No.44 タミヤ 1/12 スズキ GSX1300R 隼

2023年9月完成

久々のオートバイモデルの依頼製作は20世紀末に登場したアルティメットスポーツ、「GSX1300R 隼」です。当時、二輪の最高速競争は300 km/h時代に入っており、ライバルのホンダの「CBR1100XX」やカワサキの「ZZR1100」などを抑えて世界最高速を達成したマシンです。最近のバイクについては詳しくないのですが、この後、最高速競争に歯止めをかけようという機運が高まったこともありおそらくこのマシンが今でも世界最高速なのではないかと思います。

水冷DOHC4バルブ直列4気筒  最高出力 175馬力

乾燥重量 215 kg  1999年発売

隼はかえる工房のかつての愛車「GSX1100S」に比べるとはるかにパワフルで軽量です。残念ながら隼に乗る機会には恵まれませんでしたが、「GSX-R750」に試乗した時は、タンクの幅の広さや無理のないランディングポジションに驚き、実際に走らせてみて素直なエンジンレスポンスやハンドリングの軽さに感心させられました。30年近くの時代差があるので当然ですが、同じスズキの二輪でも「GSX1100S」とは全く違う乗り物でした。最高速アタックにチャレンジする機会はありませんでしたが、素人でも200km/hオーバーくらいならたやすいのではないかと感じました。

製作記録

キットレビュー

パーツ一覧

パーツ数は約110点。タミヤらしく効果的にパーツを一体化してパーツ数を抑えています。昔のキットと比べると各部に極小の金属ビスが多用されていて、組み立てやすさと強度アップを図っています。

デカール

キットは2002年型がデフォルトですが、デカールは1999、2000、2001年型に対応できるように数種用意されています。今回は99年仕様のメタリックサターンブラック×メタリックライトチャコールでのご依頼です。

マスキングシート

カウルの塗り分け用のマスキングシートが付属。隼は三次曲面の塗り分けがあるのでこれは嬉しいボーナスです。

仮組み

主要パーツの仮組み完了。無塗装だとまるで仮面ライダーの新サイクロン号のように見えます。センタースタンドがないので、ディスプレイ用のクリアーパーツが付属します。

外装パーツの製作

パーツの接着

接着剤をたっぷりつけてフロントフェンダー、リヤカウルを接着。念のため黒い接着剤で裏打ちをして補強。

カウル固定用のネジ

カウル固定用のネジはモールドで再現されていますが、研ぎ出し塗装を行う関係から事前に削り取って塗装後に虫ピンの頭を接着することにしました。

塗装テスト①

カウルはメタリックサターンブラック×メタリックライトチャコールの塗装とのご依頼なので、クレオスの GX201メタルブラックとGX213 ホワイトシルバーで塗装テストをしてみましたが、どうも明るすぎるようです。

塗装テスト②

GX201メタルブラックにブラックを加え、GX213 ホワイトシルバーにメタルブラックを加えて色合いを暗く調整。依頼者様のOKがいただけましたので、これで本塗装を行います。

塗装①

メタリック色の発色を良くするために下地にブラックを塗装。

マスキング

メタリックグレーを塗装してからマスキング。99年〜00年型とそれ以降では微妙にパターンが違うので要注意!曲面が多くキット付属のマスキングシートだけでは完全にカバーできないので、マスキングゾルを併用。

