2022年3月完成
CB750Fの製作依頼が入りました。CB750Fはバイク漫画の名作『バリバリ伝説』の主役マシンとして有名で私にとっても憧れの的でした。昔、実車を試乗する機会がありましたが、当時最新のCB1000 SUPER FOURと乗り比べて恐ろしく扱いにくいことにショックを受けました。CB1000やGSX-R750などその時代の大型二輪はどれも曲がりたいと思った瞬間に曲がりたい方向に「スパッ」とリーンしてくれるのですが、それより前の時代のCB750FやGSX1100Sなどはリーンする直前に予備動作が必要で「ヨッコラセ」という感じでした。
4ストローク 空冷DOHC4バルブ 並列4気筒
最高出力 68馬力 乾燥重量 228 kg
1979年発売
CB750Fの時代以降は中排気量の軽量マシンがブームになり、VT250Fのフロント16インチタイヤやRZ350のモノサスと足回りの進化が進みコーナリング性能が上がっていったというわけです・・・とかなんとか言いましたが、実はその時代遅れのGSX1100Sを新車で購入し、四苦八苦しながらも20年近く愛車として乗り続けていたのですが・・・。
ご依頼はこの前製作したのと同じタミヤのCBですが、今回は1/6のビックスケールです。タミヤのビッグスケールは大昔に1/12のロータス72やマクラーレンM23を作って以来です。CB750Fもかなり古いキットですが、タミヤのキットは設計や製品管理がしっかりしているので、それほど問題はありませんでした。
製作記録
キットレビュー
外装パーツ
ライトユーザーが無塗装でも完成できるように、パーツごとに細かく色分けされ、シートは軟質プラで成型されシワの質感まで再現されています。1/12と違ってサイドカバーが別パーツ化され、フロントフェンダーは一体成形になっています。
フレーム、足まわりパーツ
基本的なパーツ構成は1/12とほぼ同じですが、より細かくパーツ割りされ主要パーツはビスで固定するようになっています。1/12では省略されていたバッテリーやイグニッションコイルなども再現されています。強度を確保するためかフレームは軟質のプラで成形されています。
メッキパーツ
キレイにメッキされていますが、マフラーやリヤサスは接着線が目立つのでメッキ落としをして塗装で処理をする予定です。
つや消しメッキパーツ
エンジンやキャブはつや消しメッキがかけられています。こちらはできるだけメッキの質感を生かしてクリアコートとウェザリングで仕上げるつもりです。
タイヤ、金属パーツなど
最近ではあまり見かけなくなったブリスターパックに封入されています。ビッグスケールシリーズらしくフロントフォークやサイドスタント、取り付けビスなどに金属パーツが使用されています。ウィンカーとテールライトはクリヤーカラーで成形されていて塗装不要です。
デカール
通常カラーの他にボルドールカラー用のものが付属。ナンバープレートは外国のものと「CB750F」が付属。個人的な好みとしては日本のナンバープレートを付けてもらいたかったのですが・・・・・・(´・ω・`)
組み立て説明書
なぜか日本語版と英語版の2種が付属。豊富な写真やイラストで組み立てについて解説されており、実車についての詳細な解説もあります。
主要パーツの仮組み①
とりあえず、フレームと外装パーツを仮組み。フレームが若干ゆがんでいたので、きちんと合うように修正が必要でした。
主要パーツの仮組み②
エンジンとキャブレターを仮組み。キレイにつや消しメッキがされていて、無塗装でただ組み立てただけですが十分見栄えします。
主要パーツの仮組み③
足回りを仮組み。プラパーツにビスをねじ込む箇所が多いので、ネジ山がナメないようにアタリをつけておきます。
外装パーツの製作
捨てサフ吹き
タンクの左右のパーツを接着し、補強のため「黒い接着剤」で接着線を裏打ち。240〜400番のヤスリでバリやパーティングラインを消してから捨てサフ吹き。
鍵穴モールドの加工
リヤカウルの鍵穴モールドは塗装のジャマになるので一旦削り落として、真鍮パイプとジャンクパーツで作った鍵穴のモールドを塗装後に接着することにしました。
表面処理完了
400〜600番のヤスリで磨いて表面処理完了。次はいよいよ塗装に入ります。
塗装①
シルバーの発色をよくするためにまず、下地に光沢ブラックを塗装。
塗装②
ブラックの下地を1000番のヤスリで軽く磨いてガイアカラーのexシルバーを塗装。
塗装③
シルバーの上からクリアレッドを吹いてキャンディレッドに塗装。三日ほど乾燥させて2000番のヤスリで表面を研ぎ出し、薄めたクリアレッドでタッチアップ。
塗装⑤
デカールを貼り付け。タンクのカドの部分にシワがでるので、マークソフターで馴染ませました。
塗装⑥
クリアーをかけて2000番で研ぎ出してを2回繰り返し。だいぶツヤが出てきました。d(^_^o)
シート
シートの裏側にプライマーサーフェイサーを試し吹き。一晩乾燥後に確認すると塗膜が浮いていてポロポロ剥がれてきました。イヤな予感がしたのですが、やはり軟質樹脂パーツは塗料がのらないようです。
フレームまわりの製作
フレームの製作①
240〜400番のヤスリでバリとりやパーティングライン消しをして捨てサフ吹き。
フレームの製作 ②
さらに600番のヤスリで表面を磨いて光沢ブラックで塗装。
フェンダー・エアクリーナーなど
フェンダー、エアクリーナーボックス、スイングアーム等も捨てサフを吹いて、表面を整えてセミグロスブラックで塗装。
バッテリーの製作
さすがビックスケールモデルだけあって、バッテリーケースは透明パーツで成形され、「YUASA」のデカールまでリアルに再現されています。残念ながら完成するとほとんど見えなくなりますが・・・。(・ω・`)
エンジンまわりの製作
エンジン完成
カムカバーの合いが若干ずれていたのですり合わせをして組み立て。メッキの上からセミグロスクリアーをかけ、ウェザリングカラーのマルチブラックで軽くスミ入れ。
キャブレター完成
こちらもメッキ部分にクリアー+スミ入れ。マニホールドはセミグロスブラックで、マニホールドバンドはガンメタルで塗装。
足まわりの製作
フロントサスペンション①
かなり複雑な構造で、内蔵されたスプリングで実車同様にサスを上下させることができます。インナーチューブにはきれいにメッキされた金属パーツが使用されています。
フロントサスペンション②
フロントフォークのボトムケース、ウィンカーステー、トップブリッジなどをセミグロスブラックで塗装。
フロントサスペンション③
ボトムケースにブレーキキャリバーを接着。デカールをはって完成!
