カーモデルのクリアーコート

レーシングカーなど大きいデカールをはったモデルのクリアーコートにずっと悩んでいました。時間をかけてデカールをしっかり乾燥させたり、砂吹き塗装を試したり、いろいろやってみましたが、デカールが浮いてきたり、ブツブツができたりすることを完全に防ぐことはできませんでした。結局デカールの傷んだ部分をタッチアップしたり、ヒドイ時は完全に塗装をやり直ししなければなりませんでした。

Mr.カラー GX100スーパークリアーⅢ

クレオスの通常のクリアーよりツヤがキレイで長年愛用してきましたが、デカールが溶けやすいので、今では主にデカールを使わないフィギュアなどで使用しています。

フィニッシャーズ オートクリアー

「デカールに優しい」ということで、カーモデル専門メーカー、フィニッシャーズのオートクリアーを試してみました。写真はオートクリアーと専用のピュアシンナーがセットになったものです。

説明書

通常はクリアー1:シンナー2.7で、厚塗りの場合はクリアー1:シンナー0.5〜1で希釈し、重ね塗装は3〜5回程度。簡単なコピー説明書ですが、ずいぶん親切に説明してくれます。

ウィリアムズFW16

FW16にオートクリアーを使用。今まで散々苦労したのがウソのように一発でキレイな光沢がでました。気のせいかもしれませんが、ホコリもつきにくくなったようです。

まとめ

結論としては「カーモデルのクリアーコートにはオートクリアーしかない!」です。デカールに優しいだけでなくツヤもきれいだし、気のせいかもしれませんがホコリもつきにくいようです。欠点としては①少し値段が高い②乾燥に時間がかかる③匂いがきついこと。おそらく専用のピュアシンナーに大量のリターダーが入っているのでしょう。

かえる工房の尊敬するモデラーさんの言葉に「腕は3割程度で、道具が7割」というのがあります。昔は「道具なんかに金をかけるよりも腕を磨くことじゃね?」と思い込んでいました。しかし、道具や塗料を変えることで何度やってもうまくいかなかった作業があっさりできるようになってからは、キットを購入する費用を塗料や道具に回すようになりました。

フィギュアのアイペイント(筆塗り)

フィギュア製作にチャレンジしたもののアイペイントで挫折した人は多いと思います。国宝級の職人ならともかく、一般的なモデラーでは筆塗りでアイペイントが一発で描ける人はそうはいないでしょう。しかし、塗ったり消したりが自由にできれば、細かい塗装もグッと楽になります。ここではエナメル塗料とラッカークリアを使った筆塗り塗装について紹介します。アイペイント以外の細かい塗り分けにも応用できるので、ぜひマスターしてもらいたいテクニックです。

エナメル系塗料とラッカー系塗料の性質を利用

ラッカー塗料は塗膜が強くエナメル塗料の溶剤で侵されることがほとんどないという性質を利用します。つまり「エナメル塗料で筆塗り→ラッカークリアで塗装面をコーティング→エナメル塗料で筆塗り・・・」という工程を何度も繰り返して少しずつ塗装を進めていくのです。この方法なら失敗した部分をエナメル塗料の溶剤で溶かしてもラッカークリアで保護されている部分が侵される心配はありません。この塗装法のポイントとなるのが下記の3点です。

①「光沢塗料」を使用する

 この工程では全て光沢塗料で塗装します。ツヤ消し塗装をするとエナメル溶剤でふき取る時にザラザラの表面に塗料が染み込んでキレイにふき取ことができないからです。古いホワイトボードの表面のキズにインクが入り込んで、いくらこすっても綺麗にならないのと同じ理屈です。

②「溶かす」というより「削る」という感覚で

 エナメル塗料を「溶かす」と上に書きましたが、溶剤をつけすぎて溶かすとシミが広がったようになってシャープな塗装になりません。塗装部をしっかり乾燥させて、エナメル溶剤で湿らせた面相筆の筆先で何度もなぞって少しずつ理想のラインに近づけていきます。「溶かす」と言うよりヤスリをかける感覚に近いと思います。

