フジミ 1/20 フェラーリ126CK(1981年カナダGP)

2025年1月製作開始

F1シリーズ第6弾はフェラーリ126CKです!😆😆😆

4度のコンストラクターズタイトル、3度のドライバーズタイトルを獲得した312Tシリーズも流石に古さが目立ち、1981年には完全新設計の126CKがデビューしました。126CKにはフェラーリ初のターボエンジンTipo021が搭載され、パワーはあったもののスペースフレームにアルミパネルを貼り付けたセミモノコックシャーシは全くの時代遅れで剛性が不足していました。それでも、ヴィルヌーヴのドライブによってモナコGPとスペインGPで2度の優勝をかざり、母国カナダGPではフロントウィングを破損しながらも走行を続け、3位に入賞しました。

懲りもせずにまたもやフジミのキットです。体調がいい時に取り組もうと積んでいたものを押入れから引っ張り出しました。かえる工房はヴィルニューブのファンですが、フジミの126C2はエンジンがデカすぎる、ボディの形状がヘン、などよくないウワサばかり聞くので、126CKを製作することにしました。こちらはエンジンもリニューアルされかなり改善されているということでしたが・・・😅😅😅

製作記録

キットの問題点

カウルとシャーシがキチンと合わない。
②組み立て説明書が分かりにくくいいかげんなところが多い。
ホイールが接着式で脱着ができない。
カウルの分割方法が実車と違う。
ブレーキダクトが透明パーツで成形されている。

キットレビュー

パーツ一覧

パーツ数は約160点。スペインGP仕様とカナダGP仕様のコンパチキットなので、2種類のノーズのほか、スリックタイヤとレンタイヤの2セットが付属します。

組み立て説明書①

一般的なF1キットではリアのロアアームはエンジン側に接着するのですが、このキットではまずシャーシに接着するよう指示されています。しかし、図のような取り付けダボがないためキチンとした位置に接着することができません。

組み立て説明書②

リアのスタビライザーは微妙に湾曲していますが、説明書には前後の指示がなくイラストも分かりにくいです。何度も仮組みをして中央のへこんだ方が前だと判断しました。

組み立て説明書③

ミラー鏡面はメッキパーツではないのに塗装指示を忘れているし、ノーズ下面のI2パーツはシルバー塗装が正解です。カナダGPでノーズがめくれあがった状態で走り続けた126CKは超有名だと思っていたのですが・・・。どうしてこんなミスをするのでしょうか?

ブレーキダクト

透明パーツで再現されていて、さすが!・・・と言いたいところですが、ブレーキダクトが半透明なのは312Tシリーズで、126CKは一般的な黒パーツ・・・。形状は非常にいいのですが、こういう無意味な努力をするところがいかにもフジミらしいです・・・😅😅😅

アップライト

ブレーキディスクは2枚重ねでクーリングホールが再現され、さらにキャリパーが別パーツになっていてブレークディスクが回転するという凝った作りです。しかし、ホイールをディスクに接着するようになっていて、完成後は脱着できないという不思議な構造です。

タイヤとホイール

ギラギラしたメッキは少し品がないので、ツヤを落としたメッキ塗装をする予定です。レインタイヤが付属しているのは嬉しいのですが、形状的には中央部の膨らみが足りないように感じます。

サイドスカート

さすがのフジミクオリティ、右のサイドスカートが見事に歪んでいます。まあ、この程度ならどうということはないと思っていたのですが・・・。

カウルとシャーシのスキマ

大問題が発生。シャーシとカウルに2mmほどのスキマができてしまいます。最初はこれで正しいのかと組み立て説明書や資料を見返しましたが、やはりそんなデザインではありませんでした。

ボディ・カウル製作

カウルとシャーシの修正①

どこが干渉しているのかと、あーでもないこーでもないと調べましたが、けっきょく成形不良でカウルとシャーシが微妙に反り返っているようです。写真の矢印の部分に細く切れ込みを入れて反り返りを修正して瞬間接着剤を流し込んで強引に固定しました。

