ハセガワ 1/24 ランチアストラトスHF ”ストラダーレ”

2021年10月完成

製作記録

製作上の注意点

①ボディとシャーシの組み合わせが非常にタイトでヘタにはめ込むと破損の恐れがある。

②ラジエーターグリル、カウルのキャッチピンなどがショボいので、できれば別売のエッチングパーツを手に入れた方がよい。

③非常に薄くて破損しやすい部分が多い。

キットレビュー

ストラトスは私が「死ぬまでに一度は乗ってみたい車」ベスト10に入りますが、大好きな車であるが故になかなか手が出せませんでした。タミヤと比べると明らかにワンランク落ちますが、フジミのやつよりはマシだろうと今回はハセガワのキットを選びました。

箱を開けるとエンジンレスのわりにやけにパーツが多いなあと思いましたが、実はラリーバージョンのランナーを流用しているために使用しないパーツが大量に入っていたのです。パーツ一覧の網掛けの部分が不用パーツです。

ラリーバージョンのホイールも付属しますが、タイヤサイズが違うため、そのまま使用することはできません。ランボルギーニミウラと同様タイヤはランナーつきですが、サイドウォールのモールドが再現されており、この点はミウラより改善されています。

シートやダッシュボードなどの内装もラリーバージョンのものが付属。選択の余地があるという意味ではサービスと言っていいのでしょうか?

なんと!クリアーパーツのランナーがグンニャリと曲がっています!パーツそのものは影響ないようですが、どういうわけでしょうか?こんなに酷いのは大昔の海外キット以来です・・・( ´△`)

ボディ下部の回り込みが非常にきついというデザイン上やむを得ないのでしょうが、説明書をよく読むと恐ろしいことが書かれています・・・(´・_・`)

シャーシ・コクピットの作製

エンジン周りやフレーム類はやたら細かくパーツ分割されているので、同色のパーツをあらかじめ組み立てておきます。

シャーシの塗装完了!・・・と思ったらやってしまいました(@_@)。マスキングテープをはがすときに指が引っかかって「パキッ」。このキットはやたらと肉厚が薄くて破損しやすい部分が多いので注意が必要です。

シャーシにエンジンパーツとフレームを接着。破損したシャーシパーツは瞬間接着剤で固めてなんとかリペアしました。

リアサス周りのパーツも細かく分割されているので、ある程度組み立ててから塗装をします。取り付け位置が曖昧なので、左右の角度がそろうようにバランスを見ながら注意して組み立てます。

ホイールはガイアカラーEX-ゴールドで塗装。メッキではない金塗装を再現するならこの色が一番です。発色をよくするために下地には黒を塗りました。

足回りの組み立て完了。フロントはいいのですが、リアの足回りは取り付け位置がはっきりないので、注意して組み上げます。さて。車軸がきれいに通っているかどうか・・・。(´・ω・`)

4輪がピタリと接地!この前のミウラでは失敗してホイールが浮いてしまいましたが、今回はうまくいきました(^O^)

コクピット完成!このキットではドアの内張りやダッシュボードはボディ側につくのでシャーシ側はこれだけです。シートは黒の下地を少し塗り残す感じでブルーを塗装して立体感を出してみました。説明書の指示にはありませんでしたが、せっかくなのでシートベルトのデカールもはってみました。

スペアタイヤはラリーバージョンのまま( ´△`)。完成すればどうせ見えなくなるので、塗装はけっこうテキトー。ボンネットが外せればがんばって作り込むのですが、このキットは完成後は見えなくなるパーツが多くてちょっとストレス。私は見えないところはどーでもいい派なので、いっそ板シャーシに軸を通しただけのキットでもいいのですが・・・。

メーターパネルの塗装はいつも悩まされますが、今回マスキングゾルを使った塗装を試しました。まず、メーターパネルの白銀を塗装。メーターのフチやボタンの部分を残すようにマスキングゾルを塗布して黒を吹きました。タッチアップなしでこの状態です。思ったよりうまくいきましたがいかがでしょうか?