③クリアー吹きは慎重に

 エナメル系塗料はラッカー系塗料に侵されるので、クリアー吹きをする場合は注意が必要です。最初は濃いめの塗料で砂吹きをしてしっかり乾燥をさせてからセミウエット→ウェットと3回くらいに分けて吹きます。最初からウェットで吹くとせっかく完成した塗装が溶けて流れてしまうことがあります。

塗料・道具

ガイアエナメルカラーシリーズ

タミヤカラーでもいいのですが、ガイアカラーは乾燥が早いので、かえる工房ではもっぱらこちらを使っています。純色以外に蛍光カラーも発売されているので、鮮やかな色で塗装をしたい場合に重宝します。

タミヤ モデリングブラシPRO

筆はできるだけいいものを使いましょう。値段は張りますが、安い筆に比べると穂先にコシがあって急に自分の腕が上がったように感じます。通常塗装用と白塗装用の2種類を用意しておくと安心です。

塗装例

かえる工房では例のように3回のクリアーコートで完成しますが、自信がないうちはもっと細かくクリアーコートをしてもいいでしょう。

①白目とアイラインの描き込み

この作例ではエナメル塗料で白目を塗りましたが、肌塗装前にラッカー系塗料で白目を塗ってからクレオスの「Mr.マスキングゾル改」でマスキングしておく方法もあります。

②虹彩を描き込んでクリアーコート

発色がキレイなので、虹彩の塗装には主に蛍光色を使っています。

③アイライン、黒目のフチなどを描き込んでクリアーコート

この段階で表情が決まるので納得いくまでじっくりと行います。作例のように横目になっている場合は正面ではなく視線の合う角度からチェックするといいでしょう。

④瞳孔の描き込み→クリアーコート

アイラインや黒目のフチを整え、瞳孔を描き込みました。写真で見ると肉眼では分からないアラが見つかるので、毎回写真に撮ってチェックします。

⑤瞳のシャドーを塗装→クリアーコート

目の上のあたりにシャドーを入れ、虹彩にはアニメ設定通りに斜線を入れました。

⑥ホワイトでハイライトを描き込み。

⑦UVジェルクリアで瞳の光沢出し

UVジェルクリアははがれやすいというウワサを聞きますが、今までのところ特に問題ありませんでした。ホッペにはウェザリングマスターの「ピーチ」で軽くチークを入れました。

完成!

シェリス・アジャーニ

セーラーサターン ミュージカルver.

アスカ ゴスロリver.

木之本桜 OP1ver.

ラップ塗装のやり方

セーラーサターンのディスプレイベースに最近、世間で流行っているらしいラップ塗装というのをやってみました。

①まず下地に光沢ブラックを塗装。フチの部分は通常のブラックにしたいので、マスキングしました。

②クシャクシャにしたサランラップにシルバーを吹き付け、少し乾いたところを見計らって塗装面にポンポンします。初めての時はこの加減がわからずシルバーをつけ過ぎてしまい何回かやり直しました。

③黒地にシルバー塗料がランダムについて大理石のような模様になりました。偶然性に任せる技法なので気に入った模様になるまで何回もやり直します。

④ガイアカラーのクリアパープルを吹き付けて完成!うむ、なかなかいい感じじゃないですか!

⑤仕上げにフィニッシャーズのウレタンクリアGP1を吹き付け。左が主剤、真ん中が硬化剤、右が薄め用のウレタンシンナー。

⑥24時間ほど放置してウレタン硬化後にスポンジヤスリで研ぎ出しコンパウンドで磨き込み。ウレタン塗装特有の硬質なツヤが出ました。

エアテックス コンプレッサーAPC-001R2

2022年2月購入

クレオスの「リニアコンプレッサー」は1/144のガンプラやフィギュアのシャドー入れなど、繊細な塗装をするにはピッタリなのですが、最高圧力0.12Mpaでは0.5mmのエアブラシで広い面積を塗装したりウレタン塗装をしたりするには明らかにパワー不足です。

そこで、行きつけの模型店のオッちゃんに相談したところ、エアテックスは信頼できるメーカであり、「APC-001R2」ならパワーも十分と勧められ買い替えることにしました。

