アオシマ 1/12 カワサキGPZ900R(BSTチョースケ仕様)

2025年9月完成

オートバイシリーズ第8弾はカワサキGPZ900R。

70年代のビッグマシンは空冷4気筒が主流でしたが、80年代にもなると各メーカーは次々とエンジンの水冷化を推し進めました。GPZ900Rもその中の一台で、「サイドカムチェーン」方式を採用し幅の狭い左右非対称のエンジンが特徴です。海外市場向け向けには「Ninja」のペットネームがつけられました。「カタナ」はともかく、「ニンジャ」はないだろうと思いましたが、外人さんにはクールに感じるのか、映画『トップガン』の主人公マーベリックの愛車としても有名です。

水冷4ストロークDOHC4バルブ並列4気筒  最高出力 115PS/9,500rpm
乾燥重量 228kg  1984年発売  販売価格38万5,000円

このキットは前後足回り、マフラー、ハンドルなどのオプションパーツを追加して、東本昌平氏の漫画『キリン』の第2部「The Horizontal Grays」に登場するチョースケの愛車を再現しています。東本氏はわりと設定にはおおらかでコマによって仕様がコロコロ変わります。今回の製作に当たって単行本を読み直したのですが、作中の絵はほぼノーマルのニンジャに見えます。キットはあくまでも書き下ろしイラストを再現したもののようです。

ちょうどこのキットが完成したタイミングでハセガワからGPZ900Rのニューキット発売が発表😞😞😞。F16インチのA1で、A2とほとんど違いはないので『トップガン』仕様が発売されたら作ってみようと思います。

パッケージイラストや元々のキットについている「B・S・T」のロゴは金色でしたが、新規に注文したデカールではなぜか赤になっています。

F足回りは倒立フォークにマービック風のホイールの組み合わせ。ブレーキはおそらくロッキードの6ポッドですが、デカールがついていないのが残念です。

キャブレターはおそらくケイヒンのFCRのファンネル仕様。エンジン左右に補助フレームがつきます。

マフラーは月木のステンレス(?)集合菅。完成するとほとんど見えませんが、リアサスはオーリンズ風にバネをイエローで塗装。リアカウル下にサスの調整ユニットがつきます。

アオシマのナンバープレートメーカーでシールを作って貼り付け。原作漫画にはナンバープレートが描かれていないので、チョースケらしいイメージで適当に作製。

製作記録

キットの問題点

同社のCB750FOURは素晴らしいキットでしたが、このGPZ900Rは2003年発売とかなり古いせいか期待したほどのデキではありませんでした。パーツを追加してバリエーションキットを出すのはうれしいのですが、追加パーツの出来がけっこう雑です。あえて良い点を言うならハセガワのバイクキットのように意味なく細かいパーツ分割をしていないと言うことでしょうか?

①パーツの接着位置が曖昧。特にタンクの組み立てに注意
②デカールは結構やわいので扱いに注意
③追加パーツの設計はけっこうテキトー
④説明書も雑で記入漏れやミスがある

キットレビュー

パーツ一覧

パーツ数は約200点ですが、使用しないノーマルパーツが大量にあるので、実質150点というところでしょうか?いたずらに製作難易度をあげるパーツ分割はあまりなく、かえる工房の好みです。

デカール

カウルのラインはデカールで再現されますが、少し劣化しているので塗装で再現するか、新品を購入した方がいいかもしれません。原作漫画ではナンバープレートが描かれていないでので「KAWASAKI」マークが付属しています。

メッキ剥離

商品価値を高めるためかやたらとメッキパーツが多いです。しかし、少しおもちゃっぽいし、パーティングラインの処理や接着も面倒なので、全パーツのメッキを落として塗装で処理することにしました。

仮組み

発売時期が古いせいか、精度はイマイチで追加パーツもけっこういい加減なので、時間をかけてしっかり仮組みをした方が良さそうです。

カウル・タンク

サイドカバー加工

エアクリーナーカバーが一体成形されていますが、ファンネル仕様にするため、カバーの部分をカットします。

表面処理

タンクとリアカウルをガッチリと接着して接着線を処理。ファンデーショングレーを吹いて表面の状態を確認します。

本塗装

今回はクレオスのGX2ウイノーブラックを使用。通常のブラックに比べて深みのある黒になります。

デカール貼り①

デカールは一見キレイでしたが、実際に貼ってみるとグズグズにちぎれてしまいました。20年ものなので仕方がないと新品のデカールを購入しましたが、説明書(2003年)では300円だったものが、なんと3倍にも値上がりしていました!

