2024年6月完成
セリカGT-Rとセットで注文された依頼品です。インプレッサWRXは1992年にデビューし世界ラリー選手権(WRC)で活躍してスバルの名を世界に広めた名車です。一見、普通の4ドアセダンに見えますが、ボンネットにエアスクープ、リアにスポイラーを装備とかえる工房の好物「羊の皮をかぶった狼」です。
『頭文字D』の主人公の父親の愛車がこの初代インプレッサですが、「プロジェクトD編」に入った頃から飽きて読まなくなったので、すっかり忘れていました。(^◇^;)
ハセガワのカーモデルはパーツ状態で見ると繊細なモールドが美しくすばらしいキットに見えるのですが、繊細すぎて破損しやすかったりプラモデルとしてのアレンジが足りなかったりして、実際に組んでみるとストレスを感じることがよくあります。昔のハセガワはタミヤに次いで「国内第二の模型メーカー」というイメージだったのですが、得意の飛行機模型と違ってカーモデルはどうもすっきりしない点が目立ちます。
キットの問題点
①バリやヒケが結構あり、特に足回りやサイドミラーなど小物の成形がヒドい。
②ドライブシャフトが反っているためアライメントがきちんと出ない。
③取り付けダボが小さく合いがキツいため、すぐに折れてしまう。
④センターピラーのウィンドウの塗り分けラインがおかしい。
⑤ホイールの塗装指示が「黒鉄色」になっているのはおかしい。
製作記録
キットレビュー
パーツ一覧
パーツ数は約70点。タミヤのセリカGT-R同様エンジレスキットですが、パーツが細かく分割されていてフロアマットを再現するシールやウィンドウのマスキングシートが付属するなど差別化が図られています。
ボディの成形
ボディはモールドが浅くてぼんやりとしていてルーフ裏側にはでっかいゲートが残っています。どうも金型屋さんの技術力がかなり低いようです。
仮組み①
90年代発売のキットですが精度が低いので、仮組みは必須です。特に足回りのパーツにバリがひどく、けっこう時間をかけてすり合わせをしました。
仮組み②
一応仮組みはできましたが、リアの接地が悪くて少しガタつくのでさらに調整が必要です。ボディにも若干ヒケがあり、モールドが浅めなので掘り直したほうが良さそうです。
ウィンドウのライン①
ウィンドウのフチはブラックで塗装しますが、塗装用のケガキ線がずいぶん前に飛び出しています。普通はセンターピラー中心に重なるものだと思うのですが・・・。
ウィンドウのライン②
実車写真をいくら見てもよく分からなかったので、説明書の塗装図通りにセンターピラー中心に合わせた位置で塗装することにしました。
表面処理
捨てサフ吹き
パーティングラインやヒケの目立つ部分にサフ代わりのファンデーショングレーを吹いて240〜600番のヤスリで表面処理。ついでにモールドを深く掘り直しました。
ボディ製作
下地塗装
セリカ同様ボディ色はレッド系なのでやはりピンクサフで下地塗装。
ヒケの修正
下地塗装をしてからフロントフェンダーにヒケがあることを発見!(@_@)。溶きパテを盛って処理をしました。
本塗装
ボディ色はフィニッシャーズのディープレッドを使用。アルファロメオなどに使われる色でセリカのリッチレッドよりかなり暗い赤です。
ボディの研ぎ出し
クリアコートをしてから、クリア面を1500〜3000番のヤスリで研ぎ出し、コンパウンドで磨き込み。だいぶツヤが出てきました。
ウィンドウのマスキング
キットにはマスキング用のシールが付属。最近は飛行機模型でもこのようなオマケがついていて非常に助かります。
基本塗装完了
窓枠、ドアノブ、サイドモールなどをセミグロスブラックで塗装。だいぶ完成状態に近づいてきました。
ボディ完成
ウィンドウ、ミラー、灯火類、ナンバープレートなどを接着してボディ完成!
シャーシ製作
塗装
シャーシ関連パーツの塗装完了。改めて確認すると一体成形になったドライブシャフトが微妙に反っているためリアタイヤのアライメントが狂うことがわかりました。
アライメント調整
足回りパーツを取り付けてから、リアサスとタイヤハウスの接続部に接着剤を流し込み。接着部が固まるまで指で押さえて四輪がきちんと接地するように調整しました。
シャーシ完成
足回りのアライメントが決まったら、シャーシ関連パーツを取り付け。軽くスミ入れをしてシャーシは完成です。
ホイール塗装①
リムはメッキの地肌をそのまま生かし、スポーク部は組み立て説明書の指示通りクレオスの(28)黒鉄色で塗装。・・・しかしなんかおかしい・・・。
ホイール塗装②
依頼者様からご指摘をいただきましたが、実車のホイールはほとんどシルバーに近い色・・・。かえる工房ランキングでハセガワさんの評価がまた一段落ちました・・・(−_−;)
ホイール塗装③
完成した塗装を剥がして、シルバー+黒鉄色(少量)で調色したもので再塗装。
コクピット製作
フロアマット
フロアマットには起毛シールが付属。ノリが強くて微調整がしにくいので、はみ出した部分はナイフでカットしました。
コクピット完成
内装はブラックと36 RLM74 グレーグリーンで塗り分け。シートの模様はデカールで再現します。