ハセガワ 1/12 カワサキ 500-SS MACH III (H1)

2023年10月製作開始

オートバイモデル第6弾はGSX1300R隼と打って変わって、元祖最速マシンのカワサキマッハⅢです。

マッハⅢについては雑誌やビデオや年上の知り合いからパワーはあるがとんでもないジャジャ馬だったとウワサに聞くだけで、実車に触れたことはほとんどなく、まさに「伝説のマシン」です。マッハⅢは北米市場がメインターゲットで、とにかくエンジンパワーを重視して、それにフレームやタイヤがついていけなかったようです。この頃からバイクのデザインがスタイリッシュになり始め、CBやZもカッチョいいのですが、迷車好きのかえる工房としてはどこかバランスが狂ったようなマッハⅢの歪なスタイルがけっこう好みだったりします。

空冷2ストローク並列3気筒 最高出力 60hp / 7,500rpm
乾燥重量 174 kg
  1969年発売

今まで作ったバイクモデルはほとんどがタミヤ製でハセガワのバイクキットは初めてです。今回のテーマは「スポークの張り替え」。プラ製の太いスポークでは萎え萎えですが、張り替えとなるとハードルが高くて「CB400four」「Sr400」などにはなかなか手が出せなかったのですが、アオシマの「CB750 FOUR」も予約したので、思い切ってチャレンジしてみました。

製作記録

キットレビュー

パーツ一覧

パーツ数は約140点。タンクやシートの裏など完成後にはほとんど見えない部分まで細かく再現しているためパーツ数はかなり多めです。昔のマシンなので大量のメッキパーツがありますが、今回はメッキをできるだけ生かして製作する予定です。

デカール

白マッハ用の紺ラインのデカールも入っていますが、なぜか塗装図には黒マッハ用しかありません。なにか大人の事情があるのでしょうか?メーターも輸出用と国内用の2種が付属します。

仮組み

主要パーツの仮組み完了。いかにも前輪荷重が少なそうなデザインです。「3速までウイリー」という伝説はマッハⅢがいかにパワフルであったかという文脈でよく語られますが、実はただ単に車体バランスが悪かっただけではないでしょうか?

スポークの張り替え

スポーク部

キットのパーツではどうしても太すぎてモッサリしています。プラスチック製ではこれ以上細くすると強度的に問題が出るらしいです。PZY MODELの「GRヤリス」のようにかんたんに壊れるのも困りますが・・・。

メッキはがし

というわけで、スポークの張り替えにチャレンジ。とりあえずキッチンハイターに漬けてメッキ落とし。原液に漬けて2〜3分でキレイにメッキが落ちました。

接着

メッキ剥がしをしたホイールのリム部分だけを接着。後から穴あけをするのでクリップではさんでガッチリ接着します。

スポーク位置のチェック

いよいよスポークを切り取りますが、その前にスポークを差し込む位置をマーカーでアタリをつけておきます。

スポークの切り取り

スポークとハブの位置をマジックでチェックしてスポークを切り取り。もう後戻りはできません・・・(−_−;)

スポークとニップル

スポークは0.35mm径の虫ピンを19mmほどの長さにカットして端を2mmほど折り曲げ。ニップルは真鍮パイプ(0.6mm径)を2mmにカットしてスポークに通します。

スポークはり完成

ハブには0.4mmの、リムには0.6mmの穴を開けて一本ずつスポークを接着。接着部が少し汚れてしまいましたが、初めてにしてはうまく行きました。d(^_^o)

外装パーツの製作

タンク

初期型の通称「エグリタンク」。この後、H1Aからこのリブがなくなります。実用的にはどちらでも変わりありませんが、デザイン的にはこちらの方が特徴があって好きです。パーツの成形がイマイチ良くないので接着線にパテ埋めをしました。

下地塗装

サフ代わりにフィニッシャーズの「ファンデーショングレー」で下地塗装。

本塗装

フィニッシャーズの「ファンデーションホワイト」で本塗装。黒マッハはあまり馴染みがないので、やはり白マッハ仕様で製作することにしました。

デカールはり

白マッハ用の紺色のデカールを使用。タンク前部の曲面部にシワができやすいですが、ハセガワのデカールは繊細なものが多いので、マークセッターを少しずつ塗って慎重に馴染ませます。

エンジン・フレームの製作

シートの磁石接続①

シートを脱着可能にしたいのですが、取り付けダボが小さくてすぐにポロポロ落ちてしまいます。そこでシートとシートレールに虫ピンと1mmネオジム磁石を埋め込みました。

シートの磁石接続②

このように逆さまにしてもシートが落ちることはありません。これで完成後もシートを外して細部まで鑑賞できるようになりました。

エンジン組み立て

今では見られることのなくなった空冷3気筒エンジン。エンジンカバーは仮組みですが、ここまで組み立ててからでもフレームに搭載可能です。

エンジン・フレーム完成

エンジン、キャブ、エアクリーナーなどを塗装してフレームに組み込み。なかなかこだわりのキットで、プラグコードだけでなくフューエルパイプやアクセルケーブルなども再現されていてパイピングがなかなか大変でした。

足まわりの製作

スイングアーム

左右パーツの接着部にはなぜが取り付けダボがありません。ピポット部にネジを通すので強度的な問題はないと思いますが、なんとなく気持ち悪いのでプラ板でガイドを作りました。