カウルとシャーシの修正②

カウルとシャーシの歪みを修正してもイマイチ合いが悪いので、エンジンパーツが干渉している部分を削り込みました。

カウルとシャーシの修正③

あちこちを曲げたり削ったりしましたが、なんとかうまく収まりました。相変わらずフジミのキットは普通はしなくても良い苦労をさせられます。😅😅😅

カウル分割方式の変更

実車ではノーズとサイドパネルはシャーシ側に残るので、上面部をカットしてサイドパネルをシャーシ側に接着しました。

磁石接続

カウルがキチンと収まるように、4カ所に2mmのネオジム磁石を埋め込みました。

サイドパネルのスリット

スリットから内部がチラリと見えるところに怖わりたいので、開口部をカンナやヤスリでキレイに整えました。

サイドミラー

ダボが浅く接着強度に不安があるので、0.5mm真鍮線で軸打ちをしました。

シャーシ塗装

シャーシの内部と裏側をセミフラットブラックで塗装してマスキング。サイドパネルは別パーツですが、塗装後にピタリと接着するのが難しそうなので、塗装前に接着しました。

フロントウィング

メッキを傷つけないようにウィング本体をマスキングして翼端版のメッキを剥がして薄々攻撃。翼端板は赤なのでここはパーツ分割をしてもらいたかったところです。

カウルの塗装

ガイアカラーのサフピンクEVOで下地塗装をしてからクレオスのモンザレッドで本塗装。前後ウイングの翼端版はメッキを剥がしてから塗装しました。

コクピット内部

コクピット内部色はホワイトではキツすぎるような気がしたので、クレオスの灰色9号で塗装。マスキングのはみ出しをタッチアップして塗装完了です。

スカート&キャッチピン

キャッチピンはメタルシールに置き換えたかったのですが、適当なものが見つからなかったので、諦めてシルバーで塗装しました。

リアウィング組み立て

かえる工房は塗装後の接着があまり好きではないので、この時点でウィングと翼端板を組み立ててしまいます。接着ダボが浅くて安定しないので、垂直がきちんと出るように真鍮ブロックで固定します。

デカール貼り①

サイドパネル下の細長いデカールは左右がはみ出します。そこはお客様が自分でカットしてくださいということなのでしょうが、説明書にちゃんと書いておいてほしかったです・・・。ちなみにリアウィングの「MICHELIN」やコクピットサイドのイタリア国旗のストライプも同じ仕様です。

デカール貼り②

デカール貼り完了。やや透けているようにも感じましたが、品質は標準的なもので特に問題ありませんでした。

中研ぎ

デカールが乾燥したら、オートクリアーを砂吹き。目立った凹凸を1500番のヤスリで慣らします。

研ぎ出し

ウレタンクリアーでコーティングしてから本研ぎ。1000番〜10000番のヤスリで根気よく磨きます。

スクリーンの取り付け

スクリーンの裏からクリアーブルーで塗装。フチに虫ピンの頭を埋め込んで実車と同じようにビスで取り付けている雰囲気を再現しました。

翼端版のリベット

翼端版のモールドを削り取ってトップスタジオの金属リベット(1.2㎜)を埋め込み。

エンジン製作

エンジン組みたて

エンジン本体と足回りを組み立て。塗装後の接着をできるだけ避けたいので、アップライト、ドライブシャフト、サスペンション、吸排気部品以外は全て接着しました。

エアファンネルカバー

キットではエアファンネルの部分がただの板なので、メッシュのカバーを新造。プラ板を切り出した雄型と雌型で真鍮メッシュを絞り出しました。形状がはっきり分かる写真がなかったので、わりとテキトーです。

サスペンション製作

サスペンションはバネ部分の造形がショボショボなので改造。上下をカットして、0.5mm真鍮線と3mm径のバネをはさんで接着しました。

基本塗装

今回はいつもとやり方を変えて、基本塗装にSHOW UPリアルクロームライトを使用。ここからエナメル塗料で筆塗りをしていきます。

パーツ調整

F1やバイクなど細かいパーツが組み合わさったキットでは、いざ接着という段階で微妙な歪みが出ることがあります。このキットもターボ関連のパーツが干渉してカウルが閉まらなくなったので、パーツがきちんと収まるようにすり合わせをしました。