サイズ:W270×D145×H225㎜   重量 4.2kg

最高圧力 0.38Mpa   作動音:47dB

圧縮方式:ピストン式   価格:¥24,200

サイズは「リニアコンプレッサー」の1.5倍ほど。スペック上は「リニアコンプレッサー」より静かなはずですが、ピストン式を採用しているせいか体感的には少し大きく聞こえます。集合住宅では厳しいかもしれませんが、田舎の一戸建てで、昼間しか作業をしないなので特に問題ありません

いちばんの欠点はレギュレーターの針が見にくいこと。黒いダイヤルを回して圧力を調整しますが、レギュレーターをタテに設置してダイヤルを手前にしたほうが使いやすいと思うのですが・・・(´・_・`)

水抜きは一般的な形状で、ドレンカップ下のつまみを回すとエア抜きができます。このつまみは少しクセがあって、閉の位置があいまいで少しズレただけでエア漏れが止まらなくなります。購入前にAmazonでチェックしたら「水抜きがすぐに壊れる」というレビューがありましたが・・・さて?

オートスイッチ

電源スイッチは本体についています。初めて見た時は「手元にスイッチがないのか?作業性が悪いな〜!」と思いましたが、これには理由がありました。

実はコンプレッサー内のエア圧が設定レベルに達すると自動的に電源がOFFになり、エアブラシを吹いて圧力が下がるとまたONになるというシステムになっているのです。!(◎_◎;)

最初は少し戸惑いましたが、慣れるとON・OFF操作が不要というのがなかなか快適で、作業中に無音時間があることを考慮するとクレオスより静かと言えるかもしれません。

圧力設定が低めだとON・OFFが繰り返されて少しイライラするので、コンプレッサー本体は高めに設定しておき、クレオス の「ドレン&ダストキャッチャー」で微調整をするようにしています。

念のためメーカーに問い合わせてみましたが、数時間程度なら電源を入れっぱなしでも問題ないということでした。

2023年3月、故障!( ´△`)

結構気に入っていたのですが、新品購入後、1年余りでエア漏れが起き始めました。説明書やHPではドレンカップの掃除をすれば改善するとありましたが・・・。

ドレンカップを分解して掃除をしたりOリングを交換したりしましたが、症状は回復せず・・・。あきらめて新品のドレンカップを購入しましたが・・・。

ドレンカップを交換しても症状はほとんど改善せず・・・よもやと思い石鹸水を塗ってみると・・・なんと、本体のバルブシートからエア漏れをしていました。!(◎_◎;)

自分では手に追えないと判断し、メーカーに連絡して修理しました。エア漏れの原因は細かい粉を吸い込んでバルブシートが目詰まりを起こしていたそうです。本体の近くに「との粉」を置いていたのでそれかもしれません。

エア漏れは作業環境に問題があったことが分かったので対策しましたが、気になるのは修理項目の「クランク・軸損傷」。こちらは単純な経年劣化で「1年間ほぼ毎日使っているならそんなものです」と言われましたが、バイクで言うと1年間ほぼ使ってクランクシャフト交換が必要・・・なんて話は聞いたことがありません・・・(´・_・`)

クレオス Mr.リニアコンプレッサー L5 レギュレーターセット

私が長年愛用していたコンプレッサーは自転車屋さんの空気入れのようにデカくて重くてやかましいし、レギュレーターがついていないためエア圧を調整することもできませんでした。

そこで、思い切って最新のものに買いかえることにしました。しかし、各社から様々なものが発売されどれがいいか分からないので、とりあえず人気No.1のクレオスの「リニアコンプレッサー」を選びました。

これhが非常に軽くてコンパクト!振動も作動音も電動ラジコンカーのモーター音くらいでしょうか?作業をしながらラジオを聞くこともできます。

サイズ:160x120x160㎜   重量 : 2.4kg

最高圧力:0.12MPa   作動音 : 50dB

リニア駆動フリーピストン方式   価格:38,500円(税込)

本体のハンドル部分にホルダーを取り付けてレギュレーターやエアブラシを置くことができます。私はエアブラシ3本を同時に使っているので、これは使わずに別売のホルダーを使っています。