ボディの表面処理

とりあえずボディの表面処理。パーティングラインの部分をサインペンでなぞってガイドにします。ボディもラリーバージョンの流用で、キャッチピンやジャッキポイントなど不必要なモールドがあちこちにあります。

フロントのルーバーは抜けが悪いところやバリがでているところがあるので、デザインナイフと細切りした400番の紙ヤスリ整理してシャッキリさせます。

ボディサイドの下部にジャッキポイントのでっかいモールドがありますが、ストリートモデルには不用なのできれいに削り落とします。

ボディのプレスラインにそってリアフェンダーに水平にモールドが入っていましたが、考証ミスのようなのでパテで埋めてツライチにしました。

スポイラーにはけっこう大きなヒケがあるので、waveの黒い接着剤でパテ埋め。リアスポイラーはモールドがぼんやりしているので、表面に0.3mmプラ板をはって段差表現をしました。

ラジエーターグリル下のバーは非常に細くボディの表面処理をしている時に折ってしまったので、0.3mmプラ板で補強。写真ではわかりにくいですが、サインペンで黒く塗った部分が元々のパーツで、その裏にプラ板をはりました。

インジェクションキットにしては表面がベタついている気がしたので、念のため中性洗剤で8時間ほど漬け洗い。

フロントとリアのオーバーハングの内張を接着してボディ内部を黒で塗装。リアの内張の断熱部分?はシルバーで塗り分け。やはりこのキット、見えないところが妙に凝っています。こんなところに凝るよりも、キャッチピンなどの小物をエッチングパーツにしてくれた方がありがたいのですが・・・

マスキングをしていよいよボディ塗装!

ボディ塗装

ストラトスのストリートモデルは赤が多いようですが、赤は少しあきたので今回はイエローにしました。この前使ったファンデーションホワイトの発色がよかったので、今回もフィニッシャーズのピュアイエローを使用。

イエローは隠蔽力が低く塗装が難しい色ですが、下地にサンディブラウンを使うと良いという情報を得たのでさっそくテスト。確かに透け防止になりムラも出にくいですが、いくら重ね塗りしても少し濁ったカラシ色になる(左)ので、やっぱり下地はホワイト(右)でいきます。

というわけで、いつものように下地にはクレオスのベースホワイトを吹き付け。この時点で細かいキズをチェックしながら600番のヤスリで表面を慣らしました。この作業中にラジエーターグリル下のバーがまたしてもポッキリ!( ´△`)。完成したらどうせほとんど見ない場所なので放置することにしました。

塗装の乾燥待ちの間にダッシュボードや外装の準備。ナンバープレートは「品川33 そ・750」。「あの人」のナンバーです。今回はフジミのナンバープレートデカールを使用。プレートを白で塗装して直接ナンバーをはっていきました。かなり前に購入したものですが特に問題なく使用できました。

フューエルキャップの塗装にはガンダムマーカーのEXメッキシルバーを使用。形状もラリーバージョンのままですが、メンドくさいので気がつかなかったフリをします(^^;)。

やはりイエローは難しい(´・ω・`)・・・。角のあたりが何となく薄く見えるので、集中的に色をのせ、なんとか均一に塗れました。

パネルラインに沿ってクレオスのウェザリングカラーマルチブラックでスミ入れをして、デカールをはってからクリア吹き。

充分乾燥させてからボディ表面をコンパウンドで磨き、ウィンドウ、ダッシュボード、ドアの内張などを接着。

いよいよ恐怖の瞬間!シャーシとボディの合体。説明書にもある通り組み合わせが非常にタイトなので実際にボディをのせるのは初めてです。

ボディ下部の回り込んだ部分を開いて前からシャーシを差し込み。メリメリとイヤな音がしましたが、なんとか成功!この作業でボディにヒビが入ったなどという話も聞きましたのでヒヤヒヤものでした。(^_^;)ただ、はめこみがキツくてシャーシがゆがんだのか、ホイールがきちんと接地しなくなりました。リヤカウルをカットして後付けしている人もいましたが、今度作る機会があればその方法を試してみます。

リアスポイラー、ルーバーなどを接着。黒が入るとグッとしまって見えます。透過類やミラーをつければいよいよ完成!

