名称もまだ無く単に「108試」と呼ばれていた。ビームサーベルの運用も可能な設計であったが、ジェネレーターが安定せずヒートホークが装備されてごく少数がグラナダ守備隊に実戦投入された・・・らしい・・・という脳内設定です。(^O^)

月面をイメージした専用のディスプレイスタンドを製作。

ヒジと足のフレームにHGUC197ギャンのフレームを使用。つま先も可動式にしたためカタパルトデッキでの発進ポーズが取れるようになりました。

 

 

製作記録 HGUC 52 1/144 マラサイ その3

ディスプレイベースの作製

ディスプレイベースは八角形の木製プラークを使用。ステンレス線、プラ棒、ボールジョイントを組み合わせてアームを作成しました。フンドシ部に3mmの穴を開けてボールジョイントを差し込みます。

こういう感じになります。首と腰の可動範囲が広がったので、自然な飛行姿勢が取れます。

霧吹きで木製ベースの表面を湿らせ、乾燥させると毛羽立ちができるので、それを150番のヤスリで磨き、との粉で目止めします。

スプレーニスで着色。ニス塗装は一度に行わず、薄めに塗装→乾燥→ヤスリ磨きを3回ほど繰り返します。

今回は月面をイメージしたベースを作成します。とりあえずランナーの細切れを並べてクレーターの形を作ります。

百均で見つけた「木かるねんど」

今回初めて使ってみましたが、名前通り非常に軽くてベトつきがなくて作業がしやすかったです。乾燥時間が長いので、じっくりと時間をかけて造形をします。

スパチュラでくぼみやひび割れなど月面ぽいモールドを入れました。宇宙フェンの人にはツッコミを入れられそうなデキですが、あくまで「月面をイメージしたもの」ということでご容赦を・・・(^_^;)

これも百均で手に入れたセメント。これで木かるねんどを固めて表面をごつごつしたものにします。

かなり薄めたつもりでしたが、細かいモールドが埋まり乾燥時の収縮でベースがそりかえってしまいました。(>_<)セメントではなく粗めのサーフェイサーのほうが良かったかもしれません。

木工用ボンドで歪んだ月面を木製ベースに強引に接着し洗濯バサミで固定して2日ほど放置。なんとか固定できたようです。

ベースのフチをマスキングして、ガイアノーツのメカサフSUPER HEAVYで塗装。

エナメルのグレーとシルバーを適当に混ぜたものでドライブラシ。ツヤを整えるためつや消しクリアを吹いて塗装完了!

マスキングをはがして完成!なんとかきれいにまとまりました。

ネームプレートも作成しました。

 

製作記録 HGUC 52 1/144 マラサイ その2

近藤版マラサイに改造&ディティールアップ

ノーマルのマラサイは赤くてツノやらトゲトゲがあってこれはこれでカッチョいいのですが、今回は渋い量産機風に仕上げたいので、近藤和久氏の『SIDE STORY OF GUNDAM Z』に登場するエウーゴ用マラサイを参考に改造、ディティールアップをしました。

近藤版マラサイは旧キットでも一度作っており、その時はザクとハイザックのパーツを流用しましたが、HGUCザク2改のジャンク品が手に入り、試してみるとこれがなかなかカッチョいいので、今回はこちらを使用。マラサイに比べて肩パーツが小さいおかげで肩幅が広すぎる問題も解消しました。

肩関節のポリキャップがマラサイのものと微妙にサイズが違うので、ジャンクパーツの中から適当なものを選んで交換。左肩アーマーが小さくて貧弱に見えるので、プラ板をはさんで前後に2mmほどボリュームアップ。

近藤版マラサイへの改造完了!d( ̄  ̄)!

肩幅がせまく足が細長くなって、全体にスマートなプロポーションになりました。ここから表面処理とディティールアップをしていきます。

見えないところは作らない主義ですが、リヤアーマー裏は結構目立つので、ここだけ裏打ちをしました。リヤアーマーは可動しますが、あまり意味がないので、少し開いた角度で固定しました。

プラパイプを組み合わせたモノアイレールにディティールを入れ、モノアイにハイキューパーツのSPプレート(3.0mm)を使用。レンズ部にはハイキューパーツのVCドームも試しましたが、キラキラしてレンズに見えないため、WaveのHアイズ(2.8mm)を使用。顔の中央接着線に0.3mmプラ板をはさんで左右に幅増し。プラ板の箱組みで口(?)を新造。ヘルメット部は磁石接続で脱着可能になっています。

頭部、腰部、バックパックの動力パイプはアルミ線+スプリング+コトブキヤのモビルパイプを組み合わせて作り直し。

手甲パーツはやたら厚みがあってモールドももっさりしているので、薄く削ってモールドを作り直し。そのほかにヘルメットや腕アーマー、スネのフレアなどフチが厚ぼったいところは全て薄く削ってシャープにしました。

ビームライフルは動力パイプとセンサー部を切り取り、動力パイプはWaveのJチェーン、センサーはハイキューパーツのSPプレート(2.0mm)とWaveのHアイズに置き換えました。

ヒートホークもFZザク用のものを使用。ヒートホークとシールドに2mmのネオジム磁石を埋め込んで脱着可能にしました。

塗装

ディティールアップと表面処理が完了!いよいよ塗装に入ります。まずは全パーツをガイアノーツのメカサフSUPER HEAVYで塗装。関節部はこの色をそのまま生かし、装甲部は塗装の下地とします。

量産MSらしくハイザックやギラドーガに準じた緑系で塗装。薄い緑はクレオスの64ルマングリーン55カーキ54カーキグリーン。濃い緑は54カーキグリーンをそのまま使用。