レギュレーターと水抜き。水抜きは塗料ビンの流用で、たまった水を捨てる時はビンの部分を回して外しますが、つくりがいささかチープで、フタの部分もいっしょにクルクル回ってしまいます。

レギュレーターの左にあるネジでエア圧の調整ができます。電源を入れると、レギュレーターの針がいったん0.12Mpaあたりまで上がり、エアブラシを吹き始めると設定した圧力まで下がりますが、少しタイムラグがあるので注意が必要です。

ただ、最高圧力が0.12Mpaというのは繊細な塗装にはぴったりなのですが、0.5mmエアブラシで広い面積の塗装やウレタン塗装をしたりするにはいささかパワー不足なので、1年ほど使用したのちエアテックスのコンプレッサーに買い替えました。

レジンキットフィギュアの磁石接続

私は1/8以上のフィギュアを製作する場合、主要パーツを接着しないでネオジム磁石で接続します。この方法には以下のようなメリットがあります。

①塗装中に色合いをテェックしたい時に簡単に仮組みができる。

②最終組み立てで接着剤を使用しないため、塗装面を汚すリスクがなくなる。

③依頼品などの発送時に分解すれば、破損の危険が減り梱包がコンパクトになる。

④パーツが磁石でヒコヒコくっつくのがなんか面白い(^◇^)。

1.材料とツール

ネオジム磁石①

5mm以上の大きめのものなら百均でも手に入りますが、3mm〜1mm径の小型のものはハイキューパーツから模型用のものが発売されています。

ネオジム磁石②

1/6〜1/8フィギュアの場合、主に3mm×3mmの磁石(左)を使用。ごく細かい部品には2mm×1mm(右)を使うこともあります。写真のように繋いだ状態にしておくと作業がはかどります。

ピンバイス各種

軸うちと同様、ケガキ針と0.5mm〜3.0mmのピンバイスを使います。

WAVEのHGワンタッチピンバイス

4mm以上の大型磁石を埋め込みたい場合はWAVEのHGワンタッチピンバイスを使用します。セットで購入すると4.0mm、5.0mm、6.0mmのドリルが付属します。

瞬間接着剤など

左から瞬間接着剤、シアノン、メンソレータム、硬化促進剤。この辺も軸打ちと同じものを使用します。

瞬間カラーパテ

シアノンが入手しにくいので、最近はガイアノーツの瞬間カラーパテを使っています。シアノンに比べてドロッとしていてよりパテに近い感じです。各色が発売されていて混色も可能です。

2.基本編

磁力が効けば十分なので軸打ちほどの精度は必要ありません。ちょっとしたコツがありますが、軸打ちがきちんとできる人であれば簡単にできると思います。まだ軸打ちに自信のない方は下のリンクからどうぞ。

★ちょっとしたコツ

①穴はやや深めに掘って、磁石同士がピッタリ接するように固定する。

②磁石を無理に押し込むと修正したい時に抜けなくなることがある。

③磁石を抜きたい時は熱湯につけるとレジンが柔らかくなって簡単に抜ける。

④逆にゆるすぎる場合は瞬着を一滴垂らして固定する。

セーラーサターンミュージカルver.

太ももの接続。2mm真鍮線で軸打ちをして周囲の3か所に3mm×3mmの磁石を埋め込みました。腰やモモは面積が広いので比較的作業が容易です。

セイバーオルタ

上半身と左右のモモに分割されているので上下左右それぞれ2か所に3mm×3mmの磁石を埋め込みました。このように込み入った部分は真鍮線や磁石が相互に干渉しないように注意しましょう。

3.応用編

セーラーサターンミュージカルver.

ヒジは面積が狭いので、通常とは逆に中心に磁石を埋め込んでサイドに真鍮線で軸打ちしました。あまり荷重のかからない部分なので特に問題ありませんでした。

セーラーサターンミュージカルver.

スカートのフリルも磁石接続にしました。スペースがあまりないので最初は1mm径磁石を使いましたが、磁力が弱すぎて使い物にならないので2mm径のものに変更しました。内側に若干はみ出してしまいましたが普通見えないところなのでまあ、いいでしょう。

木之本桜3rdOPver.