ラブ・バッグシリーズ(1968〜77年・米)

ラブ・バッグ(1968年・米)原題:The Love Bug

落ち目のレーサー、ジム・ダグラスが意思を持ったフォルクスワーゲンの「ハービー」と出会い、レースで連戦連勝を続ける・・・。実写のカースタントはあまりなく、ウィリーをするなど派手なシーンはコマ落としや合成技術を使ってアニメ的に表現するところがディズニーらしいです。ストーリーは敵役の卑怯な妨害もあり、ヒロインとのラブロマンスもありと良くも悪くも一昔前のレースコメディの典型です。

舞台はサンフランシスコで、有名なロンバートストリートの坂道を軽快に降っていくシーンが印象的でした。


続ラブ・バッグ(1973年・米)原題:Herbie Rides Again

キャストを総入れ替えした本作ではハービーはレースを引退したポンコツ車という扱いになり、車映画としては物足りない内容になっています。大型スーパーの建設を画策する不動産業者からどうやっておばあちゃんの家を救うか?・・・というストーリーに、人気者のハービーを無理やり割り込ませた印象でいささかバランスの悪い作りになっています。合成が多用され、ハービーがゴールデンゲートブリッジや高層ビルに登るなどファンタジー感は増していますが、リアルなカーアクションはほとんどありません。

ラブ・バッグ モンテカルロ大爆走(1977年) 原題:Herbie Goes To Monte Carlo

シリーズ3作中で私のイチオシはコレ!

第1作の主人公ジム・ダグラスが再登場し、ダイヤモンド盗難事件に巻き込まれながらもフランス縦断レースに出場します。エッフェル塔からスタートし、パリの街中から田園地帯をぬけ、アルプスの山越えを経てモンテカルロへと観光映画的な楽しさもあり、登場する車種もヒロインの愛車、ランチアベータモンテカルロ、ライバルレーサーのポルシェ917(のレプリカ)の他にも背景としてチラリと写る程度ですが、デ・トマソ・パンテーラ、フェラーリデイトナ、ロータスエラン、ポルシェ911、フェアレディZ、ランチアストラトスと私好みの車が続々と登場します。

スタート地点のエッフェル塔に参加車が集合。

予選レースでカワイイ車を見つけたハービーは興奮します。ハービーは今回4回ほどウィリーを披露しますが、全て機械的な仕掛けを使った特撮で合成ではありません。

今回、ハービーのガールフレンドになる「ランチア ベータ モンテカルロ」。車名に「モンテカルロ」が入っているのもなんだかベタベタでイイ!。ヘッドライトが変なリトラクタブルに改造されているのはウィンクをする演技があるからでしょう。

公園で戯れるハービーとランチア。「まてよ〜❤️」「うふふふふふ❤️捕まえてごらんなさい❤️」というシュールなシーン。よくみるとランチアは髪飾りの花をつけています。

レース本戦がスタート!各車は凱旋門の前を通ってパリの街中へ。

ライバルのポルシェ917(モドキ)とデ・トマソ・パンテーラ。

定番の土管くぐり。敵役のベンツが後に続いて・・・結果は言うまでもありませんね(^_^;)

アルプス越えをしてモンテカルロの街中へ。有名なロウズヘヤピンでタイヤを滑らせてコーナリングをするフォルクスワーゲンとポルシェ917(モドキ)。

レース終了後にヘンな日本人がチラリと登場。メガネに出っ歯にスーツ姿で写真を撮りまくる。77年にしてまだこの日本人ギャグが生きていたのですね(^_^;)。

レース映画として改めて作り直そうとがんばったのか、第1〜2作と比べるとカースタントが充実していて、特にゴールのモンテカルロ市街地コースでライバルのポルシェ917とデットヒートを繰り広げるシーンはかなり燃えます。コマ落としを使っているのではないかと思いますが、アニメっぽい合成シーンに比べれば100倍マシです。唯一残念なのが、前作までは16:9のビスタサイズで撮影されていたのに、この作品だけは4:3のスタンダードサイズになっていることです。

この3作の後、1980年製作の「ビバ!ラブ・バッグ」という4作目があるそうですが、なぜかDVDセットには入っていませんでした。そして、2005年には「ハービー 機械じかけのキューピッド」がリメイクされましたが、これも未見なのでそのうち見てみるつもりです。