2024年6月完成
次の依頼品はBMW Z4の改造リペイント 。BMWといえば箱型セダンのイメージがありますが、Z4はジャガーEタイプのようなロングノーズ、ショートデッキで一目でスポーツカーと分かるスマートなスタイリングをしています。
製作記録
「Cararama」というのは香港のミニカーメーカー「HONGWELL」のブランドのようです。ドアやボンネットは全て開閉可能。細部の作り込みが甘く塗装が波打っているなど、エブロや京商などのミニカーと比べると明らかにクオリティが低く大味な作りですが、全体のフォルムはなかなかカッチョいいです。
ボディの分解と塗装剥離
ボディ分解
ドアとエンジンフードのヒンジはネジ止め。それ以外のパーツははめ込みかカシメで固定されていて接着剤はほとんど使われていません。ヒンジにバネが入っていないため勝手にパタパタ開いたりします。
リヤハッチ
リヤハッチのヒンジはハメ殺しになっていて分解不可能。ヒンジをカットして固定式にした方がキレイに塗装できるのですが、依頼者様のご希望で可動を生かすことにしました。
シャーシ分解
背もたれは外せましたが、シートはフロアと一体成形。成形色の黒一色で塗装はほとんどされていません。
コクピット
お客様のご希望は左ハンドルから右ハンドルに改造するというものですが、パーツ数が少なくシンプルな構成なのでなんとかなりそうです。
コクピット改造
ダッシュボード①
写真の四角の部分を切り取って右に移植します。ダッシュボードにきついテーパーがついているところはパテで修正する予定です。
ダッシュボード②
メータ部を右側に移植。左右でテーパーのつきかたが逆なので、ポリパテを盛って形状を修正します。
ペダル類
フロアーからペダルを切り取ってこれも右側に移植。
ステアリング部
ステアリングシャフトの受けとステアリングと連動するタイロッドの部分をプラ板で新造しました。
動作チェック
仮組みをしてスムーズに動くか確認。写真では分かりにくいですが、前輪を左右に切るとステアリングホイールが連動して回ります。
ボディのリペイント
塗装剥離①
ボディを金属パーツだけに分解して「ナトコ スケルトンM-201」をハケで塗り付け。数分で塗料がモコモコと浮いてきます。
塗装剥離②
オリジナルの塗料を完全に剥離。この後、塗料がしっかりくいつくようにメタルプライマーを吹いて下地処理をします。
本塗装①
ボディ塗装はタミヤのLP-70アルミシルバーを使用。複数の塗料見本から依頼者様に選んでもらいました。
本塗装②
写真を撮り忘れましたが、下地にブラックを吹いてから、アルミシルバーで塗装しました。
タッチアップ
表面の荒れやパーティングラインなど気になる部分をタッチアップ。普通のミニカーならしっかり表面処理がしてあるのですが、この製品は手を抜いて塗料の厚塗りで誤魔化していたようです。
塗装完了
クリアーコート乾燥後に研ぎ出し、コンパウンドで磨いてボディ塗装は完了!
エンブレム①
BMWエンブレムはMSNのメタルロゴエンブレムステッカーを使用します。
エンブレム②
BMWマークは水転写式、「Z4」マークは圧着式と方式は違いますが、どちらも立体感があっていい雰囲気です。
内装のリペイント
塗装①
内装はダークグレーとレッドのツートンカラーにリペイント。とりあえず基塗装としてクレオス(40)ジャーマングレーで塗装してマスキングしました。
塗装②
シート表面、ドア内張などをタミヤのTS85ブライトマイカレッドで塗装。暗めの赤なのであえてジャーマングレーの下地に直接塗装しました。
メーターデカール
オリジナルのメーターは丸モールドが彫ってあるだけなので、ハセガワのBMW 2002ターボからスピードメーターとタコメーターのデカールを流用します。
コクピット完成
シルバー部分は少し金が入っているように見えたのタミヤのチタンシルバーで塗装しました。
最終組み立て
パーツすり合わせ
全パーツを組み込み、ドアやボンネットがスムーズに動くか確認。可動部にスプリングが入っていないので取り付け部のネジの締め込みで調整します。