リヤサスペンション①
メッキ落としをしてパーツを接着。こちらも実車同様スプリングで上下します。
リヤサスペンション②
接着線を消して、ブラックで下地塗装。上部はクレオスのメッキシルバーNEXTで、下部はSHOWUPのリアルクロームライトで塗装。なかなかいい輝きが出ましたが、シルバー塗装は塗膜が弱いので取り扱いは要注意です。
リヤサスペンション③
パーツを組み立てて、デカールを貼って完成!
ホイール①
70〜80年代にホンダが独自に開発したコムスターホイール。当時のカタログには「スポークホイールとキャストホイールの長所を兼ね備えて云々・・・」と書かれていましたが、構造が複雑で模型的にはちょっと塗装がめんどう・・・(*´ω`*)
ホイール②
最初、黒塗装ベースに銀部分を筆塗りしましたが、銀のラインがピシッと決まらないので、銀塗装ベースに黒部分筆塗りに切り替え。こちらの方がきれいにできました。ブレーキディスクもメッキ落としをして塗装。
ホイール③
各パーツを接着。セミグロスクリアーでツヤを整え、タイヤをはめて完成!
マフラーの製作
メッキ剥がし
マフラーなどのメッキパーツををキッチンハイターに浸けてメッキ落とし。メッキの下にクリアがかけられているのかこのままでは接着剤が効かないので、さらに薄め液に浸けおきしました。
捨てサフ吹き
240番のヤスリでパーティングライン消しを行い、捨てサフ吹き。メッキ塗装は下地で決まるので念入りに磨きます。
下地塗装
メッキ塗装の下地として光沢ブラックを塗装。メッキの輝きは下地に左右されるので、乾燥後にさらに研ぎ出しを行います。
エキパイの組み立て
接着剤で汚れるのを避けるためメッキ塗装をする前にエキゾーストパイプを組んでおきます。
メッキ塗装
下地のブラックを2000番ヤスリで磨き、SHOW UPのリアルクロームライトで塗装。
灯火類の製作
ヘッドライト、ウィンカー、テールライト完成。色付きのクリアーパーツが使用されていて塗装の必要はありません。
ハンドルまわり製作
インジケーターランプはデカールで再現。クリアーパーツをはめ込んでメーターのガラス部分を再現します。
フロントまわりの製作
ウィンカー、ヘッドライト、クラクションなどを組み込み、ブレーキホース、スピードメーターケーブルなどをパイピング。
各パーツの組み立て
エンジン搭載 ①
エンジンを積む時にはフレームの右側を外しして、まずクランクケースを載せます。
エンジン搭載 ②
次にエアクリーナーボックスをセットして、最後にシリンダーヘッドを載せます。
エンジン搭載 ③
エンジン搭載完了!このあたりの組み立て工程は実車とほぼ同じで「さすがタミヤはわかってるな〜!」と感心させられました。
足回りの組み込み
エンジン関係、前後の足回りを組み込み。だいぶ完成に近づいてきました。(^ω^)
ホイール装着
完成したホイールを組み込み。ようやく地上に立つことができました。
サイドスタンド
サイドスタンドはメタル製。サイドスタンドもセンタースタンドも実車同様にスプリングで可動します。
メーター、灯火類の装着
フレーム関係はほぼ完成。あとは外装パーツとマフラーの仕上げを残すだけとなりました。
マフラーの装着
せっかく塗装したメッキ面を汚さないように慎重に接着。
完成!!!d( ̄  ̄)
外装パーツの塗装面を2000〜4000番のヤスリで研ぎ出し、コンパウンド(粗目→細目→仕上げ目)で磨いて、モデリングワックスで仕上げました。
1/12キットなら約1ヶ月で完成しますが、コレは無改造で2ヶ月少しかかりました。1/6のバイクキットを作るのは初めての経験で塗料が大量に必要でしたが、細かい部分に手が入りやすく技術的には1/12よりカンタンかもしれません。シートは軟質樹脂で塗料がのらない材質なので、やむを得ず無塗装で完成させました。撮影台からはみ出すため、アングルが限定されるため写真は平凡なものばかりになってしまいました。
前後のサスペンションにはスプリングが使用されていて、実車同様上下にヒコヒコと動きます。ミニカーと違って壊れやすいので遊びすぎに注意!