2023年9月完成
久々のオートバイモデルの依頼製作は20世紀末に登場したアルティメットスポーツ、「GSX1300R 隼」です。当時、二輪の最高速競争は300 km/h時代に入っており、ライバルのホンダの「CBR1100XX」やカワサキの「ZZR1100」などを抑えて世界最高速を達成したマシンです。最近のバイクについては詳しくないのですが、この後、最高速競争に歯止めをかけようという機運が高まったこともありおそらくこのマシンが今でも世界最高速なのではないかと思います。
水冷DOHC4バルブ直列4気筒 最高出力 175馬力
乾燥重量 215 kg 1999年発売
隼はかえる工房のかつての愛車「GSX1100S」に比べるとはるかにパワフルで軽量です。残念ながら隼に乗る機会には恵まれませんでしたが、「GSX-R750」に試乗した時は、タンクの幅の広さや無理のないランディングポジションに驚き、実際に走らせてみて素直なエンジンレスポンスやハンドリングの軽さに感心させられました。30年近くの時代差があるので当然ですが、同じスズキの二輪でも「GSX1100S」とは全く違う乗り物でした。最高速アタックにチャレンジする機会はありませんでしたが、素人でも200km/hオーバーくらいならたやすいのではないかと感じました。
製作記録
キットレビュー
パーツ一覧
パーツ数は約110点。タミヤらしく効果的にパーツを一体化してパーツ数を抑えています。昔のキットと比べると各部に極小の金属ビスが多用されていて、組み立てやすさと強度アップを図っています。
デカール
キットは2002年型がデフォルトですが、デカールは1999、2000、2001年型に対応できるように数種用意されています。今回は99年仕様のメタリックサターンブラック×メタリックライトチャコールでのご依頼です。
マスキングシート
カウルの塗り分け用のマスキングシートが付属。隼は三次曲面の塗り分けがあるのでこれは嬉しいボーナスです。
仮組み
主要パーツの仮組み完了。無塗装だとまるで仮面ライダーの新サイクロン号のように見えます。センタースタンドがないので、ディスプレイ用のクリアーパーツが付属します。
外装パーツの製作
パーツの接着
接着剤をたっぷりつけてフロントフェンダー、リヤカウルを接着。念のため黒い接着剤で裏打ちをして補強。
カウル固定用のネジ
カウル固定用のネジはモールドで再現されていますが、研ぎ出し塗装を行う関係から事前に削り取って塗装後に虫ピンの頭を接着することにしました。
塗装テスト①
カウルはメタリックサターンブラック×メタリックライトチャコールの塗装とのご依頼なので、クレオスの GX201メタルブラックとGX213 ホワイトシルバーで塗装テストをしてみましたが、どうも明るすぎるようです。
塗装テスト②
GX201メタルブラックにブラックを加え、GX213 ホワイトシルバーにメタルブラックを加えて色合いを暗く調整。依頼者様のOKがいただけましたので、これで本塗装を行います。
塗装①
メタリック色の発色を良くするために下地にブラックを塗装。
マスキング
メタリックグレーを塗装してからマスキング。99年〜00年型とそれ以降では微妙にパターンが違うので要注意!曲面が多くキット付属のマスキングシートだけでは完全にカバーできないので、マスキングゾルを併用。
塗装②
メタリックブラックを吹いて塗装完了!曲線が多くて塗り分けが難しかったですが、まあまあうまく行きました。
デカールはり
「SUZUKI」「隼」などのデカールを貼り付け。ここからクリアーコート→研ぎ出しを何度か繰り返してツヤを出していきます。
エンジン・フレームの製作
エンジン完成
エンジン、キャブレター等をシルバー、ブラックで塗装して組み立て。細部塗装が説明書では省略されているので、実車写真を参考にエナメル塗料で筆塗りしました。
エンジン搭載
いかにも剛性の高そうな角形アルミ製のツインスパーフレームにエンジンを搭載。昔のキットと違って極小ビスが使われているので仮組みがしやすくなっています。
足まわりの製作
リア周り完成
ホイール、リアサス、ブレーキ、チェーンなどを塗装してメッキパーツのスイングアームに組み込み。
フロント周り完成
Fフォークやブレーキ周りをアルミシルバー、チタンシルバー、チタンゴールド、ブラックなどで塗り分け。インナーチューブにはメッキシールを貼り込みました。
マフラーの製作
マフラーの完成
エキゾーストパイプはフラットブラック、サイレンサー部はアルミシルバーで塗装。接続部分のメッキパーツはそのまま使用しましたが、設計が絶妙なのか接着線はほとんど気になりません。
フロントカウルの修正
フロントカウルの塗装
ショック!ここまできて塗装ミスが発覚。99年型のフロントカウルは中央部もメタリックブラックでした!・・・( ´△`)
フロントカウルのすり合わせ①
塗装をやり直すついでにカウルのフィッティングを見直し。フロントカウルのステー部を削って、取り付けユルくして接着時に微調整が
フロントカウルのすり合わせ②
カウルがぴったり合いました。サイドカウルはネジ止めですが、締め込み方を調整してフロントカウルとぴったり合う位置を探します。
再塗装
99年型の資料をよく見て、改めて塗装。こんどこそ間違いないので、デカールをはってクリアコートをします。
完成!
クリア層を研ぎ出してコンパウンドで磨いてツヤ出し。せっかく塗装したカウルや透明パーツを痛めないようにスクリーンや灯火類の接着にはエポキシ接着剤を使用します。