薄い緑は下地がうっすら透ける程度にフチを残して吹き、濃い緑は基本色をベタ塗りした上で、黒を混ぜてシャドーを入れました。

手持ちのデカールで適当にマーキング。一年戦争末期にRザクのデータを基にザクの正統後継機として開発された108試作MSがごく少数グラナダ守備隊に実戦投入された・・・らしい・・・という脳内設定です(^_^;)

完成!(^∇^)

製作記録 HGUC 52 1/144 マラサイ その1

第24回オラザク参加用に製作開始。このキットを作るのは2回目で、旧キットを含めると3機目のマラサイになります。今回のテーマは1/100MGを参考にしつつ、ROBOT魂ver.A.N.I.M.Eのように設定画に準じたプロポーションと可動の両立です。Zガンダムの設定は完全無視で、ザクの正統後継機として一年戦争末期にジオンが開発した機体として仕上げる予定です。

キットレビュー

パチ組み状態と設定画を比較。組み立てやすさや可動性は旧キットと比べるとグッと進化していますが、初見で最もガッカリしたのはプロポーション!スネが太すぎるし胸が変に引っ込んでいる!HGUCシリーズにはなぜか上腕や太ももが細く、スネや足首が大きいと末端肥大症的なものが目立ちます。(ギラドーガとかゲルググとか・・・)以前はストレート組みで製作しましたが、今回はプロポーションと可動に徹底的にこだわってみたいと思います。

ヒザは二重関節で90°ほど曲がりますが、足首が動かないのであまり意味がありません。また、二重関節の上のほうがあまり動かないため、ヒザを曲げた状態がなんとなく不自然に見えます。

ヒジ関節は一軸ですが、可動範囲も十分で曲げた状態も自然です。

脚部の改造

サイズや形状がピッタリだったので、脚にHGUC197ギャンのフレームを組み込むことにしました。フレームが若干長いため太ももが2mmほど長くなりました。

太ももの下部は関節に干渉しないで独立可動するように、左右で1mm、前後に1.5mm延長。関節との接続には3mmのネオジム磁石を使用しました。

1mmプラ板の箱組みでヒザアーマーを新造し2mmアルミ線でヒザ関節に接続。スネに切り欠きを入れてアーマーがピッタリおさまるようにしました。ヒザを曲げるとヒザ関節がスカスカに見えるので、なにかディティールを入れたほうがよさそうです。

スネ内部のバーニアパーツの受けが足首に干渉するので、受けの部分を全てくりぬき。外側のバーニア基部は3mmプラ角棒に置き換え、内側はフレームから切り取ってスネの内側に直接固定しました。

スネは前面の接着線をクサビ状に削って強引に幅ヅメ。スネが下に向かってしぼられましたが、内部をくり抜いたおかげで足首の左右スウィングに影響はありません。せっかくヒザがよく曲がるようになったので、足首の前後可動も広げたいところです。

足首を前後に分割し、前のスリッパを分割線から3mmほどカットして小型化。後ろのスリッパにポリキャップを仕込んでつま先可動ができるように加工しました。

足首アーマーはコトブキヤのABSユニットWジョイントを使用。最初はスプリング接続で試作しましたが、こちらの方式に変更。やはりちゃんとヒンジがあってヒコヒコ動かせるほうが気持ちがいいですもんね。

脚部の改造完了!(`・∀・´)

かなり自然に深く足を曲げられるようになりました。足首を小型化したので、足首アーマーの可動はあまり意味がなくなりました。(T ^ T)

 腕部の改造

腕は無改造でも良かったのですが、せっかくギャンのキットをツブしてしまったので、ヒジ関節も移植することにしました。関節のモールドもノーマルよりカッチョいいかな?(^O^)

関節と下腕の接続は接着でもよかったのですが、メンテナンス性を考えて脱着式で作製。ヒジ関節に接続用のダボを新造し、下腕内部にポリキャップを仕込みました。

関節部が丸出しになるのはどうかと思いますが、180°近く曲がるようになりました。

手首関節の丸棒が目立つので、ポリキャップを一段深い位置に押し込んでスキ間をせまくしました。可動する時にはポリキャップを引き出して元に位置にもどすこともできます。

頭部・胴体の改造

プラ棒とプラパイプを組み合わせてモノアイレールを作製。ついでにヘルメットの取り付け位置を微妙に変えました。

首関節はしょぼいポリパーツで、しかもユルユルなので、市販のボールジョイントとバーニアパーツを組み合わせて首関節を新造。

このキットのもう一つの大問題。コクピットハッチが極端に引っ込んでいて胸元のラインが不自然!旧キットではこんなことなかったのにいつの間にか設定が変えられているのでしょうか?( ´△`)!

設定的に正しいかどうかはともかく好みではないので、ハッチの部分を切り取って前方に移動させました。

腹部をくり抜いてボールジョイントを埋め込み。上半身をしっかり支えられるように大型のものを使用し、プラ板でガイドレールを設けてスライド可動ができるようにしました。

こんな感じで可動します。

スナップキットは手軽で良いのですが、一度はめ込むと二度とはずせなくなったり、ダボが折れたりします。完成後のメンテナンスや拡張性を考えてバックパックは磁石接続にしました。

フロントアーマーを中央で切り離して左右が独立可動するように加工。中央に小さいポリキャップを仕込んでいるので、飛行ポーズの際にもだらしなくたれ下がったりすることがありません。

関節の移植とプロポーションの変更完了。特に足パーツはさんざん切った貼ったして結構大変でしたが、無改造と比べても違いがあまり分からない・・・(*´ω`*)

関節はやわらかプラで作られていて、試作時にあーでもないこーでもないといじり倒したためユルユルになってしまい、結局もう一体ギャンを購入。なんだかんだで結構費用がかかってしまいました。( ´△`)

次は、近藤和久版のマラサイへの改造を行います!