2024年8月完成
次のご依頼は1/43のF1メタルキット、ベネトンB186 メキシコGP仕様(ゲルハルト・ベルガー優勝車)です。
F1でスポンサー活動をしていたイタリアのアパレルメーカー「ベネトン」がトールマンチームを買収し、1986年に「ベネトン・フォーミュラ」として参戦を始めた最初のマシンがこのB186です。トールマン時代から引き続きロリー・バーンが設計を手がけ、マシンデザインはTG185の流れをくむものですが、BMW直4ターボエンジンにスイッチしたことで予選1400馬力、決勝900馬力という強烈なパワーを手に入れました。
今回のご依頼品はタメオの比較的新しいキットなので、ヘタなプラモデルよりも安心して製作できました。
アパレルメーカーのチームとあってド派手なグラフィックです。翌年のB187からは一般的な塗り分けに変わりましたが、これは評判が悪かったのでしょうか?
F1では珍しい直列4気筒エンジンを積んでいるためインテークは左側のみ。冷却上の問題があったのかメキシコGP仕様では右サイドポンツーンのパネルが外されていてエンジン部がチラリと見えます。
製作記録
キットレビュー
メタルパーツ一覧
パーツ数は約130点。1/20キット並みの精密さですが、今回はプロポーションモデルとして製作しますので、見えない部分の組み立てや塗装は極力省略します。
エッチングパーツ、その他
新品キットなのでパーツはピカピカです。この前のBBRのキットはタイヤやエッチングパーツの劣化がありましたが、これは大丈夫のようです。
デカール
質の高い(おそらくカルトグラフ製)デカールが2セット付属。海外製ガレージキットでは割と一般的ですが、国産キットでもグラフィックの重要なキットでは見習ってもらいたいところです。
組み立て説明書
タメオの後期のキットはフルカラーの説明書がついています。この辺りもヘタなプラモデルよりよほどしっかりしています。
ネームプレート
エッチング製のネームプレートとデカールが付属。今回はメキシコGPで優勝したG・ベルガー車として製作します。
仮組み
脱脂作業
パーツを30分ほどアセトンに漬け置きをして脱脂作業。キツい溶剤を使っても侵される心配がないのがメタルキットのいい点です。
ディスプレイベース
ロムの1/43アクリルケースホワイトベースを使用。シャーシ側に3mmナットを黒い接着剤で固定。スペーサーはキット付属のものを使用します。
エンジン周り組み立て
カウルを脱着して鑑賞できるようにM12/13エンジンが精密に再現されています。足回りは若干すり合わせが必要です。
仮組み
ボディに前後ウィングと足回りをつけてバランスを確認。接地性は良好で特に調整する必要はありませんでした。
サイドカウル
80年代のマシンなので、当然フルカバーカウルだと思っていましたが、なんと右サイドのカウルが外されています!資料がなくてよくわかりませんがメキシコGPだけの特別仕様のようです。
塗装
下地塗装
マルチプライマーを吹いてから、ファンデーショングレイで下地塗装。細かいキズをチェックしてから本塗装に入ります。
塗装①
フィニッシャーズのピュアホワイトで塗装してからマスキング。
塗装②
緑の部分はフィニッシャーズのピュアグリーンで塗装。
シャーシ塗装
シャーシ、前後ウィングはセミグロスブラックで塗装します。
デカール貼り
ボディと前後ウィングにデカール貼り。デカールは質の良いものでシワもワレもなくキレイに貼れました。アパレルメーカーのチームとあって後部のグラフィックが実にハデです。
コクピット
シート、ステアリングホイール等を塗装。シートベルトはキット付属のエッチングパーツを使用しました。
シャーシ側完成
シャーシにエンジン、コクピットを接着。サイドポンツーンの右側は外から見えるので、細かい内部パーツも組み立てて塗装しました。
ボディ完成
ボディにウレタンクリアを吹いて、1000番〜3000番のヤスリで研ぎ出しをしてコンパウンドで磨いて完成。あとは各パーツを組み立てるだけです。
最終組み立て
フロントサス完成
サスアームの取り付け位置が決まったら、プッシュロッド、タイロッドを取り付けてフロントサスは完成です。
足回り組み立て
エポキシ接着剤で足回りを接着。水平、垂直が正確に出るように接着剤が完全硬化するまで真鍮ブロックで固定します。
ウィング組み立て
エポキシ接着剤でウィングを接着。足回りと同じように真鍮ブロックで固定します。
細部組み立て
コクピット周り細部組み立て。シールドは極薄の透明シートを切り抜いて丸みをつけてから接着するようになっていて、この作業だけで三日もかかってしまいました。