レジンキットフィギュアの磁石接続

かえる工房では1/8以上のフィギュアを製作する場合、主要パーツを接着しないでネオジム磁石で接続します。この方法には以下のようなメリットがあります。

①塗装中に色合いをテェックしたい時に簡単に仮組みができる。

②最終組み立てで接着剤を使用しないため、塗装面を汚すリスクがなくなる。

③輸送する場合、分解して梱包すればコンパクトになり破損の危険も減る。

④パーツが磁石でヒコヒコくっつくのがなんか面白い(^◇^)。

1.材料とツール

ネオジム磁石①

5mm以上の大きめのものなら百均でも手に入りますが、3mm〜1mm径の小型のものはハイキューパーツから模型用のものが発売されています。

ネオジム磁石②

1/6〜1/8フィギュアの場合、主に3mm×3mmの磁石(左)を使用。ごく細かい部品には2mm×1mm(右)を使うこともあります。写真のように繋いだ状態にしておくと作業がはかどります。

ピンバイス各種

軸うちと同様、ケガキ針と0.5mm〜3.0mmのピンバイスを使います。

WAVEのHGワンタッチピンバイス

4mm以上の大型磁石を埋め込みたい場合はWAVEのHGワンタッチピンバイスを使用します。セットで購入すると4.0mm、5.0mm、6.0mmのドリルが付属します。

瞬間接着剤など

左から瞬間接着剤、シアノン、メンソレータム、硬化促進剤。この辺も軸打ちと同じものを使用します。

瞬間カラーパテ

シアノンが入手しにくいので、最近はガイアノーツの瞬間カラーパテを使っています。シアノンに比べてドロッとしていてよりパテに近い感じです。各色が発売されていて混色も可能です。

2.基本編

磁力が効けば十分なので軸打ちほどの精度は必要ありません。ちょっとしたコツがありますが、軸打ちがきちんとできる人であれば簡単にできると思います。まだ軸打ちに自信のない方は下のリンクからどうぞ。

★ちょっとしたコツ

①穴はやや深めに掘って、磁石同士がピッタリ接するように固定する。

②磁石を無理に押し込むと修正したい時に抜けなくなることがある。

③磁石を抜きたい時は熱湯につけるとレジンが柔らかくなって簡単に抜ける。

④逆にゆるすぎる場合は瞬着を一滴垂らして固定する。

セーラーサターンミュージカルver.

太ももの接続。2mm真鍮線で軸打ちをして周囲の3か所に3mm×3mmの磁石を埋め込みました。腰やモモは面積が広いので比較的作業が容易です。

セイバーオルタ

上半身と左右のモモに分割されているので上下左右それぞれ2か所に3mm×3mmの磁石を埋め込みました。このように込み入った部分は真鍮線や磁石が相互に干渉しないように注意しましょう。

3.応用編

セーラーサターンミュージカルver.

ヒジは面積が狭いので、通常とは逆に中心に磁石を埋め込んでサイドに真鍮線で軸打ちしました。あまり荷重のかからない部分なので特に問題ありませんでした。

セーラーサターンミュージカルver.

スカートのフリルも磁石接続にしました。スペースがあまりないので最初は1mm径磁石を使いましたが、磁力が弱すぎて使い物にならないので2mm径のものに変更しました。内側に若干はみ出してしまいましたが普通見えないところなのでまあ、いいでしょう。

木之本桜3rdOPver.

これも腕の接続面の面積が狭いですが腕が胸に密着しているので、軸打ちとは方向を90度変えて磁石を埋め込み、腕と胸が接続するようにしました。

アスカ ゴスロリバージョン

ここは思い切って3mm磁石のみで接続。軸打ちを省略したのを補うために受け側の穴に磁石がはまり込むように加工。ほとんど荷重のかからない部分なのでこれだけで十分です。

4.ディスプレイに応用

アスカ ハイグレードクリスマスver.

PVC製の完成品ですが、バランスが悪くてすぐにコケてしまうので、ヒザに3mmの、ベースに15mmのネオジム磁石を埋め込みました。

ホシノルリ水着ver.