パイピング変更

キットパーツのままではとうやってもタービン周りのパイピングができないので、ビニールチューブに交換しました。

エンジン完成

レッドブラウン、シルバー、ブラック、クリアーブルー、クリアーオレンジなどをエナメル塗料筆塗りで段階的に色を重ねていきました、

テールライト

テールライトのパーツを紛失してしまった😖😖😖ので、MSのモノアイなどに使われるパーツを流用しました。

シャーシ・足回り・コクピット製作

ディスプレイベースの接続

3mmビスでディスプレイベースに接続するので、シャーシ内側にナットを接着。回転防止のためビス穴の他に2mm穴を開けて真鍮線を埋め込みました。

リアブレーキダクト

ブレーキダクトはアップライトの上に接着しますが、取り付けダボが非常に浅くて強度に問題があるので真鍮線を埋め込みました。

フロント周り仮組み

モノコックは上下分割式でアッパーアームをはさみ込む形式になっています。

リベット打ち

モノコックサイドのリベットが省略されているので、ハセガワのリベットゲージを両面テープで貼り付けてニードルでリベットを打ちます。

基本塗装

ラジエーター部をセミグロスブラックで塗装し。アルミパネルの部分はSHOW UPリアルクロームライトで塗装。こちらはクリアーコートをかけて仕上がりです。

ブレーキホース追加

手持ちのパーツの0.3mm真鍮ワイヤーをブレーキホースとしてブレーキキャリパーに埋め込み。資料がなかったので接続位置はテキトーです。

フロント足回り完成

フロントサスは完成後には見えなくなるのでキットのパーツをそのまま使用。スムーズにステアリングできるようにシャーシ側のブレーキホースは差し込んであるだけです。実車では黒なのですが、模型的な見栄えを考えて無塗装で行こうと思います。

ホイール完成

タイヤの「MICHELIN」デカールは大小2種類が付属。ホイールはメッキ落としをしてSHOW UPリアルクロームライトを吹いて、スポーク部をエナメル塗料のゴールドで筆塗りをしました。

シートベルト製作①

モデルファクトリーヒロの1/20用セットを使用。シートベルトメーカーのデカールも付属していて非常に作りやすかっったです。

シートベルト製作②

シートをセミグロスブラックで塗装して、シートベルトを接着。ベルトの布部分は鉛板で裏打ちされていて形をつけやすくなっています。

コクピット完成

後期型ではコクピット前方にアルミパネルを貼って補強されているようですが、いいかげん疲れてきたので気が付かなかったことにします。😅😅😅

最終組み立て

前後ウィング取り付け

クリアーをかけて初めて気がつきましたが、前後ウィングは結構ヒケがひどいのでメッキ落としをして塗装仕上げにするべきでした・・・😢😢😢

ホイール取り付け

前後ホイールを接着。キットレビューでも言いましたが、これでせっかく細か再現されたブレーキはほとんど見えなくなりました。一体何がやりたかったのか・・・。

フィギュア製作

ジル・ヴィルヌーブ

肖像権に配慮してか商品名は「ドライバーE」となっていますが、どう見てもヴィルヌーブです。今は無きモデラーズの希少品ですが、思い切って今回開封することにしました。

パーツ一覧

ヘルメットの他に腕パーツが2種類付属し、腕組みポーズとグローブをはめたポーズの2種類が選択できます。デカールは変色が激しく使用は難しそうです。

サフ吹き

ゲート後やパーティングラインを処理してプライマーサフを吹きましたが、ヘルメットはもう少し修正した方が良さそうです。

スーツの基本塗装

ホワイトに黄燈色を少量混ぜた塗料をエアブラシでベタ塗り。

デカールはり①

オリジナルのデカールは劣化がひどいので、ミュージアムコレクションの「1/20F1ドライバーセット」を使用。ニキ・ラウダ(76年)とヴィルヌーブ(81年・82年)の三種が付属しています。

デカールはり②

印刷はキレイですが、硬くて曲面部にはなかなか馴染みません。

デカールはり③

マークソフターを使ってもなかなか馴染まないので、けっきょく伝統技法の蒸しタオルを使用しました。

顔塗装①

スーツ部にシャドーを入れて、肌の下地塗装と白目を描き込みました。

顔塗装②

エナメル塗料のスミ入れ、ドライブラシで塗り重ねて、なんとなくまとまってきました。小サイズのリアルフィギュアは苦手分野なので、もっと精進する必要がありますね。😅😅😅

仕上げ

全体にセクグロスでクリアーコートをしてフィギュア完成。

ヘルメット

前後2パーツ構成ですが、成形不良でかなり段差が目立つので、パテを使って修正する必要があります。

基本塗装

ブルー部分はほとんど黒に見える濃紺なのですが、ミュージアムコレクションのデカールはなぜか明るいブルーなので、塗装で再現することにしました。

No.49 フジミ 1/20 ウィリアムズ FW16(1994年ブラジルGP)