これも腕の接続面の面積が狭いですが腕が胸に密着しているので、軸打ちとは方向を90度変えて磁石を埋め込み、腕と胸が接続するようにしました。

アスカ ゴスロリバージョン

ここは思い切って3mm磁石のみで接続。軸打ちを省略したのを補うために受け側の穴に磁石がはまり込むように加工。ほとんど荷重のかからない部分なのでこれだけで十分です。

4.ディスプレイに応用

アスカ ハイグレードクリスマスver.

PVC製の完成品ですが、バランスが悪くてすぐにコケてしまうので、ヒザに3mmの、ベースに15mmのネオジム磁石を埋め込みました。

ホシノルリ水着ver.

ベースを立てた状態でディスプレイしたいので、フィギュアの背中とベースにネオジム磁石を埋め込みました。

フィギュア全体の重量を固定するため、本体には6mm×2.5mm×4個、ベースには13mm×2.5mm×4個と大型磁石をそれぞれ二か所に埋め込みました。通常のピンバイスでは6mmサイズがないのでWAVEのHGワンタッチピンバイスを使用し、13mmの穴はリーマーで強引に広げました。

アスカ ゴスロリバージョン

キットにはディスプレイベースとお尻にダボがあり接着する仕様になっていましたが、5mm磁石を埋め込みました。

塗装テスト(メッキシルバー)

50〜60年代のカーモデルやバイクを作っていると、バンパー、窓枠、トリムなどメッキパーツの表現に悩まされます。最近は各社からいいメッキ塗料が発売されているようなので、簡単な比較テストをやってみました。

ガンダムマーカー以外の三種の使い方はほぼ同じです。下地には光沢ブラックを塗って、1時間以上しっかり乾燥させます。この段階でのツヤの出かたが仕上げを左右します。塗料はシャブシャブの状態でビンに入っており希釈する必要はありません。エア圧を弱目にして「吹きつける」というより「ミストになった塗料をフワリとかぶせる」感じで3〜5回に分けて塗装します。

1.SHOW UP リアルクロームライト

クレオス、ガイアのものと比べてはるかにメッキ感があります。SHOW UPは模型専門メーカーでないため店頭に置いている店は少ないので、ネット販売で購入しました。アルコール系なのか消毒薬のような匂いがします。テストピースはやや暗く見えますが、吹き付け方が足りなかったのかもしれません。

メーカーの説明によると薄めにで5〜8回重ね吹きし24時間乾燥させると書いてあります。非常に質の高い塗料なのですが、弱点は値段が高いこと。15mlで1,500円ほど、50mlで3,500円ほどします。写真は50mlビンでかなり大きく見えますが、希釈済みなので少し広い面積を塗るとあっという間に無くなってしまいます。

タミヤ 1/12 CB750F

マフラー、フロントフォーク、リアサスに使用。塗装のシルバーとは明らかに違うメッキ調に仕上がりました。キャブやクラッチカバーはメッキパーツのままですがほとんど違和感がありません。

タミヤ 1/6 CB750F

エンジン周辺のパーツはキットのメッキをそのまま生かし、マフラー、ミラー、リアサスなどをメッキ塗装。

タミヤ1/20タイレルP34

ロールバー、エアファンネルなどをメッキ塗装しました。

タミヤ1/12 ヤマハRZ350改

チャンバーにメッキ塗装を施し、クリアイエローで焼けあとを表現しました。

2.ガイアノーツ プレミアムミラークローム

金属塗装としては十分に金属移管が出ていますが、キラキラしたシルバーメッキというよりマット仕上げのメッキに近いです。

トヨタ2000GTのマフラーを塗装。リアルクロームライトに比べるとメッキ感は少ないですが1/24なのでこのくらいの方がいいでしょう。

セーラーサターンのサイレンスグレイブの刃部分に使用。鋭い刃先の金属感がうまく出せました。

3.クレオス Mr.カラー メッキシルバーNEXT

通常のシルバーより輝きはありますが、銀塗装の範疇を出ない発色です。かなり前に購入したものなので塗料の粒子が劣化していたのかもしれません。機会があれば新品でまた試してみたいと思います。

