2025年4月完成
メーカー:マックスファクトリー 原型制作:田中冬志・松宮誠一
かえる工房のフィギュア作品はレジン製のガレージキットばかりで、組み立て式プラモデルフィギュアは今回が初挑戦となります。最近は完成済みPVCフィギュアと組み立て式プラモデルフィギュアが主流となってきたので、試しに一つくらい作ってみようと思っていましたが、オリジナルキャラには興味がないし、バンダイはイマイチ信頼できないので、どうしたものかと思っていたところに、発売情報を見て速攻でポチってしまいました。
ボックスアートは劇中のアニスとも製品ともぜんぜん似ていないしなんでこんな絵を・・・と思いましたが、イラスト担当はなんと!キャラデザインを担当した菊池通隆(麻宮騎亜)氏。30年も昔の作品で描き方を忘れたか?それとも単なる手抜き仕事か?ネームバリューだけでこんなイラストを使うくらいなら完成写真だけでよかったんじゃないかと思います。
2体分のパーツを使用して2丁装備にしてみました。
製作記録
初心者や時間のないユーザーを意識して、ガンプラと同じように接着剤や塗装は不要ですが、ABSが多用されていて塗装派にはいささかキビシイ仕様になっています。全体によくできているので、細かい点を改修し、塗装は最低限に抑えてキットの成形色を生かした製作をしました。
製作上のポイント
①顔パーツの交換がやりにくい。
②透明パーツの下地が透けて色が濁る。
③太ももの可動部にカタイ部分とユルイ部分があって調整が必要。
塗装に失敗してパーツ購入をしましたが、こちらでは③の問題は解消していました。
すぐに改修を行ったのか、たまたまハズレのキットに当たっただけかもしれません。
キットレビュー

パーツ一覧
パーツ数は約270点。箱から溢れるほどパーツが詰まっていてガンプラのMGシリーズのような感じです。

組み立て説明書
組み立て説明書はオールカラーの冊子形式。初心者でも組み立てられるように初歩的なことから非常に丁寧に指示されています。このへんはスケールキットメーカーも見習ってもらいたいものです。

主要パーツ
白パーツ52点、青パーツ52点、ピンクパーツ84点。手足は左右同じ形状で、ランナーが2セット付属しています。ヘルメットのシールド、関節の丸モールド、肩の装甲やオッパイカバー(笑)などはクリアーパーツで再現できます。

髪パーツ
髪パーツは18点。ヌキの問題かガレージキットやPVCフィギュアに比べるとかなり細かく分割されています。

顔パーツ
顔パーツは完成済みのものが3点。自分でデカールを貼るものが3点付属。笑い顔の口内は別パーツになっています。

手首パーツ
手首パーツは8点。ポージングによって握り手、銃の持ち手、開き手2種が交換可能です。

武器パーツ
武器パーツは12点。通常のソニックガンにオプションをつけることでライフルモードにすることができます。

ディスプレイベース
パーツ数は8点。クリアーパーツで成形されキットの付属品としてはかなりかっちりした作りです。短いアームと長いアームが2セット付属していて好みによって交換できます。

シール類
黒ラインや白ラインまで完全に色分けをするのは難しかったようで、ここはホイルシールをはって再現。瞳デカールは正面、左目線、右目線の3種類が付属します。

仮組み完成
とりあえずゲート部分を処理しただけのパチ組みで仮組み完了。1日1時間程度の作業で1週間ほどかかりました。この手のキットに何を求めるかの問題ではありますが、無塗装のままではやはりオモチャっぽく見えます。
頭部(素顔ver.)

仮組み
細かいパーツを接着した状態。顔パーツを交換するためにはここまで分解が必要です。figmaなどと比べて脱着部が多くて面倒だし破損の心配もあります。

顔パーツのダボ
ダボがひっかかって顔の交換がやりにくいので、2mmほど残してカット。ここは完全に設計ミスで、髪やヘルメットで顔をしっかり保持するので、こんなに長いダボは全く必要ありません。

アホ毛の取り付け位置
アホ毛の部分も少し問題。アホ毛は前髪の一部なのになぜか頭頂部に接着するようになっていて、前髪を外す前に頭頂部を外す必要があります。

アホ毛の取り付け位置変更
アホ毛の取り付けダボをカットして前髪のほうに接着。これだけで前髪の脱着がスムーズになり、頭頂部を外す必要もなくなります。

改修完了
以上の改修で髪パーツを2ヶ所外すだけで顔の交換ができるようになりました。耳が鬢にひっかかるため取り付けには少しコツがいります。

顔パーツ完成
素体パーツ(上段)にデカールを貼って、口とピアスを塗装。塗装済みパーツ(下段)はそのまま使用します。六つもありますが、目線が変わるだけでほとんど変わり映えしません。

頭部完成
ブラウン系の塗料で髪に軽くシャドーとハイライトを入れて、セミグロスクリアーで仕上げました。
頭部(ヘルメットver.)