2023年9月完成

F1シリーズ第6弾は依頼品のウィリアムズ FW16。かえる工房はフラットボトム規定ができた頃からF1に興味を失い、90年代以降のF1マシンを製作するのは実は初体験だったりします。(^_^;)

この頃のF1はアクティブサスペンション、ABS、トラクションコントロールといったハイテク全盛時代でしたが、突然のレギュレーション変更でハイテク装備を失ったFW16は苦戦し、サンマリノGPでアイルトン・セナが事故死するという悲劇に遭いながらもコンストラクターズタイトルを獲得したマシンです。

製作記録

今回の依頼を受けて真っ先に心配したのがフジミ製であること。以前、BT46Bを製作した時に痛感しましたが、フジミのキットは意味不明の問題点が多くてなかなかの難物です。技術力がないより、「仕事が雑でそのツケをユーザーに払わせる」という印象です。ガレージキットだと思えばこんなものかと納得するのですが、フジミは一応伝統のある模型メーカーなんですよね・・・?

このキットの問題点は①リヤウィングが前傾してしまう。②シートやメーターがはさみこみ方式で製作が面倒。③接着部が強度的に不安。④パーツのすり合わせがキツすぎる。⑤説明書が分かりにくいうえにミスも多い。などです。

BT46Bに比べてよい点は①無意味なメッキパーツがない(ただし、初版キットではやはりメッキされていたようです)。②パーツの色分けが常識的。など、余計な工夫をやめたことくらいです。

考証面では①リアのブーメラン形ロワウィングの枚数が違う。②ブラジルGPの角ばったヒシ型の「0」のデカールがない。③サイドミラーがブルーなのはサンマリノGPだけなのに全てブルーの指定になっている。この他に初版版ではボーテックスジェネレーターの表裏逆に指定されていましたが、再販時に修正されたようです。

これらの問題のほとんどはユーザーのことを考えてキチンとチェックすれば改善できると思うのですが・・・。こういうところにメーカーの体質が現れるのでしょう・・・(´・ω・`)。

キットレビュー

パーツ一覧

ブラジルGP、パシフィックGP、サンマリノGPが選べるコンパチキットで、3種類のリアウィングパーツが付属しています。パーツは少なめで精密感についてはイマイチかな?

デカール①

通常デカール、タイヤデカールと塗り分け用のマスキングシートが付属。見たところ印刷はキレイでなかなか良さそうです。ブラバムBT46Bのデカールはカチカチで曲面にまったく馴染みませんでしたが、さて今回はどうでしょうか・・・?

デカール②

例によって「ロスマンズ」のタバコデカールは付属しないので、サードパーティーのものを使用します。依頼者様からはMSN製とミュージアムコレクション製のものが送られてきました。

仮組み

主要パーツを仮組み。細長いノーズ、エンジン部を完全に覆うカウル、複雑な形状のウィングと90年代F1らしいスタイルです。

ボディ・カウルの製作

シートの後ハメ加工①

メーターパネルやシートはボディに挟み込む方式になっていますが、どう考えても後ハメのほうが作業がラクなので写真上の取り付けダボをリューターで削り落として写真下のように加工。

シートの後ハメ加工②

ボデイの下が大きく空いているので、簡単に後ハメできます。こんな単純なことになぜメーカーが気が付かないのでしょうか?

給油口の選択

ブラジルGPでは給油口は左ですが、パシフィックGP以降から右になっているため左右のパーツを入れ替えて使用します。実車では給油口のない側はツライチになっているようなので、パテ埋めをして接着線を消しました。

オンボードカメラ①

ブラジルGPでは右側で、それ以降は左側。こういう場合、ユーザーが自分で穴あけできるようにパーツ裏側に凹モールドを入れておくものですが、このキットではそれも無し。実に手抜き仕様です。

オンボードカメラ②

きちんと位置決めをせずに塗装後に接着するのは怖いし強度的にも不安なので、塗装図を参考に取り付け位置を決めて0.5mm真鍮線で軸打ち。

フロント周りの組み立て

ノーズは下面だけをボディに接着するようになっていますが、接着面がせまくて強度的に不安なので、サスアームを仮組みして位置決めをしてから瞬間接着剤でガッチリ固定しました。

リアウイング

キットの指示通りに組み立てるとこのように前傾してしまうので、取り付けステー部を削って垂直になるよう調整しました。これまたえらくお粗末な設計です。( ´△`)