塗装②

メタリックブラックを吹いて塗装完了!曲線が多くて塗り分けが難しかったですが、まあまあうまく行きました。

デカールはり

「SUZUKI」「隼」などのデカールを貼り付け。ここからクリアーコート→研ぎ出しを何度か繰り返してツヤを出していきます。

エンジン・フレームの製作

エンジン完成

エンジン、キャブレター等をシルバー、ブラックで塗装して組み立て。細部塗装が説明書では省略されているので、実車写真を参考にエナメル塗料で筆塗りしました。

エンジン搭載

いかにも剛性の高そうな角形アルミ製のツインスパーフレームにエンジンを搭載。昔のキットと違って極小ビスが使われているので仮組みがしやすくなっています。

足まわりの製作

リア周り完成

ホイール、リアサス、ブレーキ、チェーンなどを塗装してメッキパーツのスイングアームに組み込み。

フロント周り完成

Fフォークやブレーキ周りをアルミシルバー、チタンシルバー、チタンゴールド、ブラックなどで塗り分け。インナーチューブにはメッキシールを貼り込みました。

マフラーの製作

マフラーの完成

エキゾーストパイプはフラットブラック、サイレンサー部はアルミシルバーで塗装。接続部分のメッキパーツはそのまま使用しましたが、設計が絶妙なのか接着線はほとんど気になりません。

フロントカウルの修正

フロントカウルの塗装

ショック!ここまできて塗装ミスが発覚。99年型のフロントカウルは中央部もメタリックブラックでした!・・・( ´△`)

フロントカウルのすり合わせ①

塗装をやり直すついでにカウルのフィッティングを見直し。フロントカウルのステー部を削って、取り付けユルくして接着時に微調整が

フロントカウルのすり合わせ②

カウルがぴったり合いました。サイドカウルはネジ止めですが、締め込み方を調整してフロントカウルとぴったり合う位置を探します。

再塗装

99年型の資料をよく見て、改めて塗装。こんどこそ間違いないので、デカールをはってクリアコートをします。

完成!

クリア層を研ぎ出してコンパウンドで磨いてツヤ出し。せっかく塗装したカウルや透明パーツを痛めないようにスクリーンや灯火類の接着にはエポキシ接着剤を使用します。

タミヤ 1/12 スズキ RG250Γ

2022年8月完成

VT250、RZ250とともに80年代のクオーターバイクブームを牽引したRG250Γです。市販車で初めて角形アルミフレームを採用、理想的な形状のチャンバーを搭載するためにセンタースタンドを省略、3,000rpm以下は表示されないタコメーターなど当時の常識を覆しレーサーレプリカの先駆けとなった革新的なマシンです。私はフルカウルのバイクはあまり好きではないのですが、Γの場合はアンダーカウルがないと腰高に見えてカッチョ悪いので、フルオプション仕様を選びました。今回の製作のテーマとしてネオジム磁石を使用してカウルの脱着に挑戦してみます。

2ストローク 水冷並列2気筒

最高出力 45馬力 乾燥重量 131 kg

1983年発売

製作記録

キットレビュー

パーツ一覧

リヤサスペンションにコイルスプリングを、スイングアームの取り付けに金属ビスを使用するなど少し進化している点もありますが、全体的にはこの時期のタミヤ製キットの標準的なものです。できるだけパーツを一体成形するといい意味でタミヤらしい構成になっています。

追加パーツ

「フルオプションバージョン」の追加パーツ。アンダーカウル、シングルシート、メンテナンススタンドがつきます。

デカール

RZ350の製作では古いデカールに苦労したので、メーカーに問い合わせて新品のデカールを購入。やはり古いものはかなり変色しています。

仮組み

主要パーツの仮組み。この時代のマシンとしては非常にレーシーなスタイルですが、後のレーサーレプリカに比べるとカウルやハンドルの位置がけっこう高くてツアラーっぽい雰囲気も残しています。

外装パーツの製作

2mmネオジム磁石を埋め込んでアンダーカウルが脱着できるように加工しました・・・が、エンジンを積んでみたら、磁石を埋め込んだ部分がミッションカバーに干渉して脱着できないことが判明・・・(´・ω・`)

タンク、アッパーカウル、アンダーカウルを接着。アンダーカウルの合いが悪かったので、接着線にクサビ状のプラ板をはさんで後部を若干幅増し。サフ代わりのファンデーショングレーを吹いて表面をチェック。ヒケやキズがある部分を修正。