顔の脱着
ヘルメットver.も顔のダボをカットすることで交換可能になりましたが、耳の部分を左右に広げる必要があるので、◯のパーツは接着せずにパチ組みにします。

耳のクリアーパーツ
そのままクリアーパーツをはめると下地の色が透けて濁って見える(左)ので、市販のメッキシールを7mm径にカットして貼り込みました(右)。

額センサー
額の左右センサーも下地のピンクが透けてしまうので、裏のダボの部分を削ります。

アンテナ
左右の耳パーツから伸びるアンテナ。付け根がボールジョイントになっていますが、ユルユルだし可動してもあまり嬉しくないので、適当な角度で接着しました。

内部塗装
メットオフ状態でも飾れるように内部をセミグロスブラックで塗り潰しました。

ヘルメット完成
黒のラインは塗装で再現。クリアーコートをしてバイザーと顔を組み立てて完成。ううむ・・・いろいろと手を入れましたが、素組みと大して変わりないような・・・😅😅😅
ボディ

仮組み
首、胸、腹、腰と4か所にボールジョイントが仕込まれ、女性らしい柔らかいポージングが再現できます。胸の下の小さな装甲は外れやすいし可動してもあまり意味がなさそうなので、固定したほうがいいかもしれません。

白ライン塗装
最初はエナメル塗料を筆塗りしたのでが、塗膜が弱くて可動部がすぐにはげたので新品パーツ購入をしてやり直し。マスキングをしてラッカー塗料で塗り直しました。この辺は可動部が多いので、取り扱いは要注意です。

背中のセンサー
キットのパーツにはデカいダボがあり目玉の親父みたいになるので、市販のレンズパーツに交換。メッキシールで裏打ちをして接着しました。

ボディ完成
紫のインナースーツ部はセミグロスクリアーで、赤のハードパーツ部は光沢クリアーでコーティング。光沢部はコンパウンドで軽く磨きました。
脚部

仮組み
太ももの外側に追加装甲が付くようにデザインがアレンジされています。太もものロール軸が抜けやすいので、少し加工した方がよさそうです。

可動範囲
ヒザはかなり深く曲げられ、ボールジョイントでつま先も可動しますが、ヒザアーマーとスネの差し込みが抜けやすいので接着した方がいいかもしれません。スネの裏のカバーは開閉可能でメカ部分が露出します。

太もも関節
太ももの可動範囲を広げるために関節軸を引き出すことができますが、かなり動きがシブいので、すり合わせをしてスムーズに動くように調整しました。

太ももロール軸①
ここも明らかに設計ミス。けっこうスペースがあるのにロール軸(紫のパーツ)は受け側(白のパーツ)よりも短いです、おそらく太ももにはさむピンクの装甲パーツの厚みを忘れていたのでしょう。

太ももロール軸②
ロール軸が簡単に抜けないように2mmほど延長。上の写真と比べるとロール軸がポリパーツから飛び出していますが、スペースに余裕があるので問題ありません。

足首クリアーパーツ
足首のセンサー部も色が透けて濁ってしまう(左)ので、ここもメッキシールを張り込んでからクリアーパーツを組み立てました。

塗装①
スネカバーが開いて中のメカ部分が見えますが、成形色の白のままでは寂しいので、シルバーで塗装してスミ入れをしました。

脚部完成
ボディ同様、光沢クリアーでコーティング。エナメル塗料のパープルでスミ入れをしてから、コンパウンドで軽く磨きました。
腕部

仮組み
ボディや脚部は関節部でほとんど脱着できますが、腕部で分解できるのは肩、腕、手首のみで、ヒジ関節ははさみ込み式になっています。

腕の可動
ヒジは二重関節になっていて、腕が細いため180度近く曲げることができます。

腕部完成
ボディや脚部と同じようにクリアーコートをしてスミ入れ。ヒジ関節は分解できないので、あまり溶剤がかからないように注意しました。
武器・ディスプレイベース

ソニックガン
オプションパーツをつけるとライフルモードになりますが、差し込みがカタイので、塗装をする場合はどちらかを選択して接着した方がよさそうです。赤丸のパーツをセンサーパーツと交換すると腰部に固定することができます。

クリアーパーツ
ライフルモードの銃身左右はクリアパーツになっていますが、やはり色が濁るので裏からシルバーで塗装しました。

クリアーパーツ
レーザーサイト?の部分はただの凹みになっているだけなので、市販のクリアーパーツをはめ込みました。

完成
グレー+パープル(少量)で塗装し、エナメル塗料のパープルでスミ入れ。2セットのパーツを使用して、ソニックガンとライフルモードの2丁を製作しました。

ディスプレイベース
普通の立ちポーズならスタンド無しでも自立しますが、ジャンプしたポーズなどで役に立ちます。アームは長短2種が付属しますが、写真は短いものです。