トヨタ2000GTのホイールを塗装。メッキ部品ではなく金属の地肌の感じを出すのに向いています。

4.クレオス ガンダムマーカーEXメッキシルバー

輝きはなかなかのものですが、広い面積をマーカーで塗るのはかなり厳しくムラになってしまいました。小部品などワンポイントに使ったほうが良さそうです。

1/144ガンプラのパンツァーファースト頭部を塗装。このくらいのサイズなら本当にメッキをかけたかのような輝きです。

レジンキットフイギュアの軸打ち

軸打ちをする意味

レジンキットは瞬間接着剤やエポキシ接着剤で接着可能ですが、プラモデル用接着剤のようにパーツ同士を溶融させる訳ではないので、ショックを与えたり横から力を加えたりするとヒビが入ったり、接着面がはがれてしまうことがあります。そのため、足、腰、肩など大きめで負荷のかかるパーツに軸打ちをしておくとあとあとまで安心できます。また、塗装時の持ち手にできるというメリットもあるので、私は塗装用クリップではさむことを考慮して長さや太さを決めています。

真鍮線を使う理由

アルミ線は柔らかくて曲げやすいので、多少のズレならかんたんに調整できるというメリットがあり以前はよく使用していましたがが、一方で以下のようなデメリットもあります。

①ズレが調整できるといっても限度がある。

②抜き差しを繰り返すと折れてしまうことがある。

③扱っている店舗が少なく入手しにくいことがある。

そこで、試行錯誤の結果、現在はほぼ真鍮線のみで軸打ちをしています。このページでは真鍮線を使って正確でスムーズに軸打ちをする方法について紹介します。

1.材料とツール

真鍮線

主に2.0mmと1.5mmを使用。アクセサリーなど、ごく小さいパーツの固定に1.0mmや0.5mmを使用することもありますが、1/6〜1/8フィギュアの軸打ちならこの2種類でほとんど間に合います。

ケガキ針とピンバイス

ピンバイスは0.5mm〜3.0mmを使用。事前にドリルをセットしたものを用意しておくと圧倒的に作業効率が上がります。費用的に厳しい人はクレオスの「ピンバイス5本セット」がおすすめです。質はそれなりですが安価なので、本格的なものをそろえるまでのつなぎとして有効です。

WAVEのHG金属専用ニッパー

1.5mm以上の真鍮線をカットする時に使用しています。小気味良い切れ味で切断面もきれいですが、ニッパー本体が重くて取り回しが悪く歯が分厚いため、細かいカット作業には向いていません。

金属用ニッパー

1mm以下の真鍮線をカットするときに使っています。刃先が細いので細かい作業に向いています。プラスチック用のニッパーでは歯が欠けてしまうので、必ず金属用のものを使いましょう。

スプリングコンパス

定規でも十分ですが、2点間の間隔を正確に出したい時にディバイダーなどがあると非常に重宝します。

2.一般的な軸打ちの場合

写真はニューラインの藤崎詩織のレジンキットです。このキットには軸うち用のモールドがあるのでこれを利用します。キットによってはこれがないか、モールドが崩れていて正確な穴あけが難しい場合があります。その対応は「4.ズレを修正したい場合」で紹介します。

ケガキ針でモールドの中心に印を打ちます。ピンバイスの刃先が入る中心点になるので、できるだけ正確に。もし、ズレてしまった場合は中途半端に打ち直すより瞬間接着剤かシアノンで穴を埋めてやり直した方がかえって効率的です。

モールドの中心にごく小さな穴が空きました。微妙なズレがあとあと大きなズレにつながるのでしっかり確認しましょう。

2.0mm真鍮線を通す予定ですが、まず1.0mmのドリルで下穴を開けます。斜めになったりしないように確認しながら慎重に穴あけをします。ピンバイスは細いものから段階的に太いものに変えて徐々に穴を広げていきます。

次に1.5mm、2.0mmと段階的に穴を広げていきます。若干の誤差であればこの工程で修正できるし、いきなり太いドリルで穴をあけるとパーツが歪んだり裂けてしまうことがあるからです。下穴が正確に開けられていればこの工程はごく簡単です。

2.0mm真鍮線を通して、組み合わせてみます。

成功!ピッタリ収まりました!