デカール貼り②

シルバー(グレー?)のラインだけでいいのに、なぜかブラックの部分まであります。わざわざ広いデカールを苦労して貼る意味がないので、ブラックの分はカットして使います。

デカール貼り③

新品のデカールですが、在庫期間が長かったのか、薄い割に馴染みにくく注意しないとすぐに割れてしまいます。アオシマによるとデカールは5年ほどで賞味期限切れになるそうです。

クリアーコート

フィニッシャーズのウレタンクリアーGP1でクリアーコート。ウレタン塗料独特のテラテラとした光沢が出ました。

研ぎ出し

ウレタンクリアーは24時間で硬化。次は1000番〜10000番のスポンジやすりで研ぎ出し、コンパウンドで磨きます。

シールド取り付け

コンパウンド細目まで磨きが終わったらたら、シールドを取り付け。ネジのモールド部分に0.5mm穴を開けて虫ピンの頭を埋め込んで固定しました。

シート

スカイブルーで塗装指示がされていますが、イラストはどうみても黒なので、ブラック+グレー(ごく少量)を砂吹き。どうやら月木仕様キットをベースに発売したものの説明書の訂正を忘れたということのようです。😞😞😞

エンジン・フレーム・足回り

ホイール加工

今回はディスプレイベースに固定することにしたので、ホイールに内径2mmのナットを埋め込みました。

ベース加工

サイドスタンドを使って傾けた状態で固定したいので、カットしたプラパイプをガイドとして接着。

エンジン完成

全体をセミグロスブラックで塗装し、細部をエナメルシルバーで筆塗り。FCRキャブはSHOW UP リアルクロームライトで、ファンネルはシャインレッドで塗装しました。

カーボン塗装

フロントフェンダーはカーボン塗装します。①セミグロスブラックで下地塗装。②③カットしたストッキングでマスキングをしてタミヤのチタンゴールドで塗装。④仕上げにクリアーブラックでコーティング。

リアサスペンション

完成後にはほとんど見えなくなるので、無改造。全体をSHOW UPのリアルクロームライトで塗装して、バネ部分をイエローで筆塗り。オーリンズ風にしてみました。

フレーム・前後足回り

フレームと前後足回りを組み立て。シルバー部はリアルクロームライト、アルミシルバー、チタンシルバー、ミラーフィニッシュなどで塗り分けてアクセントをつけました。

ホイール

ホイールをゴールドで塗装して本体に取り付け。仮組み時点でキチンと確認しましたが、取り付け位置が微妙にズレることがあるので、ディスプレイベースに固定して確認。

マフラー

メッキを全剥離して接着線を処理。SHOW UPのリアルクロームライトで塗装してからクリアーコートしました。

サイレンサー部

前後のリベットをいったん削り取り、塗装後に虫ピンを埋め込み。少しオーバースケールですが、アクセントになっていいでしょう。😅😅😅

エキゾーストパイプ

エキパイにクリアーブルーやクリアーイエローを軽く吹いて焼けを表現しました。

ラジエーター・オイルクーラー

ラジエーターとその下にオイルクーラーを接着。写真では前輪をつけていますが、マフラーやラジエーターの接着は前輪をはずしたほうが作業がやりやすいです。

ハンドル・ステップ

ハンドル・ステップもSHOW UPのリアルクロームライトで塗装して組み立て。各種ケーブルを取り付け、フレーム側はほぼ完成しました。

ナンバープレート①

原作漫画で確認しましたが東本昌平氏はナンバープレートを書かない主義のようで、どのコマでも真っ白なので、勝手なイメージでテキトーに作りました。

ナンバープレート②

フェンダーに取り付けた状態。劇中ではプレートをもっと跳ね上げていますが、族っぽいのはあまり好きではないので、ノーマルで製作しました。

完成!

フレームと外装を合体させてベースに固定。外装は合いが悪いので、シートも含めて完全に接着しました。