ハセガワ 1/12 カワサキ 500-SS MACH III (H1)

2024年1月完成

オートバイモデル第6弾は元祖最速マシンのカワサキマッハⅢです。

マッハⅢは北米市場をメインターゲットにして当時としては珍しい並列3気筒エンジンは強烈なパワーを出しましたが、それにフレームやタイヤがついていかなかったようです。かえる工房にとっては「パワーはあるがとんでもないジャジャ馬だった」とウワサに聞くだけで、まさに「伝説のマシン」です。この頃からバイクのデザインがスタイリッシュになり始め、CBやZもカッチョいいのですが、迷車好きのかえる工房としてはどこかバランスが狂ったようなマッハⅢの歪なスタイルがけっこう好みだったりします。

空冷2ストローク並列3気筒 最高出力 60hp / 7,500rpm
乾燥重量 174 kg
  1969年発売

今まで作ったバイクモデルはほとんどがタミヤ製でハセガワのバイクキットは初めてです。今回のテーマは「スポークの張り替え」。プラ製の太いスポークでは萎え萎えですが、張り替えとなるとハードルが高くて「CB400four」「SR400」などになかなか手が出せなかったのですが、アオシマの「ドリームCB750 FOUR」も予約したので、思い切ってチャレンジしてみました。

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上から見ると旧時代のスリムな車体に幅広の並列3気筒エンジンを無理やり積んだのがよく分かります。このいかにもアンバランスなところがマッハの魅力です。

今回の1番のポイントはスポークの張り替え。キットの太いスポークをカットして虫ピンに変更。初めてにしてはうまくいきました。d(^_^o)

製作記録

キットレビュー

パーツ一覧

パーツ数は約140点。タンクやシートの裏など完成後にはほとんど見えない部分まで細かく再現しているためパーツ数はかなり多めです。古いバイクなのでメッキパーツが大量にありますが、今回はメッキをできるだけ生かして製作する予定です。

デカール

白マッハ用の紺ラインも入っていますが、説明書にはなぜか黒マッハ用の指示しかありません。メーターも輸出用と国内用の2種が付属します。

仮組み

主要パーツの仮組み完了。いかにも前輪荷重が少なそうなデザインです。「3速までウイリー」という伝説はマッハⅢがパワフルであったという文脈で語られますが、実はただ単に車体バランスが悪かっただけではないでしょうか?

スポーク部

やはりキットのままでは太くてモッサリしています。実車のスポーク径を1/12にすると0.3mmほどですが、キットのパーツを測ってみると0.7mmもありました。プラスチック製ではこのくらいの太さでないと強度的に無理が出るらしいです。

スポークの張り替え

メッキはがし

というわけで、スポーク張り替えにチャレンジ。とりあえずホイールをキッチンハイターに漬けてメッキ落とし。原液に漬けて2〜3分でキレイにメッキが落ちました。

接着

メッキ剥がしをしたホイールのリム部分だけを接着。クリップではさんでガッチリ接着します。

スポーク位置のチェック

いよいよスポークを切り取りますが、その前にハブの位置とスポークを差し込む角度をマーカーでアタリをつけておきます。

スポークの切り取り

スポークとハブの位置をマジックでチェックしてスポークを切り取り。もう後戻りはできません・・・(−_−;)

スポークとニップル

スポークは0.35mm径の虫ピンを19mmほどの長さにカットして端を2mmほど折り曲げ。ニップルは真鍮パイプ(0.6mm径)を長さ2mmにカットしてスポークに通します。

スポークはり完成

ハブは0.4mm、リムは0.6mmの穴を開けて一本ずつスポークを接着。接着部が少し汚れてしまいましたが、初めてにしては思ったよりうまく行きました。d(^_^o)

外装パーツの製作

タンク

初期型マッハの特徴、通称「エグリタンク」。おそらくコストダウンのためでしょうが、H1Aからこのリブがなくなります。実用的には大差ありませんが、デザイン的にはこちらの方が好きです。パーツの成形がイマイチ良くないので接着線にパテ埋めをしました。

下地塗装

サフ代わりにフィニッシャーズの「ファンデーショングレー」で下地塗装。

本塗装

フィニッシャーズの「ファンデーションホワイト」で本塗装。黒マッハはあまり馴染みがないので、やはり白マッハ仕様で製作することにしました。細かい仕様が違うかもしれませんがそこは気にしないことにしました。

デカールはり

白マッハ用の紺色のデカールを使用。タンク前部の曲面部にシワができやすいですが、ハセガワのデカールは繊細なので、少しずつマークセッターを塗って慎重に馴染ませます。

エンジン・フレームの製作

シートの磁石接続①

シートを脱着可能にしたいのですが、取り付けダボが小さくてすぐにポロポロ落ちてしまいます。そこでシートとシートレールに虫ピンと1mmネオジム磁石を埋め込みました。

シートの磁石接続②

このように逆さまにしてもシートが落ちることはありません。これで完成後もシートを外して細部まで鑑賞できるようになりました。

エンジン組み立て

今では見られることのなくなった空冷3気筒エンジン。エンジンカバーは仮組みですが、ここまで組み立ててからでもフレームに搭載可能です。

エンジン・フレーム完成

エンジン、キャブ、エアクリーナーなどを塗装してフレームに組み込み。なかなかこだわりのキットで、プラグコードだけでなくフューエルパイプやアクセルケーブルなども再現されていてパイピングがなかなか大変でした。

シートの塗装

シート裏は光沢ブラックで、シート表面はセミグラスブラックで塗装。シートのレザーの質感を出すためにあえて砂吹きをして梨地に仕上げました。

足まわりの製作

スイングアーム

左右パーツの接着部にはなぜが取り付けダボがありません。ピポット部にネジを通すので強度的な問題はないと思いますが、なんとなく気持ち悪いのでプラ板でガイドを作りました。

フロント足回り完成

足回りを塗装して組み立て。ホイールはガイアノーツのプレミアムミラークロームで塗装。Fフォークのインナーチューブにはハセガワのミラーフィニッシュを張りこみました。

リア足回り完成

同じように完成したリアホイールを組み付けてリア足回り完成。リアフェンダー、チェーンカバー等はキットのメッキパーツをそのまま生かしました。

最終組み立て

マフラー組み立て

マフラーはメッキパーツを生かしてそのまま接着。パーツの精度が高くアンダーゲートになっているおかげで接着線はそれほど目立ちません。左右非対称の三本マフラーがカッチョいいです。

リアサスペンション

リアサスはメッキの一体パーツ。ここはスプリングを組み込む形式にして欲しかったところです。完成後に見えないような部分はやたら細かく再現しているのに・・・(´・_・`)

ハンドル周り組み立て

ハンドルは4種類が選択可能。今回はアップハンドルでミラーが左右につけられるものを選びました。メーターのデカールも複数付属しますが、国内用のレッドゾーンのやたら広いものを使用。

ステアリングダンパー

フロント右にステアリングダンパーがつきます。フレームとトリプルツリーを繋ぐものですが、このサイズで可動を再現するのは難しいので、フレームのみに接着します。

外装パーツ取り付け

タンク、サイドカバーにクリアーコートをして研ぎ出し、コンパウンドで磨いてツヤを出してから本体に取り付け。接着方式なのでせっかく作ったフレーム部分がほとんど見えなくなってしまいました。(´・_・`)