新・おしゃれ泥棒(1974年・英)原題:11 Harrowhouse

邦題は「新・おしゃれ泥棒」とありますがオードリー・ヘップバーンの「おしゃれ泥棒」とは全くの無関係。人気作品のパクリ的邦題は昔の(今も?)配給会社がよくやる手法ですが内容的には結構あっています。

私の目当てはストーリーよりもカーアクション!キャンディス・バーゲンの登場シーン。対向車をよけて道路を飛び出したディノ246GTSがスピンターンを決めます。

依頼人の大富豪の屋敷にはホーカーハリケーンが・・・。

特に活躍はしませんが、敵役の車としてシトロエンDSも登場します。

なんと!掃除機で吸い込んで宝石を強奪します!ルパン三世の元ネタはこれだったのか・・・と思いましたが、この作品は74年で、ルパン三世テレビシリーズが71年〜72年。まさか日本のアニメを模倣したとも思えないのでさらに古い作品にルーツがあるのか?

クライマックス。富豪夫人が夫を裏切って主人公たちを助けるためにロータスヨーロッパで出動!加速時にはフロントが上がり気味になってミッドシップ車の重量バランスが後ろの方にあるのがわかります。

富豪の部下がジャガーで主人公たちを追跡します。この富豪はもともと主人公の依頼人だったのにいつの間にか敵役になっていますが、どうしてそういうことになったのかイマイチはっきりしないところがこの映画の問題点・・・。

ロータスもここでスピンターンを決めます!

ウヒー!かっちょいい〜!

「ガッツ!」「しまった!スタビライザーを打ったか⁈」・・・とはなりません。

工事中の土管が道を塞ぎますが、ロータスは車高の低さを活かして見事にくぐり抜けます。

敵役のジャガーも後に続きますが・・・

もちろんこうなります・・・ちゃんちゃん♩

「ミニミニ大作戦(1969年)」やアメリカ映画のように派手なクラッシュシーンはないものの、ちゃんと車に見せ場が用意されているところに作り手のやる気が感じられます。ほとんど評価されていない作品ですが、欧州車のカーアクションは珍しいので、私にとっては大切な映画の一つになっています。

単なるアクション映画ですから、ストーリーが多少グダグダでも構わないのですが、見ていて眠くなるのはキャラがたっていないからでしょう。主人公は地味で特徴がないし、ヒロインのキャンディス・バーゲンは確かに美人ですが妙にゴツゴツしていて色気も可愛げもありません。

この作品の批判意見に「主人公のモノローグが延々と流れて映画的ではない」というのを見てふと思いつきましたが、これって「涼宮ハルヒの憂鬱」でやればいいのではないでしょうか?優柔不断なキョンがワガママ女のハルヒに振り回され、右往左往しながら宝石強盗をする・・・うん、これならかなり楽しい作品になりそうです。