リアロワウイング①

リアのロワウイングはサンマリノGPでは「IA2」を、ブラジルGPでは「IB2」を使うよう指示されています。しかしいくら探してもIB2部品が見つからないので、欠品かと思ってメーカーに問い合わせたら、なんのことはないただの表記ミスでした( ´△`)

リアロワウイング②

ブーメラン型ロワウイングは2枚重ねになっていますが、手持ちの資料では1枚が正解のようです。しかし、依頼者様のご希望で2枚重ねにしました。こっちの方がカッチョいいし強度も出るので考証にこだわらないならそういう選択もアリでしょう。

カウル後部パーツ

カウル後部のパーツは接着式。今時の技術なら一体成形にできると思うのですが・・・。結局、組み立て中に2回、塗装中に1回折ってしまってその度に作業のやり直しです。「お前がヘタクソなだけだ!」と言われればまあその通りなのですが・・・(´・_・`)

ボディ塗装①

ボディ全体をフィニッシャーズのファンデーションホワイトで塗装してから、マスキング。テープのスキマから塗料が入り込まないようにさらにマスキングゾルで補強。

ボディ塗装②

青部分の塗装完了。ネットで検索するとフィニッシャーズの「ブライトブルー」を使っている人もいますが、実車写真と比べると暗すぎるように思えたので、「ピュアブルー」を使用しました。

デカールはり①

基本的なデカールはキット付属のものを使用。「ロスマンズ」デカールはミュージアムコレクション(上)のほうが色合いはよかったのですが、サイズが大きすぎるので、結局、MSM(下)のものを使用しました。

デカールはり②

インダクションポッドのラインはデカールの長さが足りないので、レッドとゴールドの部分を塗装でタッチアップ。

デカールはり③

デカールはり完了!完成状態に近づいてきてテンションが上がります。黒部分はカーボン地なのですが、今回はセミグロスブラックで塗装しました。

シャーシ・足回りの製作

ディスプレイベース

シャーシにナットを接着して、3mmビスでディスプレイベースに固定できるように加工。

エンジン組み立て

FW16の特徴、ドライブシャフトを内蔵したウィング状のアッパーアームの形状がよくわかります。今回はプロポーションモデルとして製作するので、全体をセミグロスブラックで塗装して、細部は見える部分だけ塗装します。

ホイール・タイヤ①

ホイールのイエローラインはデカールが付属しますが、どうしてもシワが入ってきれいに貼るのはほぼ不可能なので、塗装で対応することにしました。

ホイール・タイヤ

ライン部をイエローで塗装してマスキング。全体をセミグロスブラックで塗装しました。はみ出しをタッチアップして完成。デカールをはるよりずっと簡単できれいにできました。

ホイール・タイヤ

デカールをはって完成。タイヤデカールは光沢が強くて浮いて見えるので、セミグロスクリアーを吹いてツヤを整えました

最終組み立て

エンジン・足回りの組み立て

カウルを1500〜3000番のヤスリで研ぎ出し、コンパウンドで磨いて光沢出し。センターカウルにフロントサスを組み込んでシャーシと合体。

カウル・ウィングの組み立て

前後ホイールとウィング、カウルを取り付け。今回はプロポーションモデルとしてのご依頼なので、カウルも接着しました。タイヤの接地性は良好で特に調整の必要はありませんでした。

完成!

ミラーやアンテナなどを接着して完成!今回はタミヤの「ディスプレイケースC」に固定しました。ビス止めですので自由に脱着できます。

フジミ 1/20 ブラバムBT46B(1978年スエーデンGP)

変態F1マシンシリーズ第2弾は鬼才ゴードン・マーレー設計のブラバムBT46Bファンカーです。

実車について

77年シーズンにロータス78が活躍しウィングカーの有効性が認識されるようになると、他チームも研究開発に取り掛かり78年シーズンにはアロウズ、シャドウ、ウルフなども独自のウィングカーをデビューさせました。しかし、幅の広い水平対向12気筒エンジンを積んでいたフェラーリやブラバムは有効なダウンフォースを発生させるサイドポンツーンの設計が困難でした。

そこでマーレーが採用した手法が「ファンカー」です。これは機械的に作動するファンで車体下面の空気を強制的に吸い出すというシステムで、中低速でも適切なダウンフォースを発生させることができるという点でウイングカーより優れていました。