ベースを立てた状態でディスプレイしたいので、フィギュアの背中とベースにネオジム磁石を埋め込みました。

フィギュア全体の重量を固定するため、本体には6mm×2.5mm×4個、ベースには13mm×2.5mm×4個と大型磁石をそれぞれ二か所に埋め込みました。通常のピンバイスでは6mmサイズがないのでWAVEのHGワンタッチピンバイスを使用し、13mmの穴はリーマーで強引に広げました。

アスカ ゴスロリバージョン

キットにはディスプレイベースとお尻にダボがあり接着する仕様になっていましたが、5mm磁石を埋め込みました。

1/6 エミルマ エマ&2Bヘッド

メーカー:アカギ屋 原型製作:BANGLE

●クリックすると画像が拡大できます。

アカギ屋の1/6レジン製フィギュアでなかなかデキがいい!しかし、キャラがオリジナルなのでモチベーションがイマイチ上がらない。いや、これはこれで可愛いのですが・・・(*´ω`*)。頭部がパーツ分割されていて、簡単にすげ替えができそうなので、手持ちのフィギュアで合いそうなものを探しました。

最近のフィギュアは1/6より若干小さいものが多く、サイズの合うものがなかなか見つかりませんでしたが、2Bの頭がピッタリでした(^O^☆♪

クレイズの1/6ホシノルリもピッタリなのですが、そう安くはないキットをつぶして流用するのはちょっともったいないし、ちょっと胸が大きすぎるかな?・・・(´・ω・`)

ゴシックナイトのアスカもいけそうですが、長い髪で背中が隠れてしまう・・・(´・ω・`)

とりあえず、仮組み完了!かなり胸が豊満なので、やっぱり成人女性のほうが似合うかな?

2Bの頭をのせてみました。顔はマスクありとなしを交換できます。胸のサイズはちょうどいいのですが、お尻と太もものボリュームが足りなくて少し頭でっかちに見えます。

いつものように太ももの接続部にネオジム磁石を埋め込み。

太もものパーツの合いがイマイチだったので、シアノンで太ももの隙間を埋めました。接合面の片方にメンタムを薄く塗っておくときれいにはがせます。

お尻と太ももにポリパテを盛りつけてボリュームアップ。左右のバランスが揃うように腰の左右に1.2mmプラ板を貼り付けてガイドにしています。

左が素組み状態。どっしりとした安産型体型になりました。

2Bの首が少し太くて首輪がうまく嵌まらなかったので、薄く削ってすり合わせ。太もものベルト部分に隙間が目立ち不自然に食い込んでいるので、ラインがなめらかになるよう修正。

首輪や拘束ベルトには6mmの丸カンをはめます。全部で13ヶ所もありました。

首輪に鈴をつけてみました。ネームプレートはとりあえず首からかけてみました。

手枷、足枷に鎖をつないで床に固定します。

0.3mm洋白線を芯にしてアホ毛やほつれ毛を表現。

大人のおもちゃを自作。プラ板、バーニアパーツを組み合わせたリモコンに赤のビニールコードを接続。アナルプラグは黒のビニールコードにビーズを差し込みました。

パールローターをお股に挿入。

リモコンと太ももにネオジム磁石を仕込んで脱着可能としました。

アナルプラグをお尻に挿入。

下地にガイアカラーの「ノーツフレッシュホワイト」をベタ塗りしてから、サフレスフレッシュピンク+サフレスフレッシュオレンジ(1:1)でシャドーを入れました。

「ノーツフレッシュ」を薄めたものを全体に吹き付け、色を慣らして仕上げです。

2B頭部に差し替え。髪の色は失敗したので、後で塗り直します。

腕や足の拘束ベルトを赤で塗装。三十箇所以上あるリベットのモールドは一度削り取って虫ピンの頭を埋め込みました。

完成見本では黒髪ですが、茶髪にしてみました。

アイペイントはエナメル塗料を使用。ハルレッドで輪郭をとり、瞳のエメラルドグリーンのみアクリルガッシュを使用。

塗装はほほ完了!タッチアップの後、クリアーをかけてツヤの調整をします。

マニキュアとペディキュアもしました。

木製プラークにスプレーニスで着色。牢獄の床をイメージしてタミヤの「情景シート(石畳C)」を貼り付け。

名札を作成。ナンバーは手持ちのデカールから適当なものをチョイス。「EMMA」のデカールはブリックワークスの「キリルアルファベットスタイルA」を使用。

百均で見つけたキーホルダーにチェーンをつないで足枷の鉄球を作製。

(^∇^)完成!

2021年6月完成

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オリジナルヘッド

2Bヘッドに交換