マフラーの製作

No.44 タミヤ 1/12 スズキ GSX1300R 隼

2023年9月完成

久々のオートバイモデルの依頼製作は20世紀末に登場したアルティメットスポーツ、「GSX1300R 隼」です。当時、二輪の最高速競争は300 km/h時代に入っており、ライバルのホンダの「CBR1100XX」やカワサキの「ZZR1100」などを抑えて世界最高速を達成したマシンです。最近のバイクについては詳しくないのですが、この後、最高速競争に歯止めをかけようという機運が高まったこともありおそらくこのマシンが今でも世界最高速なのではないかと思います。

水冷DOHC4バルブ直列4気筒  最高出力 175馬力

乾燥重量 215 kg  1999年発売

隼はかえる工房のかつての愛車「GSX1100S」に比べるとはるかにパワフルで軽量です。残念ながら隼に乗る機会には恵まれませんでしたが、「GSX-R750」に試乗した時は、タンクの幅の広さや無理のないランディングポジションに驚き、実際に走らせてみて素直なエンジンレスポンスやハンドリングの軽さに感心させられました。30年近くの時代差があるので当然ですが、同じスズキの二輪でも「GSX1100S」とは全く違う乗り物でした。最高速アタックにチャレンジする機会はありませんでしたが、素人でも200km/hオーバーくらいならたやすいのではないかと感じました。

製作記録

キットレビュー

パーツ一覧

パーツ数は約110点。タミヤらしく効果的にパーツを一体化してパーツ数を抑えています。昔のキットと比べると各部に極小の金属ビスが多用されていて、組み立てやすさと強度アップを図っています。

デカール

キットは2002年型がデフォルトですが、デカールは1999、2000、2001年型に対応できるように数種用意されています。今回は99年仕様のメタリックサターンブラック×メタリックライトチャコールでのご依頼です。

マスキングシート

カウルの塗り分け用のマスキングシートが付属。隼は三次曲面の塗り分けがあるのでこれは嬉しいボーナスです。

仮組み

主要パーツの仮組み完了。無塗装だとまるで仮面ライダーの新サイクロン号のように見えます。センタースタンドがないので、ディスプレイ用のクリアーパーツが付属します。

外装パーツの製作

パーツの接着

接着剤をたっぷりつけてフロントフェンダー、リヤカウルを接着。念のため黒い接着剤で裏打ちをして補強。

カウル固定用のネジ

カウル固定用のネジはモールドで再現されていますが、研ぎ出し塗装を行う関係から事前に削り取って塗装後に虫ピンの頭を接着することにしました。

塗装テスト①

カウルはメタリックサターンブラック×メタリックライトチャコールの塗装とのご依頼なので、クレオスの GX201メタルブラックとGX213 ホワイトシルバーで塗装テストをしてみましたが、どうも明るすぎるようです。

塗装テスト②

GX201メタルブラックにブラックを加え、GX213 ホワイトシルバーにメタルブラックを加えて色合いを暗く調整。依頼者様のOKがいただけましたので、これで本塗装を行います。

塗装①

メタリック色の発色を良くするために下地にブラックを塗装。

マスキング

メタリックグレーを塗装してからマスキング。99年〜00年型とそれ以降では微妙にパターンが違うので要注意!曲面が多くキット付属のマスキングシートだけでは完全にカバーできないので、マスキングゾルを併用。

塗装②

メタリックブラックを吹いて塗装完了!曲線が多くて塗り分けが難しかったですが、まあまあうまく行きました。

デカールはり

「SUZUKI」「隼」などのデカールを貼り付け。ここからクリアーコート→研ぎ出しを何度か繰り返してツヤを出していきます。

エンジン・フレームの製作

エンジン完成

エンジン、キャブレター等をシルバー、ブラックで塗装して組み立て。細部塗装が説明書では省略されているので、実車写真を参考にエナメル塗料で筆塗りしました。

エンジン搭載

いかにも剛性の高そうな角形アルミ製のツインスパーフレームにエンジンを搭載。昔のキットと違って極小ビスが使われているので仮組みがしやすくなっています。

足まわりの製作

リア周り完成

ホイール、リアサス、ブレーキ、チェーンなどを塗装してメッキパーツのスイングアームに組み込み。

フロント周り完成

Fフォークやブレーキ周りをアルミシルバー、チタンシルバー、チタンゴールド、ブラックなどで塗り分け。インナーチューブにはメッキシールを貼り込みました。

マフラーの製作

マフラーの完成

エキゾーストパイプはフラットブラック、サイレンサー部はアルミシルバーで塗装。接続部分のメッキパーツはそのまま使用しましたが、設計が絶妙なのか接着線はほとんど気になりません。

フロントカウルの修正

フロントカウルの塗装

ショック!ここまできて塗装ミスが発覚。99年型のフロントカウルは中央部もメタリックブラックでした!・・・( ´△`)

フロントカウルのすり合わせ①

塗装をやり直すついでにカウルのフィッティングを見直し。フロントカウルのステー部を削って、取り付けユルくして接着時に微調整が

フロントカウルのすり合わせ②

カウルがぴったり合いました。サイドカウルはネジ止めですが、締め込み方を調整してフロントカウルとぴったり合う位置を探します。

再塗装

99年型の資料をよく見て、改めて塗装。こんどこそ間違いないので、デカールをはってクリアコートをします。

完成!

クリア層を研ぎ出してコンパウンドで磨いてツヤ出し。せっかく塗装したカウルや透明パーツを痛めないようにスクリーンや灯火類の接着にはエポキシ接着剤を使用します。