バンダイ 1/35 17式TA ライデン

1998年に放映された『ガサラキ』に登場するTA(タクティカルアーマー)ライデンです。

90年代から2000年代にかけて、『ブレンパワード(1998年)』『 ビッグオー(1999年)』『ラーゼフォン(2002年)』『ザ・マーズ・デイブレイク(2004年)』等、ガンダムに代わるロボットアニメが製作され、プラモデルも発売されましたが、新たなブームを作るところまではいかず忘れ去られてしまいました。このキットもその一つですが、比較的人気があるのか2020年になってロボット魂から新製品が発売されました。

製作記録

70~80年代の作品と違って作画がしっかりしていてけっこう燃えるシーンもあったのですが、肝心のストーリーがエヴァンゲリオンとパトレイバーと諸星大二郎を足して水で薄めたような内容でした。パクリ的な作風は高橋良輔監督の持ち味ですが、ボトムズやレイズナーなどはB級作品的なところに可愛げがあって笑えたのですが、この作品は暗いキャラクターが漏らす世迷言をひたすら聞かされるという作風が見ていて非常につらかったです。何よりもロボットほとんど活躍しないという決定的な問題がありました。

キットレビュー

仮組み状態。設定画に比べるとややがっちりした体形ですが、なかなかカッコいいです。一昔前のバンダイフォーマットで関節部にはポリキャップが使用され各関節は全て後ハメできます。

背部から。デザインの印象と違って関節の可動範囲はさほど広くなく、一部ポリキャップが露出しているところもあります。

背部ハッチを開くとパイロットのフィギュアが入っています。設定は身長4.4mとボトムズのATとほぼ同じです。ハッチを開くとオープンカーのようになるATと比べてはるかに密閉感があり、可変ロボですがイメージとしては『メガゾーン23』のガーランドのほうに近いものです。

頭部ハッチを開くとパイロットの頭が見えますが、この状態で行動することはできないようです。人間の「目」に当たるメインカメラはあごの下の6本のスリットにあります。ダグラム⇒ボトムズに続く「顔のないロボット」の究極的なデザインで、同じデザイナーの出渕裕氏がパトレイバーでデザインしたブロッケンとよく似ています。

降着姿勢。ヒザ関節が差し替え式であるため、ポージングが劇中のイメージに近くロボット魂と比べて唯一優れているポイントです。

背部から。AT同様、搭乗しやすくするためのシステムですが、スタンドアローンでの運用ができない兵器のためか劇中で活用されたことはありませんでした。常に生体データをモニターされ、必要とあれば応じて怪しい薬品を注入されるというシステムでとても操縦してみたいとは思えませんでした。

組み立て

けっこう出来のいいキットなので無改造で行きたかったのですが、どうしても気になるポイントだけ小改造をしました。まず、手首関節はプラ製ですぐにユルユルになってしまうので、市販のボールジョイントに交換しました。

シートとパイロットははさみ込み方式になっていて塗装が面倒なので、ポリキャップとプラ棒を使って後ハメができるようにしました。

パイロットも搭乗可能にしたかったのですが、頭と肩が干渉して不可能でした。さすがエヴァンゲリオン以上の非人道兵器TAですね。仕方ないので「出動準備中」を再現することにしました。

塗装

ポリキャップを使用した設計は個人的には好みですが、最近のガンプラと違って接着線が多くて表面処理に思いのほか手間がかかってしまいました。今回、下地は全てガイアノーツのメカサフHEAVYを使用しました。

真っ黒でなかなかカッコいい!いつも感じることですが、サフ吹きのこの段階が一番カッコよくてもうこのままで完成にしてもいいと思えます。

軟質素材のフィギュア。こんなことをするのはバンダイだけで他のメーカーでは見たことがありません。表面処理が非常にやりにくいのですが、どういうメリットがあるのでしょうか?塗料がちゃんと定着するか心配なのでプライマーサーフェイサーを吹きました。

本体塗装完了。17式のメインビジュアルはサンディブラウンですが、劇中では砂漠戦の印象があまりなかったので、ダークグリーンにしました。メカサフの色合いが透けて見える程度にエアブラシで薄く吹き付けました。

75mm低圧砲完成!

デカールではなくシールが付属。質感はデカールに近いものですが、粘着剤が強くて位置決めに苦労しました。

マーキングの上からつや消しクリアを吹き、ウェザリングカラーでスミ入れをしました。

写真立てとスチレンボードを加工して格納庫の床風の飾り台を作製。降着姿勢で飾ることも考慮して長方形の台にしました。

角の部分にエナメル塗料をスポンジでチッピング。

フィギュアを塗装して完成!