BT46BはスエーデンGPでニキ・ラウダのドライビングによってデビューウィンを果たしましたが、「ファンがホコリや小石を巻き上げて後続車が危険である」という理由で使用禁止となり、出走はスエーデンGP一戦のみの幻のマシンとなってしまいました。

ラジエーター冷却用(嘘)の巨大なファン

カウルは脱着可能

 

製作記録

キットレビュー

パーツ数は約160点。かつて1/20のF1模型はほぼタミヤの独壇場でしたが、2010年ごろになってなぜかフジミ、ハセガワ、エブロなどから次々と70年代F1マシンのニューキットが発売されました。フジミからもブラバムBT46、77年仕様のタイレルP34と私好みのマシンが発売され、いつか作ってみたいと思っていました。ところが、タミヤのBT46よりグッと新しい設計でありながら想像以上の難キットでした。

キットの問題点・・・(´・ω・`)

①青塗装はデカールで再現されるが、これが恐ろしく固くて全くなじまず割れやすい。

②パーツ数が多いわりに精密感に欠け、接着面がせまくて強度的に不安なところが多い。

③パーツ間のクリアランスがキツキツで調整が必要な部分が多い。

④組み立てが意味のないパズル構造になっていて、メンドくさい。

⑤エキパイや冷却パイプの取り回し方が説明書の絵ではよくわからない。

⑥Fパーツはメッキである意味がなく、しかもそのメッキが落としにくい。

⑦ボディがヘンな白黒ツートンカラーで成型されているが、意味がわからない。

タミヤレベルのクオリティを期待するのは欲張りすぎなのでしょうが、ユーザー目線に立って製品開発をすれば容易に解決できる問題点もあるのであえて辛口でレビューをしました。質の良いデカールに変えたり、金型を修正したりするのは予算的に難しいかもしれませんが、⑤⑥⑦はさほどお金がかかることではないと思うので再販時には是非修正してもらいたいものです。しいて美点をあげるとすれば、外観は良くまとまっていてカッチョいいことと、何よりもBT46Bをキット化してくれたことでしょうか?

パーツ一覧

キット名には「#1ニキ・ラウダ」とあり、「#2ジョン・ワトソン」は別キットとして発売されていますが、ゼッケン2のデカールも付属しており、ワトソン仕様も作れるようです。悪名高い「箱替え商法」というヤツでしょうか?

タイヤ

タイヤはタミヤのものに比べて肉厚のゴムで成形されてがっちりしています。「GOOD YEAR」のロゴは通常の水転写デカールとは違ったものが付属。

デカール

このキットのデカールは硬くてなじませるのが大変だとずいぶん評判が悪いですが、はたしてどうでしょうか?・・・。

メッキパーツ

ホイールとエンジンまわりは全てメッキ。ホイールはともかくエンジン本体以外は金色や黒鉄色で塗装するので、ほとんど意味がありません。接着もめんどうなので、銀の成型色のほうがいいと思うのですが・・・。

主要パーツの仮組み

あっと驚き!パンダカラーの成形色。赤一色か白一色にすればいいものを・・・いったい何を考えてこんな色分けにしたのか?大昔のマッチボックスのキットを思い出してしまいました・・・(−_−;)。

P34との比較

この前完成したタイレルP34と比較。六輪車ですがP34が意外とコンパクトで、BT46がかなり大きいことがわかります。手持ちがないので、比較できませんが、マクラーレンM23もけっこう大きく、ウルフWR1はかなりコンパクトだったと記憶しています。

リアウイングの翼端版

「ボディーに干渉する場合は少し削ってください」って・・・。昭和のプラモデルやガレージキットじゃあるまいし・・・。そんなに精度が低いのでしょうか?

フロント周りの組み立て

①シャーシにロワーアームを差し込む→②フロントバクルヘッドを接着→③上部カバーとアッパーアームをシャーシに接着→④フロントノーズを接着、と決まった順を守らなければ組み立てられません・・・(−_−;)。こんなパズルみたいな設計になんのメリットがあるのでしょうか?