3.貫通式の軸打ちの場合

髪の毛など薄いパーツは思い切って貫通させたほうが手っ取り早く正確な軸打ちができます。まず、髪の適当な位置に穴を貫通させます。

頭部に髪を組み合わせ、貫通した穴からドリルを通します。この際パーツがズレないように注意します。

このように穴が開きました。

髪に空いた穴は瞬間接着剤かシアノンで埋め直します。モールドの復元に苦労しないようにできるだけ平面的な部分を選びましょう。

4.ズレを修正したい場合

うまくやれば真鍮線とピンバイスだけでも十分ですが、失敗した時の修正やより高い精度がほしい場合には瞬間接着剤、シアノン、メンソレータム、瞬間接着剤硬化促進剤があると役に立ちます。

写真はクレイズの「木之本桜アリスver.」のキットですが、軸打ちモールドが崩れていて中心点がはっきりしません。そこで、まずサインペンなどで十字を書いて軸打ちの中心点を決めます。

上半身を組み合わせて、下半身にあわせて印をつけ、それを基準に上半身にも十字線を入れて中心点を決めます。

センターを決めて真鍮線を通しましたが、それでも微妙にズレてしまいました。このキットの場合、下半身の四角部分が上半身に差し込まれるのでズレていることがはっきりわかります。

そこで軸打ちの穴を一回り広げます。この部分には2mm真鍮線を通したいので、2.5mmのピンバイスを使いました。この広げた穴に瞬間接着剤やシアノンなどを流し込んで、パーツを組み合われて正しい位置で固定します。

真鍮線を固定しない側の接続面にメンソレータムなどを塗布しておくと硬化後にきれいに外すことができます。瞬間接着剤より硬化が遅く焦らずに作業ができるので、私はシアノンを愛用しています。

スカートをはさんで上半身と下半身を合体。ぴたりとおさまりました。

5.さらに

軸打ちに合わせて磁石接続の作業をしておくと、非常に便利です。興味のある方はこちらから↓

塗装テスト(光沢ホワイト・パールホワイト)

美少女フィギュアの水着やレオタードなどを光沢ホワイトで塗装する場合にどのような表現ができるか、いくつか塗装テストをしてみました。

①クレオスのC-1ホワイトにガイアカラーの風群青でシャドーを入れたもの。白のブラウスやワンピースなどを塗装するときの定番ですが、光沢のある水着の質感とは少し違うようです。

②タミヤの缶スプレーのTS-26ピュアホワイトを塗料が垂れ出す寸前まで吹いたものです。黒や赤だとテロテロした面白い光沢になるのですが白ではイマイチのようです。

③クレオスのC-1ホワイトC-151ホワイトパールを重ね塗りしたもの。淡いパール仕上げで無難な感じです。

④ガイアカラーのex シルバーにクレオスのC-151ホワイトパールを重ね塗りしたもの。下地が銀なので白というより青みがかったシルバーグレーに近い仕上げになります。

⑤クレオスのC-1ホワイトGX110クリアシルバーを重ね塗りしたもの。やや青みがかった銀に近い色になります。

⑥ファンデーションホワイト→XC01ダイアモンドシルバー

⑦ファンデーションホワイト→XC08ムーンストーンパール

エクセルエポ 高透明度 エポキシ接着剤

カーモデルを作っていて悩ましいのが、ウィンドウ、ヘッドライト、バックミラーなどの小物パーツの接着です。メッキパーツはシンナー系接着剤ではつかないし、瞬着を使うとクリアーパーツが曇ってしまいます。試行錯誤の結果、現在は「エクセルエポ 高透明度 エポキシ接着剤」を愛用しています。

エポキシ接着剤は2液混合が面倒だし、手につくとベタベタするのがあまり好きではありませんでしたが、エナメル系溶剤で溶かすことができるのを知ってからは愛用しています。左の写真はミラーを付けようとしてドアに接着剤をつけてしまいましたが、綿棒にエナメル薄め液を含ませて根気よくこするときれいに落とすことができました。

デコトラのミラーなども細かいメッキパーツが複雑に組み合っていますが、エポキシ系接着剤を使うことできれいに仕上げることができました。