ファンデーションホワイトで白部分を塗装して乾燥後にマスキング。ブルーFS15044+ブラック(少量)で青部分を塗装。箱絵の赤塗装もいいのですが、やはりΓは青塗装でしょう(^○^)。

マスキングをはがしてデカール貼り付け。ストライプの白部分をうまく重ねればマスキングのはみ出しをきれいに隠すことができました。ナックルガード下の白部分もデカールですが三次曲面にきれいになじんでくれました。

フレーム・エンジンの製作

エンジン完成

2ストローク 水冷並列2気筒とこの前作ったRZと同じで外見もよく似ています。4ストローク空冷エンジンに比べて外見的にはいささか面白みに欠けます。(´・ω・`)

足まわりの製作

メッキ落とし

Fフォーク、スイングアームなどのメッキ落とし。この前作ったフジミのブラバムはメッキ落としが大変でしたが、これはサンポールに5分ほど浸けただけできれいに落ちてくれました。

フロント周り完成

Fフォークボトムケースはexシルバーで塗装し、チューブにはメッキシールをはりこみ。

リヤ周り完成

スイングアームはガイアノーツのプレミアムミラークロームで塗装。説明書ではブレーキキャリパーはシルバー+オレンジと指示されていましたが、なんかウンコみたいな色になったので単純にゴールドで塗りました。

チャンバー・マフラーの製作

チャンバーのパーティングライン消し。マスキングテープを貼り込み、すき間に黒い接着剤を流し込んで消えてしまった溶接跡を復活させました。

各パーツの組み立て

フレームにエンジンをのせて、前後の足回りを組み込み。

マフラーを取り付け。マフラーはガイアノーツのプレミアムミラークロームで、チャンバー部はフラットブラックで塗装。

完成!( ̄∇ ̄)

ミラー、灯火類をつけたカウルをのせて完成!今回はデカールが新品だったおかげでずいぶんスムーズにすすみました。アンダーカウルの磁石接続は失敗しましたが、ストレート組みでも脱着可能にできました。

スズキ アルトラパン

2022年4月完成

プルバックミニカーリペイントの依頼品が入りました。おそらく宣材としてディーラーが無料配布しているもので、ホワイトのボディを「フレンチミントパールメタリック」にリペイントしてほしいという依頼です。ノンスケールモデルですが、全長は80㎜弱でだいたい1/43程度になります。

製品レビュー

ボディの白は成形色のままでウィンドー、フェンダー、フロントグリルなどのみが塗装されています。中国の工場で大量生産されているもののようで、塗装のムラやはみ出しがあります。

シャーシ裏の二本のビスを外せばシャーシは簡単に外せますが、ボディは完全に一体成形なので、リペイントするにはマスキングで対応しなければなりません。

マスキング

中性洗剤でボディを洗浄をしてマスキング。実車の塗り分け方は何種類かあるようですが、依頼者様の希望で、Aピラー、Bピラー、Cピラー、ドアミラーもボディ色で塗装します。

ボディ塗装

サイドの窓枠とボディの色をそろえるために、フィニッシャーズのファンデーションホワイトで下地塗装。乾燥機に入れて3日ほど乾燥させます。

ボディ色はクレオスC20ライトブルーで塗装との依頼でしたが、実車のイメージとはかなり違うので、依頼者様との相談の上、スカイブルーとルマングリーンを足して青みを強くしたものを使用します。

下地が乾燥したら、表面の凸凹が目立つ部分を軽くサンディングして本塗装。ツヤが出るように薄めに調整した塗料を少しずつ重ね塗りします。塗装が完了したら、乾燥機に入れてまた3日ほど乾燥。

光沢クリアーをかけてツヤ出し。再び3日ほど乾燥させます。

マスキングをはがして基本塗装完了。塗料のはみだしを修正し、細部塗装をすれば完成です。

完成!( ̄∇ ̄)