フロントバルクヘッド

フロントバルクヘッドにはディティールが施されていますが、フロントノーズを接着すれば全く見えなくなります・・・(−_−;)。マニアが改造することを考慮したのかもしれませんが、それより一般的なユーザーを優先してもらいたいものです。

エンジン・ミッション・足回りの製作

エンジンとミッションの組み立て

メッキ落としをしてエンジンとミッションの主要部分を作製。通常ならボディから手をつけるのですが、ラジエーター、エキパイ、サイドパネル、ファンと干渉する部分が多く、しっかり仮組みをしないと不安なので、まず、芯となるエンジンを完成させました。

エキパイの仮組み①

説明書のイラストではエキゾーストパイプの取り回しがよくわからないので、何度も仮組みをした結果、写真のように内側はロワーアームの下、後部フレームの中に、外側は上に通しました。

エキパイの仮組み

後部カウルをつけるとこのようになります。外側のエキパイは実車通り貫通式になっていますが、内側はエンド部分をカウルに接着する仕様になっています。

ファンの仮組

エンジン後部には車のものとは思えないような巨大なファンがつきます。ミッションから動力を得て機械的に作動することがよくわかります。

シャーシ・ボディの製作

ボディ小物パーツの作成

ボディの小物パーツは強度的に不安なので0.5mm真鍮線で作り直し。ボディに穴を開けて差し込めるようにしました。左上からバックミラー、ピトー菅、エアスクープ、キルスイッチです。

リアウイングの翼端版

矢印の部分が干渉するのですが、削りすぎてスキマができてしまいました。メーカーに問い合わせたところ、不良品扱いとして、新しいパーツを無償で送ってくれました。

塗装

下地塗装

フィニッシャーズのファンデーショングレーで下地塗装。ずっとパンダカラーだったのでやっと気分が落ち着きました。

本塗装

ガイアノーツのピンクサフにレッドを重ね吹き。写真ではマルボロレッドのように明るく見えますが、クレオスのレッド(3)を普通にベタ塗りしました。

デカールはり①

デカールは恐ろしく硬くてマークソフターがまったく役に立たないため、蒸しタオルを使ってなじませました。デカールはりだけで4日もかかってしまいました。この写真ではキレイに見えますが・・・。

デカールはり②

近くで見るとこの通り。特にオイルクーラーフィンのあたりがうまくなじまず割れやスキマができてしまいました。補修用デカールは使用せず。乾燥したら塗装でタッチアップする予定です。

デカールのタッチアップ

デカールの割れやスキマを筆塗りでタッチアップ。クレオスのブルー+レッドは少し濁った色になるので、フィニッシャーズのピュアブルーにガイアのマゼンタを極少量加えました。この後、クリアーがけ→ヤスリで研ぎ出しを何回か繰り返しました。

最終組み立て

フロントサスの組み立て

フロントまわりはなぜかパズルのように決まった手順でしか組み立てられないように設計されており、うっかりシャーシの底板を先に接着したために、組み立てるのにかなり苦労してしまいました。

エンジン・ミッションの搭載

シャーシとエンジンの接続にはネジなどが使用されていないのでしっかりと接着します。ラジエーターホースはゴムパイプではなく通常のプラパーツで再現。例によって説明書では取り回しがよくわからなくて少し苦労しました。

リヤウイング完成

サイドパネルとリヤウイングを接着。例によって接着面が小さいので、たっぷりと接着剤をつけてしっかりと乾燥させます。

ボディの研ぎ出し

クリアがけ→研ぎ出し→タッチアップ・・・を何度も繰り返してようやく見られるようになってきました。

タイヤの取り付け

ホイールにビスを通してアップライトに内蔵されたポリキャップに接続する方式。ビスがかなり太すぎるので削ってやる必要があります。また、説明書ではフロント側にポリキャップを二つ入れる指定になっていますが、一つで十分です。

タイヤのレタリング

またしても問題発生!キット付属のタイヤデカールはガチガチに硬くてまったく使い物になりませんでした。ボディでこりたので、デカールはスッパリあきらめてフィニッシャーズのタイヤテンプレートを使用して塗装で処理しました。

サイドスカート

細かく別パーツ化されたサイドスカートを塗装して、シャーシ下面に接着。

ウワサどおり非常に手強いキットでした。いまいち塗装がピシッとキマリませんでしたが、今回はこれで完成とします。いつかドライバーフィギュアが手に入ったらニキラウダをのせるつもりなのでシートベルトはつけませんでした。そもそもシートベルトが付属していないという・・・。

将来リベンジをする時のための覚書

①デカールは文字やストライプのみを使用して、青部分は塗装したほうが早くてきれいに仕上がる。

②ボディのあちこちにあるリベットのモールドは全て削り落として、目立つものだけをエッチングパーツや虫ピンで再現する。